行徳平兵衛の徒然

とりあえずは奥の細道の自転車放浪記

平兵衛の「奥の細道」-22 象潟~由良

2007年10月22日 | 奥の細道
2007年6月5日(火) 晴れ
昨夜のテレビによると、台湾の李登輝前総統が来日し、奥の細道の旅を始めたと言う。一昨日が山寺で昨日が平泉、そして今日は象潟だそうだ。同好の士として是非お出迎えしたいところだが、暇人の当方にも予定があるので失礼する。
7:30ホテルをスタートし、干満寺で芭蕉像(写真)、句碑を訪ねる。奥の細道の「この寺の方丈に座して簾を捲けば、風景一眼のうちに尽きて、南に鳥海天をささえ、その影うつりて江にあり----寂しさに悲しみを加えて、地勢魂をなやますに似たり 象潟や 雨に西施が ねぶの花」の境内から九十九島を眺めるに、もし昔のように水が満ちていたらとか、舞うような松に雪がかかっていたらと想像する。
 象潟や  松に白雪  鶴の舞    平兵衛
能因島を経て、徒歩や車では行けない小丘の間の小道や農道を自転車で細かく巡る。R7に戻り早朝の海岸線を南下する。昨日の絢爛たる風景とは異なり、清々しい岬や入り江の眺めを堪能しながら進むが、視線的には上を走るJRの電車からの眺めの方が優れる。
旧道とR7を行き来しながら、小砂川を過ぎ三崎公園近くで県境を越え、女鹿、 十六羅漢岩などを経て吹浦まで美しい海岸線が続く。
奥の細道の「むやむやの関」は象潟町関にある関跡だが、秋田~山形県境の三崎公園と宮城~山形県境の笹谷街道の笹谷峠の二ヶ所に「有耶無耶の関」がある。何とも有耶無耶な話だ。三崎山の手長足長伝説によると「1200年前、この山に手は鳥海山にとどき、足は飛島まで一跨ぎの怪物が住み、人を食らい旅人を困らせていたが、三本足の烏が怪物の居る時は「ウヤ」と鳴き、居ない時は「ムヤ」鳴き、人々に知らせたことから、ここの関を「有耶無耶の関」と呼ぶようになったと云う。
吹浦から内陸に入り南に進み、十里塚遊佐線R375へ左折し坂道を登る。吹浦酒田線(R353は車が少なく走りやすい)で田園地帯を快走するが、酒田郊外では歩道の縁石が高く大変走りにくい。
酒田からJR13:04発村上行きで鶴岡へ向かう。鶴岡観光協会で五十川駅近辺の宿を探すが無く、由良の宿を予約する。
駅を出てR332からR112を西に進む。羽州大山駅を過ぎたところで通行止めだ、昔風の屋台が両側に延々と並び、多くの人々が行き交う大変大きな祭りだ。ノボリ旗には「大山の犬祭」とある。この犬祭りの紋所は何と六菱だ。三菱や武田の四菱は聞くが、六菱は珍しく四菱の両翼に一つずつ菱形が付く形だ。
約300年の歴史を持つ祭りで、「その昔、村人を苦しめた大ムジナの化け物を“丹波の国のメッケ犬”が退治した」との言い伝えで、犬が主人公の珍しい祭りだ(もっとも筑波山にはガマが主人公のガマ祭りがあるが)。こんな賑やかな祭りで「ガマの油売り」を披露したら受けるかな!と思いながら由良に向かう。
早めに由良に着いたので町を散策する。漁業と温泉の町のようで、浜辺も町の財産だろう。赤い朱塗りの橋で白山神社のある白山島に渡る。橋の下には水草や玉砂利が透け、北には岬がきれいに見える。見た目より大きな島で散歩道を巡り宿へ帰る。
今日の走行距離 62km


最新の画像もっと見る