くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

7月8日 かえり

2009-07-16 22:03:46 |  旅行
7月8日。セレベス・エクスプローラー下船日。

朝食は午前6時半、下船が7時というスケジュール。この日は、マレーシアの有名なアーティスト(アーティストという名詞が最適なのかは疑問。俳優であり、歌手であり、コメディアンで、サモ・ハン・キンポーみたいなルックスらしい。)ご一行様を新たに迎え入れるそうで、かつ、シアミルへの移動日ということもあって、下船が早かった。船のスタッフいわく、そのアーティストは、マレーシアでだけ超有名で、他に行ったら、ぜ~んぜん、なんだそうだ。

前の晩、朝食は、ナシゴレン、ミーゴレン何がよいかと聞かれた。ミースープかミバサとお願いしたが、ミバサが出てきた。きょうはどうも塩の量を間違えたようで、かなりしょっぱい。お米の水も、時々間違えるようで、とても固いごはんが出てくることもあった。新しいコックは、分量は超ざっくり系なのだろう。


下船時間がちょっと早すぎるんでないの?と思ったが、日の高くならない涼しい時間帯でのボート移動は、楽だった。朝8時にはセンポルナに着き、シーフェスト・ホテル側ではなく、ドラゴン・イン側のJETTYにボートを着けた。私は、タワウにゆこうともくろんでいたので、ドラゴン・インでの休憩つきにはしていない。一緒に下船した人が、ドラゴン・インで休憩つきと思っていたのに、彼女のクーポンにはNO DRAGON INNと書かれていて、ドラゴン・インなしだったことが判明。荷物も一度、ボートからあげたのに、また積みなおし、シーフェスト側のJETTYに移動。労力とガソリン、両方ともムダだなぁ。このドラゴン・インを使わない場合は、シーフェスト・ホテルの隣にある、ボルネオ・グローバルというバックパッカーむけダイビングサービスのオフィスで休憩することができる。アリババによるタワウ空港への送迎はお昼すぎだから、私はミニバスでタワウへゆく。ミニバス乗り場は、SHELLとKFCの間にあるが、ここまでの、徒歩10分弱で、すっかり汗をかきどろどろになった。ドブをまたいで乗り場に着くと、すかさずドライバーから「TAWAU?」と聞かれ、車内に乗り込むように言われる。ミニバスは、人が集まり次第発車するシステムなので、無駄なく人を詰め込んだら出発。満員になるまで、約15分ほどかかっただろうか。発車直前に13リンギットの集金があり、1時間半、猛スピードでドライブ。エアコンがないので、窓は全開、吹き込む風で、髪の毛ボサボサ。走行中ずっとiPhoneをいじっていたら、バッテリーがほとんどなくなってしまった。


タワウでは、スーパーを2件ハシゴし、いろいろ買い込む。ココナッツプリンが食べたくてタワウに来たのだが、おめあてのオーシャン・レストランは、残念ながら改装中でクローズ。タワウの佑記茶室に行って、ミースープを食べた。テタレも飲んだ。おいしい。SABINDOの屋台のミースープより、町のミースープの方が、私の口にはあう。

タワウの昼はもちろん暑いが、日本の猛暑時に比べれば、ずっと楽だ。タワウ空港に戻り、おみやげをスーツケースにつめて、チェックイン。このチェックインのおじさんも、いつも見る人だ。去年、外国でのコミュニケーションも、すべて日本語でやり通すという同行者たちが、「いてて、いて」とひざを押さえ、演技したら、「Emergency Row!」と、非常口の列をくれたおじさんだ。KLから東京は、時間が長く、足をのばして眠って帰りたいので、「Emergency rowがあったらお願い」といったら、なんでこんなに時間がかかるの?と思うくらい時間がかかった。いつも他人のチェックインは、なんでこんなに時間かけてんだろう、と思うが、まさに自分がそのケースだ。


KK着は15時すぎ、KLゆきの便は19時だ。わずか3時間強だけでも町に出る。今回はスパに寄る時間もない。だいぶ汗をかいたので、KKで、予算2500円くらいで服とサンダルを買って、ハイアットのトイレで顔を洗って、着替えて帰ろう。KKプラザの美容院の前でメニューを見ていると、すかさず、どーぞ、と招かれた。髪は収拾つかなくなっているし、これはもうカットしてしまいたい。カットとシャンプーをお願いすると、「スタイリストのご指名は?」とを聞いてくる。一見だし、知らない、っつーの。「誰でもいいです。」と、5リンギットのトレイニーでもいいよ、と思いながら返事をするが、「それではシニアスタイリストで。」と言われた。髪型だけは、ちょっと前の山ピーみたいな、こぎれいにしている男の子がシャンプーとカットをしてくれることになった。シャンプーは、カット席で髪を湿らせつつ、その場でシャンプーするのだ。かなり時間をかけて泡立てるが、前髪があがったら、変眉になっていて、しまった!と思った。セレベス・エクスプローラーを降りる前に、日焼け止めとアイブローだけ描くという手抜きだったが、薄暗い船室で、適当に描いたので、おかしなことになっている。長いシャンプーののち、頭はソフトクリーム状態でシャンプー台に移動し、すすぎ。マレーシアやシンガポールのサロンでは、よくシャンプーボーイならぬシャンプーババァがいて、乱暴に髪を洗ってくれるが、ここはスタイリストがシャンプーボーイも兼ねている。もちろん、顔にガーゼを置く、なんて配慮は、日本ならではだから、そのまま顔に水もしゃばしゃばかかる。でも、日本のサロンのサービススタンダードとのギャップにももうなれた。カット席に移動すると、「どの髪型がいいですか?」と、日本のヘアカタログを差し出されるが、髪質や顔の形によって、カタログどおりにはならないので、長さと要望だけ言って、おまかせにする。最初は、控えめに切っていたが、そのうち、そうでもなくなってきた。途中、髪型にはとても気合の入った男性スタッフが外から戻ってきて、鏡に映る自分の姿に魅入り、合わせ鏡までして後頭部チェックをし、ポーズを延々と決めていた。髪とファッションだけキメキメで、他が髪について行っていないアンバランスさと、ナルシストなのに、始終ミロのパックをチューチューすっている、というのがおかしくて、笑いたいやら、突っ込みたいやらだったけど、なんとか耐えた。こちらは、これでもかこれでもかと思うほど、レイヤーを入れられた。おかげですっきり。費用は39リンギット、約1200円だった。同じKKプラザ内で、日本でも着られそうなワンピースを約1000円でGET。iPhoneで時間を見ると、17時1分。ハイアットに行って着替えて、即、スリメラカでサユルマニスを食べて、空港にゆけばちょうどよいだろう。

