sail hayabusa

千葉県 浦安にて活動中

TYC第3戦 第2下マーク回航

2011-05-17 22:09:27 | レース <ログ・写真編>
TYC第3戦の運営をされたCAVOKチームから写真をいただきました。
どうもありがとうございました。

ちょうど当艇の第2下マーク回航を連続して撮影していただいたので、スライドショーに加工してみました。


クルーメンバーと認識を共有するため少し解説を加えておきたい。

順風以上のレースでは、下マークにはポートのランニングでアプローチできるようコースを持っていくことが重要だ。ヘルムスマンの腕の見せ所でもある。
ランニングでスピン回収をすることで大抵のスピントラブルは回避できる。

余談であるが、順風以上のレースコンディション時に、リーチングでマークアプローチをしてスピン回収トラブルを起こし、クルーを怒鳴り散らしているようでは道は見えない。
スピントラブルの大半はヘルムスマンのハンドリングミスにあると私は思う。

さて、マーク回航ではセールトリムとヒールバランスのコントロールが重要だ。
特に下マークでは「メイン早め、ジブ遅め。」がちょうど良い。
またヒールバランスを適切にコントロールすることで、余分なリーウエイを防ぐことができる。

写真ではメイントリム、ジブトリム、ヒールバランスとも比較的うまくコントロールできていると思う。
日頃イメージトレーニングしていることをレースで実践するだけでなく、後から写真で検証することで理解が深まる。

レース後の写真提供などTYCレースは参加者へのサポートが手厚い点が魅力である。


TYC第3戦

2011-05-16 21:45:36 | レース <ログ・写真編>
レースのある日は5時半起床。

身支度を済ませて5時50分からのNHKの気象情報を集中して見る。
この時間の気象情報は情報量が多い。
全国の気象情報を天気図から解説してくれる。
解説を聞きながら日本列島にかかる等圧線の数と気圧配置を頭に叩き込む。
55分からは地域エリアに絞った解説だ。
番組後半に放送される風と波の予報はヨットレースに重要な情報だ。

”関東地方は南よりの風、沿岸部ではやや強く吹く。東京湾の波の高さは1.5m。”
穏やかな朝だけに、東京湾で「1.5mの波高」とは耳を疑う数字だが、強風コンディションをイメージしながら出発。

日曜の朝、地下鉄の車内は空いていて、ゆっくり座れる。
電車にゆられながら頭の中にある順風から強風のコンディションでのゲームプランを呼び出す。

強風コンディションのゲームプランはシンプルだ。

・リグを強風用に設定して出港。
・タックの回数は必要最小限にする。(シフトを無視していいわけではない。)
・フリーでは長いほうのレグを先に走る。(ジャイビングアングルが狭くなるため。)
・他艇と距離を置いて走る。(ブローチングなど突発事故に巻き込まれないため。)
・セールはフラットで浅く、ドラフトを下にもっていき、艇をしっかり起こして走る。
・マーク回航では無理なボートハンドリングはしない。

これぐらい守っておけば、後はボートを走らせることに集中することで結果はついてくる。
そんなことを考えているとあっという間に舞浜駅に到着。

ウォーミングアップを兼ねて駅からマリーナまで約1マイルの道を歩く。
天気もよく爽快だ。

艤装を始めたら南からのブローが入ってきた。

昨日うちに斎藤オーナーがフォアステイを強風用に調整してくれている。
(オーナーとクルーとのヨットレースへの取り組み方が同じである証拠だ。)
その他のリグのテンションを強風用に設定。
不要な備品を降ろし、とりあえず陸上でやるべきことは完了。

レース海面に到着するとまずまずの風が吹いている。吹き上がることが予想されたのでヘビージェノアを選択。
ラインを確認し、スタートはセンタースタートを決定。
スタートでリスクをとらず、帆走りに専念(タックの回数を減らす)するためだ。

スタートでは予定通りラインセンターにボートを運んだが、リコール。
ボートスピードが出ている順風コンディションでは、他艇との高さの差は開いてしまうが秒数はそれほど拡がらない。
躊躇することなく、リコール解消動作を行う。

スタートの失敗をクルーメンバーにお詫びし、開き直ってフレッシュウィンドで帆走。
GPSメーターを確認しながらタックの回数を極力減らした。上マークまでに1艇抜く。
フリーのレグでは、セオリーどおり長いほうを先にとる。
ポートにジャイブした後、西側へのシフトとブローを受け有利な位置取りができた。
下マークではインサイドを確保し、回航動作で2艇を抜く。

あとはフレッシュウィンドでしっかり帆走ることに専念。

6.5マイルのコースを1時間32分48秒で帆走。(30フィートクラスとのタイム差はわずかに2分台だ。)
順風から強風の中、しっかり帆走ることができた。
充実したレースであった。

TBC第3戦

2011-05-09 22:14:01 | レース <ログ・写真編>
ゴールデンウィークの最終日。
南南西の風5~6mの絶好のレースコンディションで2レースが行われた。

南風の場合、TBCレースでは浦安灯標付近にスタートマークが設置され、1マイル程度沖に風上マークが設置される。
地図をみればわかるが、このエリアは南に向かって開けており、南風の場合には、地形的な影響による風向の変化が起きにくい位置にある。
したがって、ゲームプランとしてはどこを走れば有利かと思案する前に、風域に合わせたトリムに神経を集中させ、じっくりヨットを走らせることに重点を置くべきである。

これが、TYCレースが開催される葛西臨海公園沖になると、地形的には若洲海浜公園の影響、水面下では荒川放水路の影響を受けやすくなり、ゲームプランを考慮する上でどこを走るかという戦略性が高まる。

そんなことを考えながら、レース海面に到着。セールをセットしセーリングを開始する。
早めに上マークが設定されたので、上マークまでしっかりセーリングをする。

この海面で十数年レースをやっている。
過去の経験から、浦安灯標沖スタートの場合、スタート位置と上マーク付近ではやや西寄りに風向が変化する。
早めに右海面を選択し、オーバーセールしない位置(かなり足りなめで良い)でスターボードにタック。
相手艇がいる場合は、相手の右側に位置するようコースを選択すると有利にレース展開できる。

フリーのレグでは、即ジャイブまでは必要ないが、先にポートのレグで走った方が効率がよい。
風向が戻る下マーク付近では結果的にスターボードの方がマークに向けやすくなり、インサイドも取りやすい。

実際に走ってみると、上マークに近づくにつれ、確かに西寄りに変化していく。
これらのセオリーを組み合わせ、落ち着いてセーリングする方針を決定。

1レース目はスタート位置取りが悪く、逃げのタックを数回打ったため、前半苦戦した。
2レース目はスタート位置取りもよくフレッシュウィンドでじっくりセーリングできた。

1レース目と2レース目の間で、メインハリのテンション調整、ジブ交換を行った。
ランニングバックステーに連動するチェックステーのテンションを強めにコントロールするようになってから、順風時のボートスピードが良くなった。

このようにいろいろ試せるのが1日2レースの魅力でもある。

ミニトンクラスのヨットも多く参加している。
TBCレースは実に楽しいレースだ。