将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

実を結ぶトレーニング

2007年01月11日 | 体育
長いようで短かかった将人の冬季家庭学校(冬休みというところを光の村ではこう呼ぶ。)も終わり、久々に通常の生活に戻った。将人の運動につきあった分、本来の自分の運動が少なくなり、私は若干太ってしまったようだ。

時々近くの市営体育館に行ってウェイトトレーニングをしているが、専用トレーニングマシンを扱うせいか、そこでは中学生以下の使用を禁止している。そのため、将人と連れだって行く事ができず、この冬季家庭学校の間の私のトレーニングは中止となってしまった。ある程度筋力がつき、遊び半分じゃないトレーニングができる年齢になってから来て下さいということなのだろう。

将人と行った旅行先のホテルでたまたまトレーニングジムがあったため、ウェイトトレーニングを一緒にした事があったが、将人はことトレーニングに関してはとてもまじめにする。これは普通の子供以上だと本当に思う。まじめにする以上はちゃんと結果に結びつく努力をさせたい。自分の経験から言うと、器具を使ったトレーニングは筋肉をムラなく鍛えることができ、バランスが良いように思うので、できればジムでトレーニングを一緒にさせたかった・・・。

腕立て伏せにしても膝屈伸にしても、つっぱるための伸筋系は鍛えられるが、引きつけるための屈筋系は鍛えにくい。若い頃、がむしゃらに腕立て伏せやスクワットばかりしていた私は、毎週、筋力トレーニングをする度に、伸筋系はまだまんざらでもないと思うのに、屈筋系が極端に弱いのに愕然とし、あの頃のきついトレーニングは一体何だったんだろうかと憮然としてしまう。

もっと正確に言えば、懸垂をすれば良かったのだろうが、それはきつ過ぎて、続かなかった。ウェイトを使った、負荷の調節できるトレーニングマシンをもしあの頃使っていたら・・・、と悔やまれる。また、もも(大腿部)の裏側の筋肉に到ってはマシンを使わなければ、トレーニングしようがない。必死にやった努力が実を結ばないのは本当に虚しいものだ。

うさぎ飛ぶもそうだ。あの頃は必死にずいぶんやった。ところがその努力が膝を痛める原因となり、努力が無どころか、仇で返されるような結末となった。
フルスクワットという深い膝屈伸運動もそうだ。それのやりすぎで、膝下を痛め、いまだに後遺症に苦しんでいる。聞くところによると、昭和53年頃、事故があったせいもあり、それらはやらないよう学校で指導され始めたという。運動方法も変遷するのだ。

自分のは競技のためのトレーニングだったが、将人たちのトレーニングは成長期の若者ということもあり、心肺系の発達、正しい姿勢、自分自身の体をもてあまさない体作り、作業に耐える体と心作り等が主眼になっていると思われる。

そのため、自分のような、競技のためのトレーニングばかりしてきたものにはやや奇異に映り、まさに走ってばかりの、マラソンクラブのそれに見える。

その関連のトレーニングに関しては小生、全く見識を持たないが、1年にも満たず、わずか8カ月でハーフマラソンが完走できるほど鍛えて下さった光の村方式はとてもシステマティックで理知整然としたものなのだろう。

今回、爪の下が内出血していたものの、20㎞走るための練習と本番を通じて足にマメが一つもできず、皮も全然剥けていないのはむしろ不思議だった。丁寧な指導と寮生活を通した、まめなお世話の努力がなせる技と改めて敬意を表したい。

先生は何とか努力させようとし、生徒はそれに必死に答え、その双方の努力がちゃんと実を結ぶ。こんな素晴らしい事が他にあるだろうか。自閉症で散々苦労してきた私たちから見れば、まさに奇跡的な事である。

とりわけ驚くのは、あんなに鍛えられてるのにも関わらず、今回の帰校の前に、「光の村、好きですか」と聞くと、「好きです。」とまんざらでもない様子で答えた事だ。西武秩父の集合場所で久しぶりに担任の先生に会った際、将人が先生に向かって「バイバイ」と言ったというが、それはもうほとんど父親かお兄さんに向かって発する、親しみを込めた戯れ言葉のように思えた。その後、仲良く(?)、先生方やみんなと一緒に大滝の学校に向かって行った、と言う。

大変お手数ですが、また3学期もどうかよろしくお願いいたします。





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