花夢

うたうつぶやく

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お茶会に参加します (花夢)
2009-09-17 00:22:13
久しぶりに、五十嵐きよみさん主催のお茶会に参加することにいたしました。
よろしくおねがいいたします。

この歌を読んで、どのような印象を受けますか?
悪いイメージでも結構ですので、実際にどう思われたかを伺いたいです。
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こんにちは (新田瑛)
2009-09-19 08:50:47
よろしくお願いします。
告別式なんかに参列すると、悲しい気持ちになる一方で、それを冷静に見る自分がいたりします。そのような感覚を、「悲しむ係」と表現しているように捕えました。
上の句のは、雨音だと思うのですが、下の句とどう結び付くか。ここが微妙なところかと思います。単純に見ればらんららら…はハミングでもしているか、そのような楽しい気分を表すと思いますが、さすがに告別式の場で、そんな気分ではないでしょう。何か倒錯して、自分自身でもよくわからない、コントロールできない、といった心境と考えられるかな、と思いました。
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お茶会のコメント (五十嵐きよみ)
2009-09-19 18:37:32
こんにちは。お茶会のコメントにお邪魔しました。
初句・二句はオノマトペだけで成り立っていて、賛否両論ありそうな気もします。私も手放しで賛成というわけではないのだけど、この歌の場合は動かしがたい感じがしました。強いていえば、初句と二句の切れ目がわかりづらかったので、初句も「ん」で終わったほうが読みやすかったかもしれません。

「悲しむ係」といいながら、初句・二句では楽しそうにふるまっているわけで、そのアンバランスなところが、「私」の悲しみを際立たせていると思いました。もしもこれが「しくしくしく」だったら、ちっとも心に届いてこないです。「らんららら」であることで、「私」が実は悲しんでいることをうかがわせるし、「私」の悲しみが伝わってくるのだと思いました。亡くなったのは、「私」が公然とその死を悲しめない間柄の人なのかもしれないですね。


…と、自分のコメントを書いてから、新田さんのコメントを拝見して、「ああ、そういう読み方もあったのか」と目からウロコでした。オノマトペは雨の音。なるほど。全体として納得のいく解釈で、私の読み方は深読みのしすぎかもしれないな、という気もしてきました。ただ、これはこれで成り立つ解釈だと思うので、私はこの読み方でいってみますね。
私の読みに対する新田さんのご意見もうかがってみたいですが、すでに一度コメントされているわけなので、お時間があったら…ということで。
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悲しむ係 (萱野芙蓉)
2009-09-19 19:58:00
はじめまして、五十嵐さんのお茶会に参加させていただいております萱野芙蓉です。どうぞよろしくお願いします。

世間一般では告別式といえば否応なく悲しい場面であり、悲しむのが当然とされているところだと思います。
その「否応なく悲しく誰もが悲しまなくてならない」的なものに対する反発のようなものを歌っているのかなと思いました。
「係」なのですから、責務をもって悲しまなくてはならないわけで、本来の自然な感情の流れが阻害されていることへの反発というか…。
しかも雨まで降っているんですね、これまた世間で言うところの涙雨ですね。
作中の人物が本当に悲しんでいるのかそうでないのかは、今の時点の読みでは、ちょっと自分ではわからなかったのですけれども、悲しみ(や喜び)は強制されるものではないということのほうがこのお歌によって改めて強く自分に認識させられたように思いました。

初句・二句については「賛否両論ありそうで手放しで賛成というわけではない」という五十嵐さんのコメントと同じ気持ちですが、動かしがたいかと言われると、うーん、どうかなぁと。動かしがたい気もするし、動くような気もするし。
初句・二句をすべてオノマトペで占めるということも含めてちょっと今はまだ言及できない感じです。