KKプラザを出ると、日は西に傾いていた。この季節、ドリアン販売車は出ていない。KKプラザから郵便局の横の道には、夕方から夜にかけて、ナシブンクス(KKのはラップに包んだごはん)やクエ(マレーシアのお菓子)、揚げ物やフルーツの市が立ち並ぶ。適度に冷やかしつつ、ハイアットにしれっと入り、トイレをめざす。トイレには誰もおらず、着替えもらくらくできる。それに、鏡の横に、さしてくださいといわんばかりにコンセントがある。そういえば、iPhoneがバッテリー切れ寸前なので、ここのコンセントをちょっとだけ拝借しようかな、と思ったところで、iPhoneがないことに気がついた。瞬時にやられた!と思った。KKプラザを出たとき、時間チェックをiPhoneでして、バッグにちゃんと入れればいいものの、取り出し容易なリュックのポケットに入れたのがいけなかった。絶対、いちばん郵便局よりに出ていた店で、クエをのぞいたとき、背後で右往左往する輩がいたので、あれだ。私の後ろから品物を見ているのかと思い込んでいたが。このマーケット界隈は、昔からスリが多く、KK出身のダイブマスターさえも、「この間KKに帰ったときに、気がついたら、かばん開けられてたから、気をつけて。」と言われるポイントなのだ。今まで何もなかったからと、油断は禁物だ。ものの5分で気づいたわけだが、どうしようもない。スキありだった私がいけないのは重々承知で、盗んだ犯人を呪いつつ、まずはソフトバンクへ停止を依頼しなければならない。もちろん、そんな連絡先は控えていないので、ネットカフェへ飛び込み、ソフトバンクの電話番号を調べる。しかし、ネットカフェはADSLとはいうものの、すさまじく遅い。SoftbankのキーワードでGoogle検索、Englishページがヒットし、そこから日本語に移り、サイトマップから問い合わせ先を探す。20分1リンギットだが、15分で、この4画面の遷移がやっとだった。探しているうちに、KLゆきの便の出発時間が近づいている。どこかのホテルにとびこんで、そこの公衆電話からかけようかと思ったが、ホテルまでゆく時間もない。サユルマニスで夕食どころではなくなった。そして、はいてきたサンダルはこわれかけで、捨てるつもりできたので、何か夏用サンダルを買わねば。センターポイントまで歩いて、グラディエーターサンダルを1200円程度で購入。もっと安いのでも良かったが、ちょっと日本ではくと違和感がありそうだった。そして、ワリサン側の出口から出て、タクシーを拾い、あわてて空港へ。ボーディングパスの搭乗時間ぎりぎりに着く計算だ。ソフトバンクには、空港の公衆電話から電話しようと思うが、携帯が普及した今日、新空港の中には電話がみつからない。通りかかった空港職員に「電話はありませんか?」と聞いたら、1箇所だけ、それも、イミグレーションより前ってことで、KLIAに着くまであきらめる。不幸中の幸い、私のiPhoneは、ほとんどバッテリー切れだったのと、さまざまな不具合があるので、そうそう使うことはできない。下手すれば、起動だってあやしいのだ。これで被害が最小限に食い止められれば、と思う。


KLゆきの便に乗って、やれやれ、とひと息。搭乗口でボルネオ・ポストをピックアップし読む。すると、シパダンへの1日あたりの人数制限を倍増する話がもちあがっていることが書かれていた。リゾートやツアーのオペレーターたちは、ゲストの満足のためにも、シパダンの人数制限の緩和を前から求めてきているが、いたずらに人数を倍に増やすことで、水中環境にダメージを与えてしまったらもともこもないので、しかるべき専門家に、いったいどのくらいの人数を許容できるものなのかをリサーチをしたうえで、適切な数を決定するべきだと、政府に要請した、といったようなことが書かれていた。専門家ってのがどんな人たちで、どんな調査をすれば、適正人数が出るんだろうか。。


KLIAに着き、ブックショップでフォンカードを買い、ようやくソフトバンクに連絡ができた。飛行機に乗ると、Emergency Rowには、すでに女性がふたり座っていた。「お間違いではいらっしゃいませんか?」、と言いたいところだったが、一応、ボーディングパスを再確認すると、私の列は1列後ろ。タワウのチェックインのおっさん、Emergencyの1つ後ろの列を、間違ってとっていたことが判明。キーっ。しかも隣の日本人ビジネスマンふうの人は、たいへん迷惑なお休みの仕方をする人で、こっちにたおれかかるは、通路側にたおれかかるは、非常に邪魔くさかった。電車じゃないんだ。悪いが、なんどか押し戻しておいた。1回目の食事はパスしてそのまま眠る。おじさんが時々邪魔だったことと、首が痛くなったことをのぞけば、まあ、よく眠った方だと思う。朝、アテンダントに起こされると、ちゃんと1回でベジタリアン・ミールが出てきた。起きぬけで味もしないし、やたら質素だし、おいしくない。食べ終わったあとで、ふたをかぶせると、ふたには「ヴィーガン・べジタリアン」とシールが貼ってあり、別の乗客の名前がついていた。私がたのんだのはアジアン・ヴェジタリアン。ヴィーガンというのは、最もストリクトな、正真正銘のべジタリアンがオーダーするものだ。きっとその人のところに私のアジアン・ベジタリアンが行ったにちがいない。アジアンで大丈夫なのかな?知~らない、っと。やっぱり、MHって、なんか抜けてる。

日本に着くと、まずはいったん家に帰る。家に着いたら、外ではもうアブラゼミが鳴いていた。まだ7月9日だが、セミが鳴いたら、梅雨明け宣言がなかろうが、梅雨明けだと私は思っている。器材洗いと洗濯をすませ、簡単に昼食をとって、ソフトバンク経由会社へゆくことにした。ソフトバンクで、「携帯を盗まれて、そのあとの手続きに…」というと、ショップスタッフのお姉さんは、大げさな表情で「さよーでございますか。」、そして端末で個人情報を調べると、さらに大げさな同情を示す表情で、「しかもなくされたのはiPhoneだったのですね!?」と女優している。iPhone購入時の分割金がまだ残っているので、ここで再び、顔も知らぬ犯人をのろってみる。新しい電話機は、なんでもいいのか、前と同じiPhoneがよいのか、新型のiPhone3G Sがよいのか、ということからはじまった。私の場合、iPhoneでなければ、別にソフトバンクを使い続ける理由もなく、iPhoneだからこそソフトバンクにしているのだ。「今までと同じiPhoneで」と言ってはみたものの、すでに一度不具合で新品交換されているし、その後も不具合が多いので、多少余分な費用はかかるが、新型にしてもらうことにした。どうせ新しいのがほしくなるんだし。新型は在庫がなく1週間待ちとのことで、携帯のない生活を何日か送ることとなった。そのあと会社にゆき、アポロケーキやマンゴグミを配りながら、携帯が盗まれた話をすると、「携帯は何かの身代わりだったと思うように」と言われた。うーむ。

そして、今日、7月16日、iPhone 3GSをとりにいった。帰りに、マンションのエレベーターで乗り合わせた中学生の男の子に、「すげー!iPhoneだ!いいなぁ。」と言われた。日本では、もうiPhoneなんて全然珍しくないので、iPhoneを使わない世代とはいえ、すげー、と中学生が言うのにちょっとびっくりした。クルーズではスタッフが「Seriously、そのiPhoneを買い取りたい」と言った。買い取ったて、SIMカードがなければ使えないのに。KKあたりでは、町の看板にiPhoneが登場しだしているが、まだまだレアなのだろう。ちなみにセレベス・エクスプローラーに乗る香港人は、1月もそうだったが、今回もiPhone所有率が非常に高く、みんなラウンジで充電するので、まぎらわしくなる。旅先でも、外国人はよくiPhoneを持っているが、なんでスタッフは、日本人のケータイと見ると、いじりたがったり、買いたがったりするのだろう。

その一方で、iPhoneは、去年の発売当初、あれだけニュースで話題になったのに、私のまわりではいまだ認知度が低く、SMS打っていると、「さっきなんで外で計算機たたいてたんですか?」とか、「新しいゲーム機?」なんていわれてしまう。これが、若い人も、年配の人もだ。興味がない人には、まったく眼中に入らない携帯なのかもしれない。船で、スタッフに「ケータイ見せて」、「だめ!」と引っ張り合いになるのもいやだし、道端で盗まれるのこりごりなので、次回からは、ケータイは、ひたすら身につけるか、常に隠し持とうと思う。目にふれなければ、盗みのターゲットにもならないし、見せて攻撃もないはず。

何事においても、常に周囲に注意をはかり、油断するなということをあらためて学んだのが、今回の旅。ケータイだけじゃなくて、ダイビングだって、エキジットのとき、もう何も起こらないものと、漫然と浮かんでいて、実際、真下にはマンタがいたり、ということもあるわけで、何事も最後まで気は抜けません!

