日々の便り

男女を問わず中高年者で、暇つぶしに、居住地の四季の移り変わりや、趣味等を語りあえたら・・と。

(続) 山と河にて 15

2024年01月17日 08時29分11秒 | Weblog

 大助は、美代子がイギリス滞在中に書き溜めたラブレターを読み終えると、今日、突然降って湧いたような巡るましい出来事で神経が疲れ、枕元のスタンドを薄暗くして横臥し浅い眠りに誘われウトウトしていた。 
 暫くすると襖戸を静かに開けて美代子が部屋に忍び込むようにして入って来るや、彼の脇にソーッと添い寝して足首を重ねたが、彼は彼女の足先の感触でハット気がつき目が覚めたが、知らんふりして背を向けたまま横臥していた。
 彼女は、彼の足先は温もりがあり気持ちが良いので、そのまま、暫く触れていていたが、突然、大助が背を向けたまま、けだるい声で
 「ヤァ~ 君の足は冷えてるなぁ~」
 「今日のことで頭がのぼせあがっているから、血液の循環が悪いのかなぁ」
と小声で言ったので、彼女は彼が眠っているとばかり思っていたので、一寸、ビクッとし
 「アラッ、大ちゃん、眠っていなかったの?」
と答えたが、彼は仰向けになり、そのまま何も答えず二人の間に沈黙のときが流れた。

 美代子は、半年振りに、大助と一緒に床の中で身体を触れあったのに黙っている彼がもどかしくなり、彼の胸に顔を寄せて、
 「ねぇ~ 今日のこと、まだ怒っているの?」
 「わたしも、大ちゃんと偶然逢えた嬉しさと、荒れたお部屋の状態を見て悲しくなって、深い考えもなく思いつきのまま勝手なことをして、悪かったゎ」
 「でも、そうするしか、他に方法が思い浮かばなかったので、御免なさいんね ユルシテエ」
 「でも、今、こうしていられるのも、結果的には間違っていなかったと思うゎ」
と呟いた。 
 彼は黙って聞いていたが、彼女が執拗に頬を指先で突っつくので、眠そうな重い口調で
 「今迄、勉強していたのか」 「感心だなぁ。勉強は難しいか?実習もあるんだろう」
 「さっき、風呂に突然入って来たとき見たが、君は一段と成長して大人ぽくなり、脛も春先から伸びた様だが、相変わらずお茶目で、面食らってしまったょ」
と答えると、彼女は彼の返事の内容に安堵して、彼の胸に伸ばした手先に力を込めて寝巻きの襟元を引張り
 「お爺ちゃんやママと、明日からの大ちゃんを交えた暮らし方や部屋の準備等を話し合っていたの」 
 「お爺ちゃんは余程嬉しいらしく、寝酒もきいて饒舌になり、上機嫌で、引越しには気心が知れた寅太や三郎がいいなぁ」と、勝手に決めて、早速、山崎社長と施設長に電話をかけて応援を頼んでいたゎ。
 「でも。ママは、わたしが勝手にパパと会ったことが気に入らず不機嫌で、まだ子供なのね。と、呆れていたゎ」
 「お風呂のことも、恋人同士なら普通のことと思うゎ。大学のお友達も、皆、恋人に尽くすことで愛を確かめ感じているのょ」
 「大ちゃんが、真面目と言うか、理性が強く堅すぎるのょ。それとも、女心が判らないのかしら・・」
と一気に話したあと 
 「ネェ~、わたしを抱きしめて何でも良いから話してよ。黙っていてはつまらないわ」
 「わたし、どの様にされても喚かないから、大ちゃんの好きな様にして・・」
と言って、彼の腕を引張って無理矢理、彼を自分の方に向かせてしまった。

 大助は、彼女と顔を合わせると抱きしめて、いきなり、風呂場のときと違い激しくデープ・キスをすると、彼女も待ち焦がれていたように、彼の首に腕を絡めて積極的に応えたが、彼はそのあと再び身体を離して仰向けになり、一向に次の行動を示なさいないので、彼女は恥じらいを隠して、自分で前縛りの帯をといて彼の懐に顔を擦り寄せ
 「ネェ~、どうしたの。春、お別れする前の夜は、お互いに凄く感激したのに・・」
 「やっぱり、大学に彼女がいるの?」
と囁くと、彼は話したくないような口調で、彼女の頭越に
 「いる訳ないだろう。執念深いなぁ」
 「僕は、男としての評価はC級だよ」 「だから、知識も能力も欠けていて、ダメオトコだよ」
と答えたので、彼女は草食系とか肉食系とは聞いたことがあるが、C級なんて表現を初めて耳にしたので、意味が理解できず 
 「ナニョ ”C級”って。なんのこと?」 
 「医学生の間で、そんな自虐的な表現が流行っているの?初めて聞いたゎ」
と聞き返すと、彼はスタンドをつけて、枕元の紙袋をガサゴソとかき回し、さきほど読んだ”大助の評価書”を取り出して、顔の上で広げ、小声で皮肉ぽく”性的知識・行動評価C”と、その部分だけ言葉に力を込めて読みだしたので、彼女は慌てて、ウッカリ入れておいた落書を抜き取っておくことを忘れ、シマッタ! と気ずき、思わず大声で 
 「イヤ~ッ! ヤメテェ~ 」
と金きり声で叫んで半身起き上がるや、彼から落書のレターを強引に取り上げ、破いて屑篭に捨ててしまった。

 大助は、その声に驚き思わず起き上がり、彼女を抱き寄せて口を手の掌で押さえ
 「コラッ!夜中にそんな大声をだすな。僕が、嫌がる君と無理矢理SEXを強要しているみたいでないか」
と怒って、再び、横になって背中を向けてしまった。

