花夢

うたうつぶやく

2008年題詠 041~045

2012年08月21日 | 題詠2008感想


「存在の耐えられない軽さ」はいつだって貸し出し中で予約が百人
041:存在(やましろひでゆき)

ああ、どうってことない僕の存在が大きなまちのひとごみに消える
041:存在(富田林薫)

ゆふぐれをただ暮れさせてゆくだけの存在であるわたしも影も
041:存在(萱野芙蓉)

存在をぜんぶひらいて夕立を待っている 草もわたしも犬も
041:存在(村上きわみ)

鱗ひかるきらきらひかり溢れだす一尾だけではなかったんだぁ
042:鱗(藻上旅人)

テーブルに鱗がひとつ落ちていて午後の会議に身が入らない
042:鱗(新井蜜)

歩道橋がとりあげられる(せんそうせんそう)鈴を鳴らして夕闇がくる
044:鈴(松下知永)

投函を終えてひろがる晴天に馬鈴薯ほどのさみしさを抱く
044:鈴(ひぐらしひなつ)

ヴィクトリア(またの名をカンザスの死体洗い)黄色い楽譜を売り続けてる
045:楽譜(西巻真)

楽譜なら読めるけれども弱冠の音痴 地図ならあるけど迷子
045:楽譜(市川周)



このときから3年経っているので、
訪れてみるとなくなっているブログも多い。
サービス自体がが終了しているブログもあるし、
残っているけれど更新されていないブログもある。
続けている方のほうがむしろ新鮮なくらい。

とは言え、
私の好きな作品を書かれる方、
このブログで取り上げさせてもらう方で、
今もブログの更新を続けていらっしゃる方は、
比較的、多いように思う。

やはり、継続は力、か。

こころが五七五七七をなぞらなくなってしばらく経つ。
けれど、こんなに言葉が自由であるならば
またきっと戻ってくるだろう。