7月7日のシパダン

2009-07-14 07:55:25 |  ダイビング
きょうは、サバ・パークスでサインをしたあと、ものの1分間だけビーチに降りてみた。なつかしいシパダンのビーチ。

JETTYを背にして右手には、PULAU SIPADANのサインボード。



左手はこんな感じ。この奥に、休憩処が出来ている。



セレベス・エクスプローラーに乗っている限り、ここを使うチャンスはなさそう。



そして、島には、なつかしい「ぴ・ぽ・ぱ、ぴーぽーぱーぽー」と鳴く鳥の声がひびいていた。この鳥の声を録音して、iPhoneのアラームにしたいくらい。この声で毎朝目覚め、昼間はまどろんだもの。と、また昔をしのぶ。

でも、セレベス・エクスプローラーからのダイバーは私も入れて4人だけので、みんなすぐサインし終わってしまう。ひたる間もなく、あわててボートに戻る。


さて、最終日の7/7(火)はタートルパッチからスタート。
エントリーポイントは、サンゴびっしり。



きょう、潮は大潮に変わったが、透明度はたいしてアップしていない。朝、サバ・パークスにサインに行った時点で、潮が思いきり上げている状態だったので、カメも出てこない。潮の加減から、どうやらこの辺でカンムリブダイの群れにあえるのではないかという意図で潜ったようだが、彼らには出会えず。潜り始めは、ジェリーが、ひさびさにカベから離れ、水深30メートルの沖を流すが、な~んにもなし。

ウメイロモドキの群れが出たが、面積あたりの密度は薄いが、長~い群れだった。




母船に戻り朝食。本日はミースープ。
朝のダイビングで体が冷えたあとには、お粥やミースープがありがたい。




2本目は、ミッドリーフ。
タートルパッチもそうだったが、このあたりの深場のカベで、ソフトコーラルがぶらぶらしはじめて、ハンギング・ガーデン予備軍だ。がんばってのびてほしい。



特にこれといったこともなく、平和で、ソフトコーラル、ハードコーラルがきれいな癒し系ダイビング。



潮も下げ始め、カメもぼちぼち出てきた。



浅瀬もコーラルでびっしり。




3本目、バラクーダポイント。
干潮が正午前後なので、よく流れている。
エントリーすると、いつもはリーフ際かリーフ上でうろうろしていることが多いギンガメが、完全に外洋側に移動していた。



そのさらに外洋側には、バラクーダが、一群れいた。



ブリーフィングでは、バラクーダが出たら、じっとしているように、だが、ここはつかまるところのない外洋なので、バラクーダとともに流される。エントリーしてすぐだから、せいぜい水深5~7mで出会ったはずなのに、潜降を意識しないまま、あっという間に水深は25mという、強いダウンカレント。そして、ついさっきまで見えていた、リーフはなくなっていた。ジェリーやら、昔いたサジやらは、みんながとうにカベが見えないところでも、まだカベが見えている、と聞いていたが、さすがに今回は見えないところまで瞬時に流されたようで、コンパスあわせてしばらく泳いでリーフに戻る。

ほとんど垂直のカベに、十字架のようにはりついているカメがいた。



コーラルガーデンにたどりつくと、よそのダイバーたちが、ロックの下を覗き込んで、そこの透明度がとりわけ悪くなっていた。何かと思えば、とても大きな、甲羅の亀甲模様が目立たない、おそらく相当年配のカメが2匹、まどろんでいた。最初、片方は、目をギューっとつぶっていたが、やがて薄目を開けた。間に入ったチョウチョウコショウダイがどうしてもどかない。



そうこうするうちに、エキジットタイムとなった。浮上しようかな、とボートの方にむかうが、ふと見ると、むこうからカンムリブダイがやってくるではないか。

時々、泳ぎをとめては、ガリゴリとお食事。



そして、食べたら出す。快便。




そして、4本目、ラストダイブもバラクーダポイント。
エントリーポイントのギンガメは、やはり外洋側にいた。すぐに深度をさげると、海の底からずいぶん冷たい潮があがってきていて、深い方は27度くらいに下がっていた。こうなると、ハンマーヘッドを期待するが、そうはいかない。
きょうも、リーフ沿いを流してゆくと、途中でギンガメの小群れにあった。きのうは1匹だけ婚姻色だったのに、一夜にして、白黒ペアばかりになっていた。結婚シーズンだ。おめでとう。




またしても、バラクーダの群れは、うす~くリーフの内側に入ったところにいた。
またも20分くらい、バラクーダとにらめっこ。



バラクーダはばらけたまんまだった。リーフの内側で出ると、流れにさからって、ほとんど動かない状態を保ち続けるので、それをずっと観察、というパターンばかりだった。

七夕の日、星も見ず、満月なのにフルムーンも見ず、ジェリーの持っていた「マリと3匹の子犬たち」を鑑賞。日本の犬映画ファン?昔のシパダンは、電話すら通信状態も不安定で、ディナー後は、語るか歌うか、といったシンプルライフで、現実逃避感があってよかったが、今は、こんな過ごし方なのだ。

というわけで、金曜日2シパダン、土曜日3シパダン、日曜日3マブール、月曜日4シパダン+1マブール、火曜日4シパダンのダイビング。12ヶ月のうち、7月だけシパダンで潜ったことがなかったので、けっこう期待していったが、水中は、まあまあ、といった感じだった。カメは、潮が下げてくれば、どんどん出てきた。大きいカメ、若いカメ。いろいろ。ちょっとしたくぼみで休んでいるカメがいても、さらに大きなカメがやってきて、「くぁーっ」と大口を開け、威嚇して相手をどかし、場所を譲らせたり、クリーニングしてもらったり、さまざまな光景が見られた。

バラクーダの群れは、前から、ものすごい大群になることもあれば、分散していることもある。潮や流れの状態によって、印象がずいぶんと変わると思うが、見た目、数が減っているわけではなさそう、と私は勝手に思っている。

7月6日のシパダン

2009-07-14 07:09:23 |  ダイビング
セレベス・エクスプローラーの、シパダンでの1本目は、ふだんは午前7時スタートであるが、この日は日本人ばかりで、ナイトも含めて1日6ダイブ提供するぞ、ということで、午前6時半スタートとなった。

朝、サバ・パークスでサインをするが、ボルネオ・ダイバーズのドロップオフカフェのカウンターだった建物をそのまま使っている。



ぼろくなったものだ・・・。JETTYにあがるときにボートをつける場所は、飲んでいるときに、男性陣はトイレにしていたもんだなあ、なんて昔をしのぶ。

さて、1本目はバラクーダポイントから。シパダンの水は、いくぶん青さを取り戻していた。



外洋側には、ときどきグレーリーフシャークがいた。もっともサメらしいサメだと思う。



セレベス・エクスプローラーが、1本目のダイビングを朝7時開始にしているのは、混雑を避けるため、という理由からだが、30分早いと、さすがに他のリゾートからのダイバーがまだポイントにたくさん残っていて、かなり混んでいた。


