「花びら」といえば、やはり、桜の花びらを連想される方が多いかな。と思いました。
私もまた、そうでした。
ただ、花びら=桜ではないんですよね。
どんどん絞れなくなってきているのですが、
自分のキャパシティーも結構いっぱいいっぱい。
息切れしかかっていますが、皆さんの作品はこれからますます勢いを増す予感。
私もまた、そうでした。
ただ、花びら=桜ではないんですよね。
どんどん絞れなくなってきているのですが、
自分のキャパシティーも結構いっぱいいっぱい。
息切れしかかっていますが、皆さんの作品はこれからますます勢いを増す予感。
坂道をころがるひかりひとひらの花びらそして君のまなざし 暮夜 宴 言葉がころころと連鎖的にころがっていて、心地よいです。 「ひかりひとひらの花びら」というH音の多用が、言葉をひらひらと舞わせている気がします。 坂道をくだって、ひかりから、花びらを経由し、最後に着地する場所が君のまなざし。 まるで舞い散る花びらのようにひらひらと視点がうつり、最後に、春のようにほんわりとしたストーリーを感じさせる場所へ。 華麗で、とても明るい作品です。 |
花びらとわたしを呼んだその声に毟られたくてわざと震える ハナ ハナさんの作品は、まぎれもなく女性の詠む歌。 毟られたいと思うのも、わざと震えるのも、 なんて女性らしい美しい作品でしょう。 どきっとするくらいに。 ぞくっとするくらいに。 女は、可憐さと、強かさが共存しているんです。 |
やはらかき花びらにふれ指先は指先であることに気がつく 野良ゆうき 花びらって、薄くて軽くてやわらかい。 自分がほんとうに触れたのかどうかわからなくなるほどに。 そんな花びらという対象に触れることで、普段より、より繊細に指先は触れるということを意識する。 花びらがあまりにも空気に近い存在なので、花びらに触れるとき、指先は花びらを自覚するより、自分の指先を自覚してしまうのですね。 とてもとても繊細。 まるで空気の振動のように、そっと。 花びらと指先でしか紡げない繊細な感覚。 |
花びらが舗道を埋めているけれど昨日と同じ電車で僕は クロエ 花びらが舗道を埋める景色。 これは、きっと桜の花びらでしょうね。 桜の花びらで敷き詰められた、とても美しい道。 けれど、そんな舗道を尻目に、作中主体は行かなければならない。 昨日と同じ電車で。 日常はすでに完成されていて、立ち止まる時間も与えられていない。 同じリズムで、進んでゆく日常。外れることすら敵わぬ日常。 「昨日と同じ電車で僕は」 途中で切られているような終わり方が、 後ろ髪を引かれているような、気がかりな気持ちをほんのりと抱えながらも、今日もまた、顔をあげていつもの日常に飛び込んでいく姿に見えます。 大学時代、通っていた電車から見えていた、とても綺麗な桜並木を思い出しました。 川沿いの、舗装されていない小さな道に桜が咲いていて。川に落ちた花びらがとても綺麗で。 けれど、その場所はどうしたって降りることのない駅にあったので、いつも電車の窓から見るだけで、通り過ぎることしかできませんでした。 あのときのことを思い出しました。 結局、私は、在学中に4回めぐった春のなかで、我慢できずにその駅を降りて桜並木を歩きましたが。 あの頃の私には、自由な時間がいっぱい転がっていました。 |
花びらで数えて決めた運命と僕らがすれ違ってゆく夏 内田誠 好き・きらい・好き・きらい の花うらない そのうらないの導いた運命に従ったのか、従わなかったのか、 僕らはすれ違ってゆく。 花うらないをしたのは、おそらく春。 そして、すれ違ってゆく夏。 季節も、想いも、僕らも移り変わってゆく。 |
春風に舞う花びらをひざの上で 開げたノートに閉じ込めて立つ 文月万里 この花びらも桜のはなびらでしょうね。 一読して、鮮やかに情景の浮かぶ作品でした。 ゆるやかな空気にまどろみながらノートを広げていたのでしょう。 そのノートに目を落としていたけれど、はっと意識を取り戻し、没頭していた世界から日常に返り、どこかにむかうために立つ。 没頭していた自分の世界から日常に返る様子が、ノートを閉じて立つという行為によってパチっと切りかわっています。 そして、その瞬間、春の空気も一緒にノートに閉じ込められているのですね。ごくごく自然に。 春の穏やかさ、清々しさの伝わってくる作品です。 |
もう少し待つべきでした。
10首選してしまった後でした。
花夢さんに拾っていただいて初めて気付きました。
あたしにもこんなきれいな歌があったのかって(笑)
たぶん無意識だと思うんだけどH音ってやさしい響きですよね。
これをどうにかしたくて「は行」の歌を詠んだのですが
バイキンマンの「はっひふへほ~~」みたいで不評でした(笑)
意識したらボロボロでございましたの^^
私も残念に思っていたのですが、
皆さんが自選集でご自分の作品を選ばれるにあたって「私はこの作品好きだよー(^^)/~~」ってもっとアピールしておきたかった。
でも、のろのろなので・・・・。
暮夜さんの作品は、また貸していただくスタンバイしてますんで、よろしくお願いしますね。
自選10首がどれになるのか、楽しみにしています。
さて、暮夜さんの花びら作品。
無意識とおっしゃってますが、とても効果的な詠み方に思いました。
「坂道を」から、
ひらひらと舞い、
最後は「君のまなざし」。
最後にH音のない言葉が出てきたので着地したな。という感じがしました。