sail hayabusa

千葉県 浦安にて活動中

TBC最終戦

2011-10-30 21:08:12 | レース <ログ・写真編>
今日はTBC最終戦。
北風6~7mの絶好のコンディションだ。

フルメンバーで臨みたかったが、レギュラーメンバーの二人が都合がつかず欠席。
助っ人にS艇のKさんに乗り込んでもらい、なんとかスタートラインについた。
久しぶりにメインとヘルムを一人でやることに。やはりスタートが一人だと難しい。

第一レース。
位置取りもセールの引き込みも中途半端なスタートを切ってしまった。
シフトの激しい展開となり、タックの位置で追いついたり離されたり最終戦にふさわしいゲーム展開となった。
絶好のコンディションということで、じっくり帆走れるよう運営が長めにコースを取ってくれた。
しかしながら、当艇にとっては少し長すぎた。フリーは落とし目で稼ぐように帆走させたが、ジェネカーを揚げる艇にどうしても離されてしまう。

第二レース。
スタート位置取りはなんとかしたものの加速が遅れた。やはり一人では難しい。
ブローとシフトにあわせてタッキングしながら上マークへアプローチする。
上マークまでは先行艇に食らいつくがフリーが一本レグになってしまい追いつくチャンスを失った。
フリーでは落とし目でスピンを安定させる技がトリマーとヘルムとで定着したように思う。

隼チームはこれで今シーズン最終戦。
今シーズンもあっという間だった。

シーズン終盤

2011-10-24 22:32:28 | レース<準備&心構え編>
今シーズンも終盤に入った。

3月の東日本大震災の影響でシーズン当初のレースが中止されたり、ノーレースとなるコンディションもあったが、隼チームは22レースを消化した。
残るは今週末のTBCレース2レースのみ。今シーズンは24レースで終了予定だ。
今のところ22レース中トップが7レース。欲をいえば、あと1レーストップを取って勝率3割キープでシーズンを終えたいところだが…

結果はどうあれ、今シーズンの最後を締めくくるべく、チーム全員が納得できる良いレースが出来ることを願っている。


帰ってきた「はやぶさ」

2011-10-18 20:38:57 | レース<準備&心構え編>
「はやぶさ」違いで、ブログの趣旨から脱線していることは承知で書きます。

タイトルは、息子が先週読んでいた児童書。(おじぃちゃんが買ってくれたそうだ。)


この本は、小惑星探査機「はやぶさ」の誕生から、小惑星イトカワと地球とを往復する7年にわたる宇宙航海、そして大気圏突入で自らは燃え尽きながらもイトカワのちりの入ったカプセルを地上に送り届けるまでの実話に基づくエピソードを、小学3年生くらいの設定で擬人化された主人公「はやぶさ」の目線で書いてある。

また、随所に「はやぶさ」をささえた日本の科学技術についても要点を得た解説が挿入されていて、大人の知識欲にも応える内容になっている。先週末の土曜日、リビングに無造作に放り投げられていたこの本を興味本位で読み始めたところ、話に引き込まれて止まらなくなり、一気に読んだ。

まぁ児童書なので、大人がいっぺんに読み切ったといっても当たり前といえば当たり前だ。本の中では擬人化され「心」があるかのように行動する「はやぶさ」。児童書とはいえ、実話に基づくエピソードだ。読み進むにつれ、幾度も訪れる危機を共に乗り越えて行く管制室の人間と機械との間に、心ある者どうしの絆さえ感じるようになっていく。

最近めっきり涙腺の弱くなった私だ。「はやぶさ」の大気圏突入の場面、すなわち「はやぶさ」と管制室との別れのシーン、最後に地球の写真を撮影するくだりで思わず大泣きしてしまった。児童書で号泣してしまうのだから、今話題の「はやぶさ/HAYABUSA」の映画はとても劇場には見に行かれない。