バラクーダはやはり分散傾向。



何事もなくコーラルガーデンに流れ着き、浮上。みんながボートに上がるのを待っていると、ボート上から「Bumpheads!」の声。即座に潜降。


いっぱいいる。

寄ってみて、一緒に泳ぐ。



しばらくは、カンムリブダイと目があう距離で泳ぐが、やがて彼らはスピードUP。



彼らが去ってゆき、再度浮上、デジカメは先にボートにあげてもらい、プカーっとエキジット待ちをいていると、今度はジェリーが水面で、「マンタ!マンタ!」と両手でバタバタと水面をたたいて騒いでいる。たぶん彼的には、マンタでバタバタ騒いだのではなく、マンタのひらひら泳ぐ様を真似てたのかな、とあとから思う。まさか!と水中をのぞくと、キレイなマンタが1枚。またまた潜降。なんの傷もない、とても美しいマンタ。

シパダンでダイバーが潜るような場所には、マンタのクリーニングステーションはないので、そのままマンタと数分間泳ぐ。マンタは、回転をして、きれいな黒いボディを見せつけ、しばし楽しませてくれた。

きのうのブルーリングオクトパスといい、マンタといい、カメラがないときに限ってお出ましになる。ハナイカだって、いつもカメラを持っていないときだ。


2本目
コーラルガーデンというか、ホワイトチップアベニューにゆく。ここまで来ると、コーラルがとてもきれいだ。おじいさんガメがクリーニングしてもらっていた。カメのおじいさんって、なんだかうらやましい存在だ。




3本目 スタッグホーンクレスト。
アカククリの群れだとか、マダラタルミの群れだとか・・・


4本目 バラクーダポイント
リーフぞいを流していると、普段あまりあわないような場所で、ギンガメアジが1グループ現れ、そして去っていった。1匹だけ婚姻色になっている子がいた。
そして、リーフの内側に入ると、バラクーダの群れがいた。ジェリーがまったく動く気配なく、25分ほどバラクーダとつきあう。


5本目(サンセット) マブール、パラダイス2
前日に比べると、ダイバーが少なく、いくぶん快適なスタート。









ほぼ、前の日と同じ内容のダイビングだ。きょうもブルーリングオクトパスいないかなぁ、と思って入ったが、そうそう水の中は甘くはなかった。

7月5日 マブール

2009-07-13 22:39:27 |  ダイビング
日曜朝。船を降りる香港の人たちと朝食後も談笑。みんな、私のことを「ローカルのインストラクターだと思ったよ。」と言い、今回、よほど日本人っぽくない風体になっているようだ。ひとり、日本企業に勤めているという女の子がいて、日本語を勉強している、と、日本語学習帳を見せてくれた。ダイブトリップ中にも、しっかり勉強しているのだ。「スクールには毎週土曜日に通ってて、本当はきのうがテストだったの。でも出張だってことにして、テストは来週よ。」と言っていた。彼らは、世界中のメジャーなダイブサイトはだいたい潜っており、私がまだ行ったことのない、マラトゥアも、マラパスクアにも行ったことがあるので、いろいろ話を聞いてみた。ニタリで有名なマラパスクアには、一度行かなきゃならないな、と思った。

しばらくして、日本人女性ばかりが乗船してきて、香港グループとはさよなら。とても静かになった。

セレベス・エクスプローラーは、毎週土曜日の夕刻にセンポルナへ帰港し、水、食料、ガソリンといった物資を補給し、日曜日に再びマブールにむけて出発するが、昨年9月、日曜またぎで乗船したときには、待てど暮らせど出航せず、いらいらしたものだ。そのときは、確か昼すぎにやっと動いたと思う。それが頭にあるので、きょうは1本かな、だったらいっそパスしようかな、くらいに思っていたが、今回は午前10時すぎには出発し、ダイビングも4本やるようなことを言っている。バナナも積み込まれ、あまりにおいしかったので、小さいとは言え、3本ぺろりと食べてしまった。セレベス・エクスプローラのよいところは、ごはんがおいしくて、いつもフルーツを十分食べられるところだ。船が動き出してちょっとたつと、今度はミバサが出てきた。みんなでシェアして食べるが、けっこうな量だ。そして、マブールに着く前にランチ。朝8時から13時の間に、ちょっと食べすぎだ。

マブールに着くと、さっそくシーベンチャー下で1本潜る。デジカメは、きのう結露したのがなんとなくいやだったので、持たないで入る。シーベンチャー下ではカマスの群れがお出迎え。オオモンカエルアンコウがひとつもみつからなかった以外は、いつものシーベンチャー下だ。ここは、人為的にいろいろ廃棄物を沈めて、魚の棲み家としているが、便器が増えていた。マレーシアならではの、まるっちい様式トイレの中には、うつぼが棲んでいたが、前はなかったと思う男性用便器には、何もすみつかず、ただむなしく沈んでいるだけだった。たいして隠れるところもないからしかたないか。

2本目はイールガーデンにゆく。途中、大嫌いなコバンザメがまとわりついてきてテンパった以外は、ガーデンイールを見て、ウミウシみて、セミホウボウみて、ときどき休んでいるアオウミガメにあってと、ただただ漫然と潜る。ジェリーが、バブルコーラルをさして、普段は使っているのをみたことがないスレートに何やら一生懸命書いていたのでのぞきこむと「ULANG OTANG CRAB」。ウランオータンクラブ。スレートとりあげて、UをOに、OをUになおすと、なんだか「うー!」とか、すごくびっくりした声を発していた。

3本目は、パラダイス2。とにかく混んでいて、バブルだらけだ。お互いさまだが、うんざり。多くのニシキテグリが姿を見せたが、まだ産卵行動モードにはなっておらず、個別にうろうろしているだけだった。ニシキテグリを見ていると、2メートルほど下にある、ひとつのロックに人がうわっと集まっていた。目のよいジェリーが、すぐに何をみているか把握し、スレートに「BLUE RING OCTOPUS」と書いた。オクトパス類に喜ぶヨーロピアンをいつも不思議に思うが、このブルーリングだけは別だ。先客が去ったあと、私たち4人だけでオクトパスを囲む。いろいろな形に姿を変えるのを凝視。ロックに手をかけて見ていたら、しばらく踊っていたオクトパスがこちらにむかってきた。このオクトパスにおそわれて毒で死ぬとも思わなかったが、なんとなくいやで、みんなより先にその場を離れた。ジョーフィッシュを見つつ、そのまま先にゆくと、別のリゾートのダイブマスターが、彼のゲストにいろいろなものを紹介し、ゲストは無心に写真をとっている。そのダイブマスターは、セレベスチームを離れ、ひとりふらふら浮いてきた私を呼び、ツマジロオコゼを教えてくれた。これだけで、通りすがりの私にまで教えてくれるなんて、なんて素敵なお兄さんなんだろう、と水中でだけ好きになる。ツマジロオコゼ、うー、かわいい。しばらくしてジェリーたちが追いついてき、ほどなくエントリー・エキジットポイント側へ戻る。いつもパラダイス2のサンセットは、エキジットする頃には日も暮れて、ライトなくては良く見えないパターンになるが、この日はあともう1本、ナイトもあるということで、早めに浮上となった。

