私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

蝉時雨

2017-08-11 14:07:35 | 日記

August 11, 2017

どんなに暑くても、蝉時雨が耳につき始めるようになると、夏が終わりに近づいていると感じる。近々受けることにしている健康診断用の書類をそろえながら、胸椎の骨折で背中が曲がり肺を圧迫しているので、最近日本人の死亡原因の上位にランクしはじめた肺炎で命を断つことになるような予感がしてきた。ずっと健康には自信があり、死を意識するなどということはなかったが、あまり長生きできないなと悟り始めると、身辺整理をしておかなければならないと、急にあわただしく動き回っている。

100歳で亡くなった母と最後の十数年を共に暮らしてくれた一番下の妹にそんな話をすると、晩年の母は自分と比べてレントゲン写真に写る肺がずいぶん小さくなっていたけれども、肺炎に1度もかからずに長寿を全うしたと言っていた。そんな言葉を聞くと、日常生活に意欲がわいてくるから不思議だ。20日過ぎてから、妹と墓参りに行こうと思っている。その時に、ほとんど役に立たなくなっている今使用中のパソコンを買い替えるのも手助けしてもらうつもりだ。これまでは何でも独りでやってきたが、最近何か心もとなくなってきている。妹がいれば百人力だ。ここでも、5人姉妹を生んでくれた母に感謝したい。

点訳をはじめてから、以前あんなに親しんでいた詩歌の世界から遠のいている。久しぶりに、大岡信『折々のうた』(岩波新書)の何冊かに目を通した。取り上げている歌の数々とそれに添えられた短い文章を読むと、大きな才能に触れる思いを新たにした。その中の夏のうたから引用させてもらおう。

      大そらを静かに白き雲はゆくしづかにわれも生くべくありけり     相馬 御風

      やがて死ぬけしきは見えず蝉の声                      松尾 芭蕉

                                         (大岡『第六 折々のうた』岩波新書)

画像は、近くの友人が、お庭に咲いたのを届けてくださった「むくげ」。たくさんあったので、さし木にもしてみた。私の好きな花だ。

         


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