はたして涙腺は鍛えられるのだろうか。

東京湾インショアレガッタ その2

2011-10-13 22:22:10 | レース<準備&心構え編>
東京湾のヨットレース関係者がとある気象条件を指すときに使う言葉「はやぶさの風」。
「はやぶさの風」とは、鏡のように凪いだ浦安沖の東京湾にそよそよと吹く微風。
隼スピリット2のヘルムスマンを私が先代から引継ぎ、東京湾のレースに積極的に参加するようになった2000年前後から使われ始め、ここ数年すっかり東京湾奥水域で定着した言葉だ。

誤解をおそれず申し上げると、私はこの「はやぶさの風」という言葉が嫌いだった。使われ始めた当初、多かれ少なかれ当艇に対する揶揄が込められていたと感じているからだ。「レースがぎりぎりできる程度の風になると上位を走る小さく軽いフネ。」「本当ならノーレースの風だよね。」最初の頃はそんな感じだ。レース海面で何度も聞かされた「はやぶさの風」という言葉が負けず嫌いの私に火をつけた。以前も書いた「弱者の戦略」の実行だ。具体的には、得意な分野で徹底的に強くなること。早い話、微風では絶対負けないということだ。体育会ヨット部時代以上に本を読み勉強し、研究・実践した。

微風レースに勝つためには工夫すべき点が多くある。
実は最近、チームの知的財産をあまりブログに詳しく書くなとメンバーから止められている。一方で、体育会系人間の私が書くことはもっぱら精神論であって、抽象的で誰も納得しないという説もある。「へそにくる感じ」がわかる人はまずいないらしい。

大切なことは、レース中に微風時のセオリーを愚直に再現していくことだ。本当に地道な積み上げ作業の先に、スタート直後の半艇身のバウ出しがあり、マーク回航での権利確保があり、大型艇に対しても海面選択により有利にレース展開できるのだと私は信じている。同じようにメンバーも理解してくれているはずだ。もちろん、隼スピリット2も我々に応えてくれている。

今回の第1回東京湾インショアレガッタでは浦安沖に「はやぶさの風」が吹いた。おかげで、隼チームは運よく優勝することができたのだ。勝てるときに確実に勝ったことが何よりの成果だ。得意なコンディションでは確実に勝ち、不得意なコンディションでも大崩れしない。今シーズンの隼チームはスコアメイクの基本ができている。チームとしての安定感が増した証拠だ。

残すところ2レースとなったが、1レース1レース誠実にセイリングしていく気持ちに変わりはない。

東京湾インショアレガッタ

2011-10-11 20:27:36 | レース <ログ・写真編>
何から書いていいのか、隼チームにとって色々なことがありすぎたレースだった。

大井町「きゅりあん」での艇長会議の翌朝に届いた訃報。
かねてから病気療養中であったオーナーの奥様が亡くなられたのだ。
お元気でいらしたころ、毎年シーズンオフにはお得意の「きりたんぽ鍋」を振舞っていただいた。
小さい子供にとても優しく親切に接してくださり、当時保育園児だった息子をマリーナに連れて行くと、必ずおみやげのお菓子を用意してくれていた。

療養中であったことはチーム全員が存じ上げていたが、レース直前の訃報に皆が動揺した。
レースに出るべきか、辞退すべきか。私の素直な思いをオーナーにメールで伝えた。
「レースに参加してください。」それが答えだった。

答えが出たらあとは帆走るしかない。気持ちをレースモードに切り替え、余計なことは考えず勝負に集中するだけだ。当初予定よりメンバーの集合時間を早め、モチベーションをあげてレースに出ることにした。クラス旗の上にブラックリボンの弔旗を掲げて出港。

「チームの心はひとつになった。」と思った。

ところが…
レガッタも終盤となった2日目の第4レースの終了後、Yさんからまさかの発言。

「あれっ?クラス旗の上の黒いやつ、なんなの?」
「…。」

まだまだ鍛えなくてはいけない。