シパダンのクローズ以来、ナイトダイビングには行かない私は、今日の潜水活動はこれにて終了。

ディナー後は、ジェリーが持っていた「犬と私の10の約束」を、皆で鑑賞。

7月4日のシパダン

2009-07-13 21:55:12 |  ダイビング
2日め。

朝、ボートが動き出した音で目が覚める。ラウンジにあがり、ダイビング前のスナック、超薄切りロールケーキをつまむ。デッキに出て、サバティーをすすりながら、遠くに見えるシパダンをぼんやりとながめる。静かな朝だ。



夜もすっかり明け、シパダンに着く頃には、鏡のような海。





とても気持ちがよさそう。

が、1本目、バラクーダポイントへジャイアントストライドで水に飛び込んだ瞬間、その水中の緑っぷりに、なんじゃこりゃ?と思う。



バラクーダの群れは出たがスカスカ。ただ、3ヶ所で遭遇しているので、群れが分散しているだけで、こいつらが合体すれば、密度の濃い群れになるはずだ。



潜水時間を25分くらい経過したところで、防水プロテクタ内がめちゃめちゃ曇ってきた。水滴も1滴見える。よもや水没?エントリーする前に、ずいぶん電池室のところが熱くなっていたので、そのせいだと信じることにした。

母船に帰るとさっそく朝食。きょうは、アヤム・ブブール=鶏粥だ。ダイビング後のお粥って、とってもうれしいのだけれど、チャイニーズグループがいるときに優先的に出るみたい。日ごろから、朝粥を積極的に出してほしい。

2本目はサウスポイント。
防水プロテクタにカメラはセットせず、水没チェック。40mまで潜って無事を確認した。やはり結露してしまったようだ。ログに特別書くことがみつからない・・・。

3本目はバラクーダポイント。
透明度が悪いので、カメラはお休み。またもにごにご。バラクーダはいたが、1本目と同じようなイメージの現れ方だった。

土曜日は3本で終了なので、みんながボートに引き上げると、即、センポルナへ撤収。センポルナに着くまで、デッキで昼寝。ずいぶん焼けたようなので、部屋に戻って、また寝る。センポルナに着いたのは、だいたい18時で今夜のディナーは19時だというので、センポルナでさんぽさんぽは断念。

夕方、トムの奥さんと、娘2人が乗ってきた。上の女の子は5才で正統派美少女だけど、超シャイ、下の女の子は、2才だったか3才だったが、記憶があいまいだけれど、これまた小悪魔系美少女で、こちらは全然シャイではない。ほんとうにかわいいgirls。そして香港グループは、明日下船ということで、このときばかりは、祝杯をあげていた。私にもおすそ分けがあったが、梅酒っぽい、甘~いお酒のストレートだった。500本記念の人へのTシャツ贈呈式があり、シパダンソングで盛りあがる。500本記念の女性は、「ごめんなさい、私たち、so noisyだわ。」と言ったが、みんなテンションがめちゃめちゃあがっていた。トム十八番のビューティフルサンデーと、恋の片道切符、ワンダフル・トゥナイトで、歌の夕べはお開き。彼らは、その甘いお酒も、たしなむ程度なようで、結果私は3杯もふるまわれた。そしてまた、うち4人はまたマージャンに戻った。マージャンを観戦するものあり、さっさと眠る者あり、PCでデジカメの写真を始終チェックしている者あり・・・。静かでマイペースなホンキーズ・ラストナイトだ。

7月3日のシパダン

2009-07-13 08:58:04 |  ダイビング
7月3日朝。
ホテルは朝食つきだったが、アラームをセットしたのが5時15分と遅く、レストランで食べている時間はない。こうなるのはわかりきっていたことだ。前の晩にセンターポイントで買った、パイナップルタルト、ココナッツタルトをはむはむと食べる。ふつうにおいしい。そして、レッドブルを気休めに1本空け、シャングリラを5時45分にチェックアウト、タクシーでKKIA(Kota Kinabalu International Airport)へ向かった。タクシーのドライバーは、なぜだか領収証をくれた。こんなことははじめてだ。規則が変わったんだろうか?まあいいや。

タワウゆきMH2121便へのチェックインは、少し並んでいたが、すぐに順番が来た。飛行中は、ウィングのないところでキナバル山を見たかったので、「一番後ろの列のAがよいです」とお願いした。こうしてみるとKKIAは規模が小さいだけに、チェックインスタッフに、見覚えのある顔の人が多い。あ、きょうもファンキー兄さんがいる!、といったふうに。この兄さん、MHの地上職員の緑色のズボンを、ひとりだけ腰ではいているのがうける。

さっさとチェックインがすんだので、キナバル山をながめにもう一度、KKIAの車寄せに出る。

KKIAは、真正面にキナバル山をのぞめるロケーションだが、日が高くなると、キナバル山はたいてい雲に隠れてしまうので、全貌をおがめるのは、朝がチャンスだ。まさに日の出をむかえようとしているところで、その神々しさに、しばしみとれる。



ズーム!



超夜型の私も、早起きの得を実感するときだ。

ボーディングの時間がやってきたが、乗客は少なかった。機内の座席は、前の方からつまっていたので、私の前数列は誰もいなく、最後尾でぽつん。前の方に見える頭の数を数えたら、40人もいないくらいだった。離陸後、飛行機は、いちど南シナ海上に出てから、キナバル山にむかって方向転換をするが、その機首方向を変える、ほんの短い間には、キナバル山も海も一度にのぞめてすばらしい。天気のよい朝の、トゥンク・アブドゥル・ラーマンパークに浮かぶ島々、見慣れたKKの町並み、キナバル山…。どれも眠っていてはもったいない景色だ。キナバル山は、けっこう長時間見えていた。オレンジジュースを配り終えた(オレンジジュースと言って配っていたが、味はマンゴジュースだった)アテンダントが、ずっと起きている私に、もう一つピーナツをどうぞ、とやって来た。わざわざすすめてくれているのだし、せっかくだからと、差し出されるままに一パックとると、もっともっとどうぞ、と3パック置いていった。私、物ほしそうな顔してるのかな?こうしてずっと朝日に包まれた感じでいたものが、タワウ着陸体制になると、雲が多くなってきた。積乱雲をいくつかくぐり抜けると、いつもの一面の椰子の木が見えてきた。強い日差しに照らされているときの緑は、生き生きとしているが、あいにくの曇りで、「きょうはなんだかくすんでますよ」、って感じがした。

空港に到着すると、おなじみのセレベス・エクスプローラー送迎担当、アリババの出迎え。本日のゲストは私一人だけ。車に乗ろうとすると、車はかなりホコリをかぶっていて、洗車しませんか?って言いたいような感じになっていた。空港からセンポルナの道中は、椰子の木農園見学モードにはならず、ほとんど眠ってすごした。ときどき目をあけると、ずいぶん雨が激しくふったあとのようだ。椰子の木やバナナの葉についた雨しずくが、朝日できらきら光って、とてもきれいだった。これでくすみがとれた感じだ。

