炉開き 口切り 第2部

2016-11-09 14:37:00 | 茶道稽古

日頃親しい友人も この日はおすまし顔のお客様になってお出で下さいました。
お着物も上等な着こなし。
私はと言えばみすぼらしいその辺の百姓おばさんの出で立ち!「もう少しは小奇麗にしなさいよ」と言う母さんの声が聞こえて来るようでしたよ。
広間での壺飾りには先代の筆、横物で”草人木”を掛けました・…この様な集まりにはふさわしい内容と思ったから。これから季節も冬に向かうけれども「冬来たらば春遠からず」の意味もあり人の一生も春夏秋冬
いろんな春を迎えるけれども良い事ばかりでも無く、悪い辛い事ばかりでも無い、頑張っていれば必ず春は来るし報われる日も必ず来る・・・ねぇー母さん!

初炭はふくべの炭斗(藤井一丘作)に伊部焼きの火入灰形の香合(藤田龍峰造)です。この作品は私の生まれた年に2代目を継承した無形文化財保持者と言う事で何だか親戚の様な思いで愛用しています、釜は美之助、くり口に平丸釜。

薄茶席の方は来月4日には「ふれあい茶会」に来てくれる水無月釜の藤谷芳哉の絵付け教室に展示即売が成功でありますようにの”祈り”を込めて極力彼の作品を使いました。水指は臼型「市松宝尽し」。
香合は「琵琶」これは見事ですよ・・蓋をはぐれば琵琶を弾くバチの絵がさりげなく色付けされております。

茶碗は一つ目、大根に蕪・・・大根は大きく根を張ると言う縁起の良い品で黒地に絵がほどこされた粋な品、二つ目は秋の花を初め春夏の草花が咲いています、三つ目は童話に出て来るような野原にススキがたなびきその間を兎が駆け抜けて行く・・・何だか一句出来そうです、そんなこんなで我が家の茶事は自分の気侭にやっていますが知る人は何と法律違反をしているとお叱りになられる事でしょう、先の先に思いがある亭主の趣向と言う二文字を以ってどうぞお許しくださいませ。

説明は前後しますが軸は「敬和清寂」に流租の坐像の画賛。これは当代がお書き下さった一行物です。
花入れは掛けで南部鉄の経筒で家元好みの品です、170~180年前の頃の事でしょうか流租の法要に3代目がお造りになった品が近江の豪商宅にあった物を当代が先代の13回忌の為に造らせた物です。

書き付けを見れば昔の事がよ-く解り速水流の歴史を知る事が出来て面白いです、代々の繋がりを垣間見る楽しい大切な花入れでもあります。
濃茶席の事は又機会がありましたらお知らせする事に。
母さんそれでいいですか?
それでは又ね!
拙い茶事に参席して下さった方々有難うございました。  
  宗春



最新の画像もっと見る

コメントを投稿