私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

8月に

2019-08-08 14:01:31 | 日記

August 8, 2019

暑さにかまけてグタグタした日常を送っているうちに、気づけば8月に入っていた。8月は、私にとっては戦争の記憶が大きいが、今年は特にメディアでの戦争に関係する報道が少なかったように思える。若いゴルフプレイヤーが世界の舞台で活躍したとか、誰それと誰それが結婚したとかいったニュースばかりが目立っていたように思う。もちろんそんな話題がニュースになっているのは、平和なことかもしれないが、原爆が投下されたり、終戦を迎えたあの暑い日々のことを、私たちの世代は忘れないだろう。

昨年5月に、広島の原爆資料館を訪れる予定にしていたが、途中の都市に住む妹たちと合流し、奈良までは行けたが、広島まではたどり着けなかった。妹の家からでも、一泊はしないと無理かもしれない。秋の紅葉の時期に行けたらいいなと、ささやかな希望を抱きながら、大江健三郎『ヒロシマ・ ノート』(岩波新書)を読み返したりしている。

話題は変わるが、今、朝日新聞の文化文芸欄の「人生の贈りもの」というコーナーで、詩人の金時鐘が取り上げられている。この詩人については、以前ブログで書いたと記憶するが、私の好きな詩人のひとりだ。彼の詩に触れるとき、いつも、かなり前に見た韓国映画の一場面が浮かぶ。それは戦火の後の焼け野原で、兄の遺品の万年筆を探す男の姿だ。この場所は済州島で、もっと具体的な物語があるのだが、いま思い出せない。ただ映画館の大きな画面に映し出された映像は、しっかりと頭に焼け付いている。この映像がきっかけで、金時鐘の作品を読むようになったのかもしれない。8月という毎年訪れる月を、私はこれから何度迎えられるかわからないが、戦争に関連した様々なことが思い浮かぶ、忘れない月として残っていくだろう。反戦の思いを新たにして。

画像は、住まいのある団地の庭で撮った。このユリは種で増えるのだろうか。突然庭のある場所で花が咲き、翌年はなくなり、別のところに移って花を咲かせる。猛暑の中でも変わらず美しい。