金曜日の朝、セレベス・エクスプローラーはシパダンにいるが、センポルナに着いた時間帯が、ちょうど干潮にあたっていたので、母船にたどりつくまで、ちょっと時間が長めにかかった。小腹も減ったことだし、きのうパン屋で買ったカヤパフを、ボート上でぺろり。船につくと、ラウンジでは、ダイビングをパスしたのであろうおじさんが一人、ごろりんとお休みになっていた。今回は、私以外は、全員香港からのグループとのことだ。私はゲストカードの記入も手馴れたもんで、ものの数十秒で終了、ウェルカムドリンクのマンゴジュースをぐびっと飲んで、さっさと部屋へ移動。今回は一番船首側の部屋。いやがらせかと思うほど、キンキンに冷えている部屋。ホテルもそうなのだが、どうしてハウスキーピングが入ったあとというのは、エアコンの設定温度を、17度とかにしていくのっ?まあ、白人の人が、キンキンに冷えたのが好きだから、というのを聞いたことはあるので、欧米人スタンダードにあわせてあるのかも。

さっさと水着に着替え、ラウンジへゆくと、ちょうどダイビングから香港チャイニーズご一行様が帰ってきた。皆、次々に「ハーイ!今ついたの?」と声をかけてくれ、それぞれが名乗ったうえで握手をしてくる、フレンドリーな人たち。矢継ぎ早にいろいろ名前を言われても、もちろん覚えられません・・・。

このあと、この人たちが、母船に戻ってきたところからではなく、ダイビングボートにエキジットしたところからきっちり水面休息1時間で、次のダイビングへの出発というスケジューリングになっていたようで、「え?こんなに早くでかけるの?」ってなタイミングで、「ハヤク!」とせかされた。ダイブマスターのトムとジェリーが二人して、「おめぇにRESTはない!」とかさかんに言ってくる。こうして私は、乗船してわずか1時間半たらずで、ドロップオフへドボンとなった。タートル・カバーンのところからエントリーしたら、世の中、緑がかっていた。どうしようもなく悪い透明度というわけではないけれど、透明度悪っ!が第一印象。ある意味、シパダンらしい色だ。でも、水温がぬるく、水に緊張感がない。ダイコンを見ると、31度となっている。私のダイコンは2度高めに出るようだが、どっちみち29度はあるということだ。鳥目になりながら、カバーンの中の入り口にあたる大きなロックにゆきつくまで泳いで行って、戻ってくる。ドロップオフをバラクーダポイント側に流してゆくと、大きなグレーリーフシャークが1匹いた。

昼食をはさんで2本目はバラクーダ・ポイント。ウォルを右手にすすんでいくうちは、ドロップオフより、いくぶん透明度はましに感じられるが、リーフの内側に入ると、砂混じりでやはり緑。ふだんあんまり泳がない、樽サンゴがいっぱいあるところを通った。みんな好き勝手な形をしているもんだ。



このダイビングは、ハダカハオコゼ祭りだった。まず、バラクーダポイントの外洋側から、リーフの内側にはいるところにある、コーラルのパッチのところに黄色いやつがひとつ。ダイブマスターのジェリーが教えてくれた。



そして、リーフの内側に入り、あるロックのところで、ホンキーたちがたかっているので、寄ってみると、ぼけてしまったが、こんなストロベリーチーズケーキふうの色合いの子がいた。



みんなが寄ってたかったおかげで透明度を悪くなっていたので、少し離れて、いろんなコーラルを注意深くみつめると、次から次へとお子様ハダカハオコゼがみつかる。小さなお子様は、みな白で、両ヒレつっぱって、けなげな感じがした。みんな大きくなってね。





最近、よくシパダンの魚が減ったとか、カメが減ったという話を聞く。もしかすると、その話は本当かもしれない、とも思えた初日のダイビング。でも、キンギョハナダイらも、前と同じようにぐっちゃりいる。初日、バラクーダポイントで、バラクーダには会えなかったが、「バラクーダ出てる?」とジェリーに聞いたら出てるとのことで、一安心。透明度が悪くて、きょうはよく見えなかったということにしておこう。

香港グループは、香港で日曜日には同じ教会に通う人々で、そのつながりの中でのダイビング仲間なんだそうだ。ちょびっと、というか、かなり大きめの若い女子がいたが、その子は、このグループのリーダ格の夫婦の娘で、8才の時から、10年連続でシパダンに通っているらしい。やるな。みんな「この船はいいわよ。食事もおいしいし、マッサージもあるわ。それにシパダンはパーフェクトだわ。」と言っていた。食事ばコック(シェフとはあえて言わないかな)が変わり、前もおいしかったのだけれど、さらにおいしいような気がする。同時に食べ比べるわけではないので、なんともいえないが、よりKEDAI KOPIっぽい味つけだと思う。でも、前のコックのときは、ほぼ毎回おかわりしていたのだが、今回、おかわりをしようと思わないのはなぜ?自制心?いや、たぶん、前よりもオイリーなんじゃないかな、と思う。そして、前のコックが今はマッサージ担当で、フットが30分で50リンギット、全身が100リンギットかな?ホンキーたちは、順番待ちな状態で、次々フットマッサージを受けていた。

ところで乗船したとき、冷蔵庫をのぞくとTigerが4本しか入っていなかったので、「ビールが足りない!」とスタッフにぶつぶつ言うが、これしかストックがない、の一点張り。ホンキーが飲みつくしているのかと思ったら、彼らは誰も飲まず、長い水面休息時やアフターダイブは、もっぱらマージャンに興じていた。DVDもたくさん持ってきていて、すすめられるがままにバンパイヤムービー「トワイライト」と、「The Five People You Meet In Heaven」というのを鑑賞。映画を2本見終えると、またマージャン。

私は翌日のシパダンにそなえて、9時半には寝ることにした。

7月2日 KK

2009-07-10 21:42:17 |  旅行
7月2日。またまたセレベス・エクスプローラーに乗るためにKKへとぶ。7/3(金)~7/8(水)の5泊6日の乗船で、シパダンでは4日間13ダイブの予定。

KK発成田ゆき直行便の運航が、ナイトランからディフライトに変わってからというもの、成田発着については、とんとごぶさただったMH(マレーシア航空)を使う。KL乗り継ぎならシンガポール乗り継ぎの方が楽、と、最近SQ(シンガポール航空)ばかり使っていたので、ひさびさの成田空港第2ターミナルからの出発だ。空港第二ビルの出発階にあがると、即座にモニターのところへゆき、MHの場所をチェックするが、見つからない、と思っているところに、タイミングよく「ただいまよりマレーシア航空81便の搭乗手続きをBカウンターにて開始いたします」とのアナウンス。カウンターには、5~6名しか並んでおらず、すぐに順番が来た。MHのボーイング777は、窓側から2席、中央ブロック5席の、2-5-2という座席配列なのが嫌いだ。他の航空会社は、同型機材の場合、窓側から3席、中央3席並びの、3-3-3の仕様が多い。なので、中央5席ってのは、寄せすぎでしょ、と思えるのだ。窓側と通路で相方と二人だけというときは、この2-5-2の配列は、むしろうれしいが、そうはいかないことが多いMH。いつだったか、友達とチェックイン開始時刻の2時間半前にチェックインしたにもかかわらず、5席ならびの真ん中で、しかも別々の列ということがあり、ったく、と思ったことがある。それに、シパダンで知り合った日本人ダイバーが、「私たち、来るときに5席並びのど真ん中でさぁ・・・」と嘆いているのを何回か聞いたことがある。真ん中だと圧迫感はあるし、トイレにたつときも、隣の人を煩わせることになるので、お互い様だとは思うけれども、絶対に避けたい。最後列の、後ろに席のないところが、リクライニングも気兼ねなくできるし、トイレの混雑状況も把握しやすく、さらに、前方の席を希望する人が多いことから、満席でなければ、隣に人が来ないかもしれないと、チェックインで最後列を希望してみたが、「本日は団体のお客様で、後方はすでに埋まってしまっております。」との返事だった。かわりに非常口の列には空きがあるか尋ねると、通路側が空いていると言われたが、足をぼーんと投げ出していると、トイレの列が長くなったとき、ふまれそうになったりする。せっかくだから非常口のところにしてもらうか、一瞬迷うが、KKまで5時間ちょっとだし、着陸間際に、KKの景色も見たかったので、よほど切羽つまらない限りトイレには立たないぞ、という決意で、ウィングにかからない窓側の席をもらってひきこもることにした。隣の通路側には、めがねをかけた、髪の薄い白人のおじさんが、「コンニチワ」とやってきた。

