A GRAIN OF SAND

一粒の砂のように
小さな存在だけど
今日も世界の片隅で
生きていた証

報われないこと

2010-06-26 09:34:29 | Weblog
心の中で苦笑する



気づけばまた







貴方を見てる







いつのまに



心だけじゃなくて



身体まで貴方を探すようになったのだろう



どんなに見つめたって



貴方は振り向かない









ねえ私



いつまで貴方を想えばいいのかな



この距離が縮まることがないのなら



もっと離れていられたら



貴方を想わずに済むのかな










友情が愛情に変わる



そんなのただの幻想で



友達と恋人じゃ



住んでる世界が違うの



友情はどんなに成長しても



愛情にはならない









ねえ私



いつまで貴方と笑いあえるかな



もうこれ以上



嘘をつき続ける自信



なくなっちゃった



貴方を想うだけで苦しいのに



貴方が傍にいると



喜びの裏側に



千本の矢が刺さるみたいに



胸が痛むの









だからもうお別れ



貴方は友人を一人失って



私は報われない恋をひとつ



思い出に変える





.

笑顔

2010-06-21 21:25:08 | Weblog
お願いだから



その笑顔を見せないで



でないとあなたを



許してしまいそうになるから







誓ったの



決してあなたを許さないって



私を裏切ったあなたを



許してはいけないの









お願いだから



その笑顔を見せないで



優しく微笑んだりしないで



でないと私



あなたを愛してしまいそうになる








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給水塔の夢

2010-06-07 17:56:29 | Weblog
あのころ



私がまだ混沌としていたころ



一度だけ白昼夢を見たことがある






教室の窓から見えるのは



空と雲と



隣の棟の給水塔だけ








いつも思ってた



あそこへ行けたらいいのにって



すべてのしがらみを捨てて



空と雲と給水塔だけの



静かで完結した世界へ行けたらって









ある日の午後



いつものようにそこに目をやると



彼はいた



給水塔の上



初めて見る少年だった








微かに笑みを浮かべて



風に吹かれて座るその姿に



私はただ見惚れた









私も



私も連れて行って



そこへ連れて行って










彼は立ち上がり



片手を空にかざして



そして



その穏やかで



澄んだ瞳が私をとらえた









『おいで』








『一緒に行こう』









その瞬間



私は怖くなった



そこへ行けば



もう二度と戻ってこられない







微笑む少年



穏やかな日差し



ゆっくりと流れる雲



そこはあまりに美しくて



あまりに静かで



完全なる世界









ほんの一瞬



私は彼から目を逸らした



逸らしてしまった










突如鳴り響くチャイム



喧騒に包まれる校舎







そして



そこにはもう



彼はいなかった








あのころ



私がまだ混沌としていたあのころ



それは



一度だけ見た



給水塔の夢









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憎悪

2010-06-03 21:34:30 | Weblog
そのとき



どす黒い感情が



奥底で湧き出るのを感じた



気付かない振りをしていると



それは無視できないほどに



膨張していった








心の基盤に埋め込まれた憎しみは



あらゆる感情を侵して



内側から



亀裂を作った



ひび割れていく



私の心








憎いの



あなたが憎い








その引き金がなんだったのか



もう思い出せない



でも憎いの



ただただ憎いの








傷つく姿が見たいの



泣き叫ぶ姿が見たいの



狂っていく姿が見たいの



そして



事切れる瞬間を待っているの








ねえ



まだなの?








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