マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

喘息(気管支喘息)(その2)

2010年03月11日 | 診療
さて、喘息。

咳がひどいとの受診の時に、ゼーゼー・ヒューヒュー聞こえませんかとたずねると、
どれがそうなのかわからないとよく言われます。

横にいてゼーゼー聞こえるくらいなら結構しんどいはずなのでわかりやすいですが、
聴診器あててやっとわかるくらいだと気付かないこともあるかもしれません。
子どもさんの背中に直接耳をあてて聞いてみるのは一つの手ですね。

風邪がきっかけ、煙(タバコや花火、焚き火)を吸ったなどなどでも発作が起こります。
軽症でも吸入をしてあげる方が本人は楽です。
季節の変わり目、天候の変わり目(特に台風など)で喘息の子は発作を起こしやすいですね。

子どもの恐ろしいところは、ちょっとくらいの呼吸障害だと高地トレーニングみたいな調子で
慣れてくることがあります。
めっちゃゼーゼーしながら走り回れてしまうので親がだまされていることも。

研修医くらいの時はこちらが怖くなるくらいの重症発作をしょっちゅう起こす子が
結構普通にいてました。
当直で受診依頼の名前を聞いたらもう入院の用意。。。みたいな。
オノンを初めとする内服薬や、ステロイド吸入が登場してからそういった重症の子は激減しましたね。

ただこのステロイド吸入がクセモノです。
確かにちゃんと続けているとかなり有効です。
でも症状がなくなってからも毎日続けるのがこれまた大変。
一旦やめると効果はすぐになくなってきます。
で、また発作を起こして、反省してしばらくは続けるけど、また忘れて。。。

いつの間にやらなんでもかんでもステロイド吸入に!
なんて方向に世の中進みそうな時期もあってちょっと引いておりました。
世の中みんなそんなしっかり薬使えるの??と^^;

マキノの小児科医は基本O型なのでめんどくさがりです。
喘息ノートとか日記とか。。。
自分でできそうもないものはなかなかお奨めしにくいのです。

本来ステロイド吸入を処方したら、しっかり指導して、フォローして、とするべきなのでしょうけれど、
日々忙しいお母さんたちにいくらこちらからあれこれ言ったところで、
症状が落ち着いてしまっていたら、なかなか続けられるものでないことはよくわかっているつもり。
なにしろ自分だって自分に処方したステロイド吸入ちゃんと使えませんもの^^;

だから逆にあまり言わなくてもしっかり使ったり、内服してくれたりなんて場合は
こっちがえらいなぁなんてこっそり思っています。
でも本当は自分の子どものことなのだから、親がちゃんとしないといけないのですけどね。

なんでもそうです。
続けなければいけないのだから、続けられる範囲で頑張るだけ。
無理して1週間しか持たないなら、手を抜いてでも3ヶ月続けられるほうがよっぽどマシ。
そしてやればやっただけのことはあるのも事実。
そのあたりは外来で相談していきましょう。
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