機内に入ると、アナウンスの「とぅあん とぅあん だん ぷぁん ぷぁん(英語でいうところのLadies and Gentlemen)」のアナウンスや、「KELUAR(EXIT)」の表示のある、マレーシアな空間になんだか落ち着く。きょうのフライトアテンダントのうち、約2名のメイクは、すごいことになっていたが、それもMHらしい。国内線の方が、まともかも。ふたりともアイシャドウが、おそろしくメタリックに光り、南国の爬虫類というか、玉虫厨子状態だ。ふたり競って色をのせすぎた、って感じだ。前にシパダンで、相当おもしろいMHのキャプテン二人(しかもKL-KK-タワウ路線を操縦しているという、私たちがお世話になる路線で、こいつらにまかせて大丈夫なのか、と思えるクレージーぶりだった)と知り合ったが、「うちのアテンダントは若すぎて、化粧の仕方も知らない。」と言ってたのを思い出した。

そして、ひさびさに乗ってみて、MHでは、今でもピーナッツが配られることにちょっとびっくりした。多くの航空会社はアレルギーの方を考慮して、ピーナッツは出さなくなったからだ。ミールはアジアン・ベジタリアン・ミールをリクエストしておいた。エコノミークラスの肉は固くて噛み切れない感じがするのと、マレーシア航空の日本線では、うなぎがサーブされることがあるが、私はうなぎが嫌いなので、エコノミークラス搭乗時だけ、にわかベジタリアンになるのだ。本来、スペシャルミールは宗教上や健康上の理由でリクエストするもので、好き嫌い対策ではないのだけれど・・・。マレーシア航空は、スペシャルミールをリクエストしておくと、チェックインの際、ボーディングパスと一緒にスペシャル・ミールのクーポンもよこす。搭乗時にクルーにそのスクーポンを渡すのだが、それにもかかわらず、今まで一度でスペシャルミールが出てきたことがない。今回も、クーポンを手渡ししたチャイニーズふう男性アテンダントが、「肉か魚か」と尋ねるので、「ベジタリアン・ミールなんですけど」と言って、「ああ!」という感じ。そして出てきたミールは、なんだか風変わりな味だった。インディアン・スタイルだからか、ビニールに入ったナンがついていた。温州みかんもついていた。私は、真緑のすっぱい早稲みかんが好きだったが、今時代、そんなすっぱいみかんにはお目にかからないので、秋冬になっても、まったくみかんを食べなくなっている。なので、温州みかんなんてごぶさたで、もちろん初物。ドリンクは、「Tiger」と言ったのに、スーパードライを出された。ビジネスクラスだと、オーダーした銘柄のストックがないと、まずは「Sorry…」とストックがない旨を知らせてくれるが、エコノミークラスだと、こんなふうに問答無用で違う銘柄のビールを出してみたり、7UPといったのに、スプライトを出したりする。出す方にとっては、同じよーなもんだろーが、と思う気持ちもわかるが、頼んだ方にとっては、大きくちがったりするのだ。そのチャイニーズふう男性アテンダントに、「あとでいいからTigerを…」、と頼むと、隣の白人のおじさんが、まだ口をつけていないからと、Tigerと交換してくれるという。遠慮するが、気にするな的な感じで、さっさと交換される。もしかしたら、Asahiの方がよいのかもしれない、と親切を都合よく解釈した。おじさんに「カンパイ」といわれ、スーパードライと乾杯す。このおじさん、マレーシアに飛び立つ機内に乗りこんでからも、しばらくベルリッツの日本語会話帳を凝視していた。あとは、アイスクリームのデザートは、明治エッセルのミニサイズだった。SQだと、スペシャルミールの人にはアイスクリームはくれないが、MHはくれるのだ。

パーソナルビデオは、何も考えたくないから、アメリカで人気のザック・エフロン主演の「17Again」を見てすごす。ザック・エフロン、そんなにいいかな、いや、10代の私だったら好きかも、なんて思いながら。2本目は、「Dragon Ball Evolution」を見始めたが、チチがびっくりするほどかわいく、さらに、挑発的にイチゴを食べるシーンにげっそり、鑑賞意欲をそがれ、中断してしまった。成田からKKは、映画2本見るのがやっとな飛行時間なので、そうこうするうちに飛行機は着陸態勢に入った。窓のシェードを開けると、外は真っ白で天気悪そう。雲の下まで高度が下がると、眼下に広がる南シナ海は、黒く、でも、雲間からわずかに漏れる、サンセットの弱い光を浴びて、鏡のように反射していた。こんな色彩にかける世界もきれいなものだと思う。ボルネオ島上空にさしかかると、下界は、激しく雨が降ったあとのよう。定刻18時15分のところを、ほぼ18時にランディングしたのに、ボーディングブリッジに飛行機が着くまで、10分以上、立ち往生。機長からのアナウンスで、あと10分ほどかかる、とあったので、うんざりするが、そのわりには、2~3分でブリッジに移動できた。ブリッジに機体がつくと、窓の外には、鉛色の空に、縦長のキレイな虹が出ていた。福山雅治「虹」が頭をぐるぐる。そして機内から外に出ると、H1N1のサーモチェックが待っていた。5月の体温計を額にべったり当てられるマニュアルな方法から、ちゃんとサーモグラフィーが導入されていた。モニタにうつる人々は、誰もが同じピンク系の色味で、おとがめなし。ピンクって暖かそうだが、皆ピンクだ。モニターの横に、色見本のようなシールが貼ってあり、確か一番上がグリーンだった。グリーンって、熱くなさそうなのに、なんて思った。問診表を男性検疫係員にわたすと、コンコース出口のところでナース姿の女性に手を出すように言われ、エタノールをふりかけられシュシュッと振り掛けられ、ちゃんとこすり合わせるように言われた。超気休め。

さて、KKのホテルは、ホテル・シャングリラ・コタキナバルだ。タクシーチケットのカウンターで、「シャングリラ、町のやつ。ビーチじゃないほう。」と言って、チケットを買う。チケットには「Shangri-la BA」と書いてあった。BAとは何ぞや?としばし考えるが、きっと、マレー語のBandar(CITY)の略語に違いない。ホテルに着くと、ちょうど19時になったところだった。

ホテル・シャングリラ・コタキナバル。シパダンへの旅のはじまりは、いつもここから、だった。私がシパダンの手配を昔お願いしていた旅行会社は2社あるが、どちらもアレンジしてくれるKKのホテルは、デフォルト設定がこのホテルだったのだ。KL経由で、23時すぎにKK入りし、翌朝4時半ピックアップといったような、KKステイが仮眠的な意味合いの場合には、このホテルで十分だったが、KKで連泊したり、日の高いうちに着くスケジュールで来るようになってからは、まったく使わなくなってしまった。特にトイレの流れが悪かったことが記憶に残っている。少なくとも、前に泊まったのは、もう20世紀のことだ。

