マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

ひきつけ(≒熱性けいれん)(その3)

2010年01月22日 | 診療
ひきつけシリーズ(その3)です。


どうしてもけいれんが心配であるのなら、けいれん予防の坐薬を使用することになります。
特に何度も熱性けんれんを繰り返している場合は予防投与も考えますかとお話するのですが、
これがまた難しい問題です。
まず、本当に毎回けいれんを起こすのかどうか誰にもわかりません。
そして、けいれん止めを使おうとしていた時に、あるいは坐薬をいれてすぐ、 など
「間に合わずにけいれんを起こしてしまった」、なんてことも少なくないのです。
そして「けいれんが起こったから熱に気付いた」も多いですね。

さすがに熱が出ると毎回けいれんを起こすようならなんとか予防投与しておきたくなりますが、
そうでない場合はあまり予防投与にこだわらなくてもいいと思っています。
もし起こしてしまったら、けいれん止め坐薬を使いつつ、救急要請するなりして
受診するほうがむしろいいのではないでしょうか。

実際、けいれんを抑える薬というのは要するに脳の活動を抑えてしまおうということです。
けいれんを起こさなくてもすぐにぐーぐー寝てしまったり、
逆にすごくテンション上がって大騒ぎなんてこともよくあります。
そういう薬であることを知った上で、それでもけいれんの不安が強いのであれば
けいれん止めの坐薬を使うのはいいと思いますよ。
使うべきかどうしようといつまでも悩むくらいならえいっと使うのもね。

1回だけしか熱性けいれんを起こしていない場合は、
マキノ病院小児科としては、原則として予防投与はしない方針です。
単純型の場合は予防投与はなしで、さらには
なんと発作を繰り返す場合でも再発予防は勧めないとする治療指針もあります。
そうはいっても、さすがに不安でしょうからお守りにけいれん止め坐薬を渡してますけどね。
ちなみにわが家の冷蔵庫にも2年以上前に用意した坐薬(解熱・けいれんともに)が
今も静かに眠っています。
うちは熱性けいれんの可能性はかなり低いと思っているんですがね。

そうそう、けいれんには関係はないですが、
冷蔵庫にはさらに吐き止めの座薬と経口補水液(吐いた時に飲ませます)も
仲良くおさまっておりますよ。
どれもあると安心ですからね。
自分の子なので使用期限なんて。。。完全無視です。
お守りはいくらあってもいいのです。


次で最後です。。。
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