私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

宇佐美りん『推し、燃ゆ』

2021-06-13 16:19:12 | 日記

 June  13, 2021 

何年かぶりに、自分のブログを開いた。今から見れば、若い私がいる。過去は過去として、老いた私の日常を、改めて書いてみたいという気持になった。人それぞれだろうが、私は79歳ごろから、急に年老いた、つまり老境に入ったということを実感し始めた。世の中は、様々な形で姿を変える。コロナ禍があったり、オリンピックが近いと騒がしかったりと。しかし、すべてが新聞やテレビなどのメディアを通してのことである。今の私の日常は、70歳から始めた点訳と、やっと面白さが分かってきた読書に費やされている。点訳についても、この10年余、ずいぶんいろいろな分野を経験した。今は、辞典を点訳するグループに属し、研究社の『オーレックス英和辞典』を点訳している。点訳は、ほとんどが、ボランティアで成り立っている。偶然足を踏み入れた世界だが、知ってみると奥が深い。40代、50代から携わっている方がほとんどで、私は教わることばかりだが、パソコンを使うので、結構楽しくやっている。

ブログを再開したいと思ったのは、宇佐美りん『推し燃ゆ』を読み終えたからだ。今年の芥川賞受賞作だ。最近の私の読書は、図書館から借りてくるミステリーや、本屋大賞関係のものがほとんどだ。最近読み終えた、 デイーリア・オーエンス『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)は、面白かった。翻訳部門の本屋大賞第1位だそうだが、納得できる。最近は、賞が付く本に目がいってしまう。

『推し、燃ゆ』に戻ろう。私はあまり文学的な解釈はできないのだが、格調が高い本だと思った。また、今を生きる人々にとって、何か心が通じるものがあるのではないかとも思う。私は、作者の年齢とあまりにも離れているので、最初は戸惑ったりした。しかし、すぐに引き込まれた。すべての人を包み込む文学の力がここにあると感じた。


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