Heart and heart

ありきたりになりがちな毎日をオンリーワンな一日に

古寺巡礼

2013-11-30 23:05:17 | アート

     紅葉も もう終わり
     落ち葉の方が目につく土門拳記念館のお庭----
     唯一 もみじだけが色づいて残っていました


     開館 30周年記念展
     「古寺巡礼」は写真家 土門拳のライフワークと
      いえるものです。

     そして、新たなプリントでさらに鮮やかに
     作品が甦っているのも
     今回の記念展の魅力-----


     「ぼくは一日本人である。
       日本人については、くだらないなぁ
       と匙を投げたくなった事も しばしばだが、
        こんなにも長く 日本文化に取り組んできたのは、
        やはり、日本人が好きだからであろう-----土門拳------」        






     土門は、好きな仏像は・・という問いには
     この薬師如来と必ず答えています。

     これは頭部の作品ですが
      足部だけのものもあります。
     そして、その足部に、弘仁時代の精神を見るといいます。
     立像の足にまで、見る者を捉えて離さない、魅力があるというのです

     顔だけにとどまらず、仏像には
     指の先、足先に至るまで、いつの時代も人々を惹きつけて
      止まない、威厳や救いがあるのだと思います



     土門は仏像以外にも 建築にも
      それと同じほどの魅力を感じていました
    「建築ほど変化に富んで 長い鑑賞に堪えるものはない-----土門拳」


     宝生寺鎧坂


     「東大寺転害門」
      寺格は関係なく、その魅力を
       天平の壮大なロマンチシズムを伝えている。と言います

     柱にいたっては、ひのきの円柱とその礎石は
       こころに安らぎを与えるとも----

      土門は自らのこころに引っ掛かり
        気になったそれらには
       通いつめ 長い時間向き合ったようです。


     「如来形立像」
      に関しては、胸や下腹部、大腿の魅力は
       顔を補っても余りあるとまで言います。

      ニュープリントの作品は
       どれも鮮やかで
       土門ならではの、リアリティを表しています。

      日本の遠い過去から繋がる
       歴史や人のこころの奥をあらわす
        それらを これほどまでに魅力的に引き出す土門の
        ちからに感服してしまいます。

      それは、日本を愛するこころの強さ 故に
        なし得る事だったのです-----


      一度 惚れ込んだら とことん対峙する
      そうすれば、自分にだけ 見えてくるものがあるのかもしれません。

      それは、どんなものにも言える事-----
       心を研ぎ澄まして
        真剣に物事に向き合わなければ、本質などに辿り着ける訳がありません。

      現代に生きる私たちに
       投げかけてくれるメッセージのようです。。。
      

    
     

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