あいかわらずE・キューブラー・ロス博士にどっぷりはまっている私。
(ロスについて書いたブログはこちら)
で、田口ランディさんの『パピヨン』を読みました。
そしたら、
どひゃ~~~~~~。
ということが書いてありました。
なんと、散々ロス博士が著書に描いていた「蝶」の絵は存在しないって事。
え~~~!!
うっそ~~~~~!!!
20歳のロスは、ポーランドのマイダネック強制収容所に行って
ユダヤ人の大量虐殺の傷跡を目にし、ショックを受ける。
呆然と収容所を歩いていると、ふと壁に残されていたたくさんの
「蝶の絵」に目を留める。
『なぜ、死を前にした囚人たちが蝶の絵を?』
その蝶に惹きつけられて、強くインスパイアされたロスは
その後いろんな事もありながら医師になる事を決意。
さまざまな経験を経て、人間が死にゆくとき
どんなケアが必要なのかを体験を通して知っていき、
死にゆく人に寄り添いながらサポートする仕事へと移行していく。
そんなロスなので、さまざまな自分の著書に、
その蝶の話をちりばめている。
私もポーランドに行ったら是非その蝶を見てみたいと思っていた。
それなのに、田口ランデイさんが実際にマイダネックに強制収容所に行ったら、
そんなものははなから無かった…という事実に遭遇するのだ!!
(この本が書かれた3年前にNHKも取材に行って同じ現実に遭遇しているそう)
これは問題でしょう~~~(笑)。
ということで、読み始めたらもう一気。
面白い!
というか、感慨深く読めました。
田口さんの本は結構好きで、いろいろ読んでいたけど
特にこの本は、御自分の経験を元にしているノンフィクション系でした。
人を看取る事をとことんやったロスに興味を持ち、
その事を本にしようといてポーランドまで蝶を見に行って帰国したら、
なんと自分の父親が倒れていて、完全看護を強いられ、
最後は看取る経験をするという話しです。
そのプロセスの中で、ランディさんが何度もロスと会話します。
看取りのプロであるロスに、まるで課題を与えられているかのように
ランディさんは自分の心を見つめていきます。
でも、ロスの本を散々乱読していた私としては、まさにタイムリー。
まるで自分がロスと会話しているような気持ちにすらなりました。
でも、ランディさんの気持ちにも同化するような気がして
ひじょ~にどっぷり浸かれました。
浸かりすぎて疲れました(笑)。
けど、面白かったス。
ちなみに、「パピヨン」というのはフランス語で「蝶」の意味だそうです。
本の中には蝶のいろんな秘密も…。
そんなことで、興味あるかたは是非御一読くだされ。