 彼等の部屋から廊下ずたいに3部屋離れているキャサリンの部屋に、美代子の甲高い悲鳴が深夜に聞こえて来たので、キャサリンは思わず赤面して毛布をかぶり、大学生にもなったとゆうのに娘の幼さを嘆き、彼女に対する性教育の至らなさと、大助の心境を心配して、胸の動悸が暫くのあいだ治まらなかった。

 大助は、背中にしがみつきシクシク泣いている美代子に
 「なんで、泣いているんだ。泣くこともないだろう」
と声をかけ、彼女の泣き崩れている姿態を見ていて、にわかに性欲が身体中に漲りだし、寝巻きや下着を脱いで素裸になると、はち切れる様な性の本能で、接吻したあと、下着の上から乳房に手を触れて柔らかく愛撫すると、彼女は嫌がる素振りもせず「スタンドを消してぇ」と言って手を伸ばして消すと、暗闇の中、両手で顔を覆って隠し静かにして、彼の為すままにしていた。
 大助は燃え盛る欲望を抑えきれず、半ば強引に彼女の寝巻きやパンテイを剥いでシュミーズとシャツをまとっただけの半裸身にすると、スタンドをつけて部屋を明るくし
 「君の全身を生で見てみたいわ」
と言ってシュミーズをたくし上げ、乳首を口に含んだところ、彼女は再び手を伸ばしてスタンドを薄暗くし、捲り上げられたシュミーズの裾で顔を隠し
 「いきなり、どうしたとゆうのよ」
 「女はみんな同じよ。見てもしようがないでしょう」
 「そんな乱暴をしないでぇ。大ちゃんらしくないゎ」
 「明るいところはイヤッ!スタンドを消してよぅ~」
と泣き声で嫌がり
 「アァ~ッ、乳首に歯を当てないで。痛いわ」
とうめいた。 

 大助は、見てはならないものを興味深々と眺め、赤裸々に晒された彼女の裸身をシゲシゲと見ながら、何も答えず、本能の慄くままに、胸や腹部を感触を確かめる様に柔らかくさすり、やがて大腿部から陰部に手を移し指先で秘所を優しくまさぐると、ほどよく繁ったオワシスはヴァルトリンシ腺の泉で潤っていた。 
 美代子は、恥ずかしさのあまり横向きになって腰を引き、声を殺して「オネガイ ヤメテョ~」と泣いて拒んだ。
 彼は、そんな彼女の言葉にお構いなく力任せに仰向けにすると、彼女のあられもない姿態に益々興奮して、まさぐる指先を緩めることなく続けた。
 彼女は耐え切れない羞恥心から強引な愛撫を拒もうとする心と、未知の性感に無意識に反応する体と心がバラバラになって悶えた。
 彼はその姿態をみていて、堪えきれずに燃え盛るオオジサマを夢中でオヒメサマに挿入すると、瞬間、彼女は少し呻いて身体をのけぞらせたが、すぐに彼の首に片腕を絡めて顔を彼の横顔に当てて、言葉にならない声を小さく発していた。 
 彼には、そんな彼女が必死に声を殺して耐えている様子が健気に思えた。   
 それは、若く経験の浅い彼等には性愛以前の幼ない戯れにも似た自然な行為であった。

 大助は、突如、彼女の興奮している感情を無視して、一方的に身体を離してオオジサマを抜去し、慌ててテッシュに数千の子孫を放射し、そのあと仰向けになり、深く息をしたあと
 「あぁ~ 気分がさっぱりした」
 「君の肌は弾力性があり、それでいて柔らかく滑らかで、僕が想像していた通り肌が綺麗で魅力的だわ」
 「さっき風呂で乳房を触ったときは、もっとふくよかに感じたが、お湯の浮力のせいかなぁ」
 「それでも、搗きたての小さい白い大福にアンコをチョコット乗せた様で、凄く可愛いかったよ」
と、一人ごとの様に呟くと、彼女は訳も判らずに、スタンドを消すと
 「勉強のし過ぎょ。浮力なんて・・」
と愚痴り、彼の顔を両手で軽く挟んで
 「そんなことないゎ。人並みだゎ」  「オンナノカラダハ オトコシダイョ」  「ダイチャンノ セキニンダワ」
 「それよりも、なんで急に離れるのょ」 「わたしの身体に不満なの?」「ヤッパリ ”C” ナノカシラ」
と、下着をつけながら皮肉風にブツブツ言っていたが、終えたばかりの戯れを思いだしてか
 「”超A型”に訂正するわ。それに肉食系もいいところ猛禽類だゎ・・・」
と、彼に対する夜の評価を、興奮の冷め遣らぬ余韻の残った思いで呟いていた。
彼はフフンと苦笑して
 「マタ ボクノ セキニンカ ヨ」  
 「春のときの様に、後々、君がニンシンするのを心配するのはもうコリゴリだからさ」
と言ってフフッと笑った。
 彼女は、予め用意していたバスケットから蒸しタオルを出して「拭いてあげるゎ」と言って、オオジサマに愛しげに触れていたが、その最中、オオジサマに詫びるように、か細い声で
 「コンド チャントヨウイスルカラ ゴメンナサイネ」
と小さく呟きながらも、貴重品を扱う様に丁寧に始末していた。

 美代子は、隣の自室に戻る気になれず、疲れから軽い鼾をかいて気持ち良さそうに眠っている大助の脇に寄り添うと、彼の横顔をみていて、わたしは彼に心の底から愛されているんだわ。と、改めて思い直し、イギリスから帰国以来、彼に逢えぬまま、やるせない思いでいた心の霧がすぅと消え去り「ウレシカッタヮ」と囁いて、夢の世界に誘われた。

 

 

 

 



 
  

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