将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

情緒の安定

2007年08月31日 | 体育
窓ガラスを割った事に関し、親馬鹿だと思われるだろうが、将人の名誉のために若干付け加えておく。

ガラスは必ずしも、割ろうとして割ったのではないようだ。

生活サポートの人がいつも訪問する時刻が近くなり、玄関近くのおばあちゃんの部屋の窓から外を眺めていたそうだが、なかなか訪問して来ないのと、家の者に「昨日脱走したから、今日の生活サポートはないよ。」と言われた事でいらいらをつのらせ、思わず、悔し紛れに窓ガラスを平手でばんばん叩いたというのが真相のようだ。

床でもベッドでもドアでも良かったのだが、たまたま窓ガラスが前にあったので、それを叩いたという感じだ。

本当に割ろうとして割るのなら、道具で叩くだろうし、窓ガラスを割る事によって外にも出られる、広縁の掃き出し窓を割るのが妥当というものだろう。将人はそういう事を企む頭はあるはずだ。

やはり、問題は情緒だ。

トレーニングも学校に順応して来たし、「トレーナーとしての親」を受け入れるようにもなった。その点では、親の負担も軽くなった。しかし、依然として情緒の不安定は同じだ。運動する事により、安定して来たとはまだまだ思えない・・・。

そういう意味で、冬の文化祭の時、ハーモニカを先生も驚かれるくらいに上手に演奏できた事を思い出す。いい笑顔で練習もできた。練習する事自体が楽しみのようでさえあった。

ノーベル文学賞の大江健三郎さんの息子、大江光さんの事をふと思い出す。将人にも光さんのような、音楽の道はないものだろうか。

運動する事により情緒の安定が得られるのではないかと光の村に入学させて頂き、進級させてもらったが、このまま高3のトライアスロンまで持って行く事が唯一の道だとはまだ思えない。



追伸 :
この夏、セブ島に連れて行ったが、そこで5㎞のランニング後、ホテルのトレーニングルームで腹筋等をする際、トレーナーの人と話す機会があった。

そういう時、自閉症でも昨年末20㎞のハーフマラソンを走ったんだと言うと尊敬のまなざしで見られたし、況やもしトライアスロンをしたとでも言う事になれば、一生の宝物になるだろう事は想像に難くない・・・。

ただ、その場合でも誇らしく思うのは、あくまで親の方であって、将人自身にはそういう感情は、将来的にもおそらく、「ない」と思う・・・。

かといって、将人が地獄のように感じているかと言うと、必ずしもそうでもないようなので、実に判断に苦しむ所だ・・・。

思えば、自分も20代半ばまではかなりきついトレーニングを自らかって出ていた。老人の判断を将人にあてはめてもおかしくなるというものだろう。

あっという間に将人も成人になる。果たしてどうしたものか。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏期家庭学校終了間近 | トップ | 解体業 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

体育」カテゴリの最新記事