マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

食物アレルギー

2010年03月13日 | 診療
乳児期のアトピー性皮膚炎は食物アレルギーを合併することが多いようです。

ご存知の方もおられると思いますが、うちの上の子が食物アレルギーで難儀しました。
最近は慣れてしまってそれほど大変と感じなくなってはいますが。

除去と一言で言うのは簡単ですが。。。
どこまで除去するか。
いつまで除去するか。
難しい問題です。
卵や乳製品の完全除去の大変なことといったらもう。。。
でも完全除去で症状がよくなるのなら、除去するほうがいいのだと思います。
頑張って完全除去しても全然変わらないのなら、除去する価値に疑問符が点灯しますね。
では。。。完全とまではいかないけど、まあまあ除去してみたけど?の場合はどうでしょう。
これまた判断は個別でやるしかありません。
できる範囲でやって、それを継続していかないといけませんからね。

卵、乳製品、米、小麦、大豆も。。。
と食べられるものが何もないほど色々反応してしまう子もいます。
正直小児のアレルギー専門の外来で管理したほうがいいとは思います。
でも、数値が高いままでも、実際に食べても大丈夫ということもあり、
逆に数値がそれほどでなくても、特定の食品はダメなままということも十分ありえますね。

除去対象の食品を間違って食べてしまったとします。
症状がドカンっと出るなら食べてはいけない証ですね。
あるいは1週間くらいでじわじわひどくなる場合もそうでしょう。
食べても大丈夫だったら結果オーライで除去不要ということになるのかもしれません。
ただし、場合によっては危険なこともあるので、
わかってやるときは負荷試験としてきちんと病院でやるべきでしょう。

もともと自分もうちの嫁もがっつりアレルギー体質なので、根拠はないけれど、
子どもが生まれたら卵と乳製品くらいは避けたほうがいいかもと言っていたのですが、
「そんなにやらんでいいやろ~」と一蹴されてしまいました^^;
自分が除去するわけではないので仕方ないかと引き下がったのですが。。。
その結果というわけではないのですが、結局卵から始まり出るわ出るわ(T-T)
食べられるものが米だけになってしまいました^^;
さすがに下の子にはやりすぎでもいいからと、出産直前の食事から卵と乳製品を除去。
よだれかぶれはやっぱり強めにでますが、それ以外は問題なし。。。
たまたま上の子がそうだっただけかもしれませんけどね。

今のところ、妊娠中・授乳中の除去に関しては積極的にやるべしという報告はないようです。
国によっては一部ハイリスクな子には特定の食品は控えるのが望ましいとされているとも聞きますが。

さて、食物アレルギーで一番怖いのがアナフィラキシーショック。
気をつけて除去してたのに、知らずに食べた。。。なんていうときに起こってしまいます。
ひどい蕁麻疹、咳、喘鳴、場合によっては呼吸困難、血圧低下など急いで処置が必要です。
一度アナフィラキシーを起こしたら、原因が特定される場合は厳格な除去を続けないといけませんね。

世の中でようやく食物アレルギーについての理解が深まりつつあり、
アレルギーっ子でも食べられるものが増えてきているのはいいことです。
でも大変なことにかわりはありません。
少し大きくなってくると回りの子どもたちが食べているのを見て自分も食べたいと言い出します。
我慢させるのは確かにかわいそうですが、アレルギーがひどくなるだけならともかく、
アナフィラキシーで命に関わる事態になっては悲しすぎます。
でもアレルギーを怖れて極端な除去に走り、結果的に栄養不足に陥って。。。という話も聞きます。
除去しないで済むに越したことはありません。
結局は個々に合わせた対応ということで。。。まとまりなく一旦おしまいです。

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