らんかみち

童話から老話まで

茶豆は脱いだ靴下の香り

2015年09月02日 | 酒、食
             

 山形の「だだ茶豆」の「だだちゃ」とはオヤジという意味だとか。父ちゃんが好んで食べる在来種の枝豆を、山形県が特産として保護しているらしい。それを二度ほど取り寄せて食べてみたけど、ぼくには匂いが強すぎて苦手かな。

 そういう過去をすっかり忘れ、今年の春に枝豆を蒔いたら、できたのがだだ茶豆にそっくりな味だった。驚いて種の袋を確認したら「茶豆」となっていた。臭い!

 だだちゃ豆は茶豆の一種であるというので匂いが似ているのも当たり前なんだろうけど、スーパーの枝豆に慣れていると食べにくい。
 しかし自分で作付けたものは自分で責任を取るしかない。誰かにあげようなんて、考えづらい。たとえは悪いけど、脱いだ靴下……。

 初めは無理して食べていたけど、気がついたら夢中になっていた。作物としては不出来でも旨味と甘みが凝縮されている感じだし、ちょっと冷めた頃には匂いも落ち着いてくる。脱いだ靴下の香りにも、いつかは慣れてしまうんだね。。