ホテルの中に入ると、ロビーの雰囲気はだいぶ変わっていたが、エレベーターであがれば、昔と同じだった。ルームナンバーは205、日本の3階にあたる、カド部屋だった。すぐ下のトゥンク・アブドゥル・ラーマン通りビュー。上の方の階でも、部屋によっては、カーテンを開けたら壁だった、ってなところもあったので、外が見えるだけよい。荷物だけ置いて、さっさと外出したいところだったが、20分くらいたっても荷物があがってこない。私がチェックインをするとき、隣で6~7人の日本人グループがチェックインをしていて、彼らのチェックインに、レセプションはなぜだか手間どっていた。私は、サインひとつするだけでチェックインが完了したので、すぐにベルキャプテンに、部屋番号を伝えてスーツケースを預けたが、その日本人の方々と一緒だと思われたのか。スーツケースをすぐに開ける必要はないので、出かけがてら、ベルデスクに、荷物を部屋に入れておくように頼もうと思い、部屋を出ると、別の部屋に私の荷物をまさに届けようとしているところだった。だからこれは205って言ったじゃん、と日本語でぶつぶつ。

荷物を部屋に入れてもらい、私は即外出。ホテル前を走るトゥンク・アブドゥル・ラーマン通りは、交通量が多く、なかなか道を横切れない。KKには、何か所かの歩道橋があり、信号つきの横断歩道もあるが、皆、基本は、横断歩道のないところを、車の切れ目を狙って渡る。私もローカル同様、いつもすいすい横切っている。が、この、シャングリラ前は、なかなか車の流れが途切れないし、ロータリーもあるので、とてもタイミングがあいにくい。これだけで、もう、このホテル、次回は、やめにしよう、と思ってしまった。

まだ雨が残ってはいたが、傘はいらない程度だ。水溜りにはまらないよう、注意深く歩く。こうして足元ばかりを気にしていると、暗い夜だなぁ、と思う。今度は、「Black Night」が頭の中をぐるぐる。食事も買い物も、できるだけホテルの近くですませよう、ミバサが食べたいなあ、と思いつつ、しっかり足は佑記茶室へ向かい、バクテを食べる。なんだかきょうはすべてがマレー語対応だ。こわもてのおばあも健在で、「Sudah minta?(もうオーダーしたの?)」とマレー語。バクテと野菜いためをおいしくいただいていると、突如停電になった。まわりをみまわすと、佑記茶室と、通りをはさんでジェッセルトン・ホテルのあるブロックだけが停電しており、ひとつ先のブロックは平常だ。ジェッセルトンホテルは、すぐに自家発電に切り替えたらしく、灯りがついたが、こちらはずっと真っ暗。5分くらいたつと、店の男の子が、小皿と赤いローソクを手にやってきた。小皿をひっくり返し、ロウをたらし、ローソクをたて、キャンドルディナーとなったのであった。そして、真っ暗な中、ローソクの灯りで、こわもてのおばあに会計をしてもらった。今日はあまり意識していなかったが、歩いているうちに、またバクテ後で活力がわいていることに気がついた。

さて、ビーサンがないので、セレベス・エクスプローラーに乗っている限りは必要はないが、いちおう買っておきたい。佑記からいちばん近いウィスマ・ムルデカがよいが、すでに閉店の8時をすぎていたので、KKプラザにいった。KKプラザに入ると、こちらも停電だったようで、店によっては半分しか電気がついていなかったり、ビーサンを買いに行った店は、電気のない真っ暗な中に、日ごろからやる気のなさそうな売り子たちが、さらにボーっとたたずんでいた。10リンギットで、変なビーサンを買い、薄暗いKKプラザを出た。KKプラザに入っているスーパーの方が安いが、ビル内が薄暗いので、センターポイントでその他の必要品を買うことにした。ふだん、あまりパン屋はのぞかないのだが、たまたまチラ見すると、ココナッツタルトがおいしそうに並んでいた。閉店時間が近く、トレイは水洗いしたあとで、びしょびしょ。買おうかなと躊躇していると、店員のおばさんが、そっちのトレイはバサ(濡れていること)だから、これを使って、とトレイをくれたので、ココナッツタルトにカヤ(ココナッツ)パフと1口サイズのパイナップルタルトを買ってしまった。食後にマグナムアイスを食べたいし、ビールも買っておこう、と思っていたのだが、コルゲートプロポリスという黄色いジェルの歯磨きと、日本ではないハーバルエッセンスのオーキッドココナッツを買ったら、すっかり忘れてしまった。戻ってまたまたレジで並ぶのはいやだし、たしか、シャングリラへ戻る途中、屋台のあるSEDCO COMPLEXの手前に、食料品店があったので、そこでアイスかビールを、と思った。しかし閉店後か、店がなくなったのか、そんな店はない。通りの向かいに、ORANGEというミニマートがあり、そちらに向かうが、セブンイレブンと違ってビールはない。アイスもネスレだけだ。これは、きっと飲むな、食べるな、ということだ。

すごすごホテルに向かって歩き始め、あそこに入ったらはまる、とわかりきっていたのに、車の流れから、ロータリー真っ只中の、丸いポイントに渡ってしまった。特に急ぐ必要はないのだが、いつまでも車が途切れるのを、スーパーのしゃらしゃら袋両手に突っ立っている姿というのは間抜けなものだ。西から来る車が途切れたと思ったら、北からの車がやってくる、の繰り返し。3分ほどはまって、なんとか抜け出した。徒歩であれば、トゥンク・アブドゥル・ラーマン通りからそのままホテルにアクセスできるが、車でホテルにアクセスするときに通る横道を歩いてみた。シャングリラ付近には、小さなKEDAI KOPIがいっぱいあるが、ムスリム色が濃い。その中に小さな雑貨店があった。マグナムアイスの「Wall's」のフラッグがたくさんぶらさがっているので入るが、マグナムはなく、ネスレばっかりだ。ネスレで妥協はできず、さらにビールは置いていなかった。少し歩くと、またまた「Wall's」のフラッグのある店をみつけるが、マグナムやネスレのように、包装されたアイスクリームではなく、コーンでアイスを売っていて、好きなヤム(紫いも系)がある。素手でコーンをつかんでという、衛生的な問題はあるが、まあ、体内の白血球がなんとかしてくれるだろう。YAMとドリアンをたのんで食べる。

この日は、なぜか、どこに行っても、ジャパニーズか、コリアンか、といった問いはなく、皆、マレー語で話してくる。前にKKのQuiksilverで買ったロキシーのTシャツと、KKで買ったDIESELのジーンズ、シンガポールで買ったバッグ、シンガポールでカットした髪だからかな。

明日の朝のフライトは、午前7時発だ。今回は、行きも帰りも、スパに行く時間がなく、日本に帰るまで、まともな入浴ができるのは、今夜限りだ。バスタブにしっかりお湯をはってみる。最初は、茶色い水が出てきたが、すぐに透明になった。トイレはちゃんと流れるが、洗面台の流れが悪い。パイプマンかなにかをどくどく注入したい感じだ。入浴後はコンプリメンタリーのサバティーを飲んで、さっさと寝ることにした。