いがらしさん、新田さんの感想を読ませていただいて、うがったひねくれ者かしらんとちょっと恥ずかしいのですけれども思ったところを正直に書かせてもらいました、スミマセン。
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またお邪魔します (五十嵐きよみ)
2009-09-19 22:55:58
こんばんは。
初句・二句のオノマトペについて、改めて。
この部分が「動かしがたい」という私のコメントですが、これは、先に書いた自分の読みに沿った場合の意見でして、ほかのお二人からからまた違った解釈が出され、それぞれ納得できるなという事態になってみると、また違った感想を持つに至っています。
この歌の読みが人によってぶれるのは、三句以下だけでは字数が少なく、「私」の状況や心境が十分に描ききれないからではないでしょうか。だとしたら、オノマトペの部分をもう少し減らして、状況や心境の説明を補強するという手もあるように思います。
「らんららら~」というオノマトペが、雨音なのか、告別式の悲しみを茶化しているのか、無理に明るく振舞おうとしているのか、あるいはもっと別の意味なのか――ということだけでも、もう少しわかるといいかもしれないですね。
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あらためまして (新田瑛)
2009-09-23 00:20:57
夜分失礼します。
五十嵐さんの読みについて僭越ながら少し述べると、むしろその方が普通というか、自分のほうが強引な読みをしている気もします。特に、
>そのアンバランスなところが、「私」の悲しみを際立たせていると思いました。もしもこれが「しくしくしく」だったら、ちっとも心に届いてこないです。
というのはその通りだと思います。
ただ、「らんららら…」というのは気丈に明るくふるまう、とかいうレベルを超えている気がして、最初のようなコメントを書いたわけです。
もっとも、(特にこの歌の)オノマトペについては、あるひとつの意味を断定することはできないかなと思います。萱野さんの読みについてもよくわかりますし。それゆえにほかの部分で、五十嵐さんのおっしゃる補強が必要になるとは私も思います。初句・二句のオノマトペ自体は効いていると思いますので、難しいところですが。
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オノマトペ (萱野芙蓉)
2009-09-23 17:16:17
再度失礼いたします。
こちらのオノマトペについて考えてみました。
自分の場合、悲しむことが「当然とされた場面」への違和感を持ちながら悲しむ係を務めている作中の人物という読み解きなので、義務としての心情とは別の生の心情を別の場所に逃がしているのかな、という印象をこのオノマトペから受けました。
そういう面で、あまり悲しさと結びつかない(と感じられる)"らんららら"は有効なのではないかと思いました。
ただ、分量的にはもう少し減らしてもいいのでは、と思っています。
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Unknown (中村成志)
2009-09-23 20:19:33
参加者ではありませんが、読んでいてふと思ったことをひとつだけ。
「らんららららん…」の文字列が、告別式の参列者に見えました(タイポグラフィ的に)。
そういう目で見ると、この長さも違って見えてくるような気がします。
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またも、こんばんは (五十嵐きよみ)
2009-09-23 21:36:06
新田さん、リクエストにこたえてくださって、どうもありがとうございます。
また、萱野さんの再度のご意見と中村さんのご意見も、興味深く読ませていただきました。
オノマトペをどう取るかが鍵になりそうですね。私が最初に書いた解釈は、無理読みではないにしても、第一印象だけで押し切ってしまったかなあと思ったり…。
いずれにしても、お茶会ではなかなか意見の応酬まではできないので、今回、こうして皆さんとやり取りができて、嬉しく思いました。読みを深めるには、やはり意見交換することが大切ですね。おかげさまで、いい刺激をいただきました。
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みなさん、ありがとうございました。 (花夢)
2009-09-24 00:35:11
新田さん、五十嵐さん、芙蓉さん、そして中村さんも!参加してくださいまして、ありがとうございました。
みなさんには時間を割いて何度もコメントしていただき、多くの深みのあるご意見を頂いて、とても感謝しております。
そんななかで、自分の鑑賞力はちょっとイマイチだな、と反省しきり。
みなさまのブログにお恥ずかしいコメントばかり残してすみませんでした。

想像以上に、多くのご意見や読み方を伺うことができ、とても興味深く拝読いたしました。
初句・二句のオノマトペについても、多くの読み方や考え方を知ることができましたし、
多くの解釈が発生したことに関しても、幅広い考え方を教えていただいた気持ちです。
「読まれたときにどうなるか」という客観性を得られる良い機会となりました。
説明不足の作だった感は否めませんが、それゆえに、多くのご意見や考え方を知ることができました。
真剣に研ぎ澄まされた視線を浴びる貴重な機会を得ることができたように思います。
ありがとうございました。

もともと、この作をお茶会に出そうと思った理由は、
萱野芙蓉さんが「世間一般では告別式といえば否応なく悲しい場面であり、悲しむのが当然とされているところだと思います。」
とおっしゃるように、そんな告別式という場所において、
「らんららら~」だとか「悲しむ係」だとか、神経を逆なでしかねない語彙とも取れるものを使用しているゆえ、
それがどれほどの違和感となるのか、不快感となるのか、個人の印象にどれほどの影響を与えるのか。と考えたところにありました。
しかし、逆にその部分に対して、きちんと丁寧に向き合ってくださって、さらに掘り下げて考えてもらえたようなお茶会でした。ありがとうございました。

実は、十首ごとで連作仕立てのようなものになっており、
そちらを見ると、印象や解釈にまた影響が出るかもしれません。
それが良い方向・意味であるのかは、また別問題ですが、ご参考までに。
http://blog.goo.ne.jp/hana_yume/e/08e8298975093f44e2afb6c6991f3ae7
(なお、これも踏まえたうえでのお茶会のおかわりコメントなども歓迎です)

とは言え、一首自体がきちんと効果的な形を成したうえで、それが集まって連作にならないと意味もないので、今後も精進してゆきたいと思います。
ありがとうございました。
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