つばを、がまだ中学生の頃。
周囲に外国人がおらず誰も彼も同じ顔に見えるばかりか、ある海外アーティストのプロモーションビデオを観て恐怖に感じた経験(のちにそのPVがサイケデリックな映像のEarth Wind & Fireの「september」だったことが判明)もあり、「外国人=怖い」という観念が根付くか根付かないかのとき、友達に「これとても良いから聴いてみて」と音楽をダビングしたカセットテープ2巻を強引に渡されました。その音楽というのは、上の画像がジャケットになっています。この画像を見てピンとこられた方はかなり多くいらっしゃるはず。そう、映画「アメリカングラフィティ」(脚本・監督 ジョージ=ルーカス)のサウンドトラックです。
外国の音楽だと言われ、上に書いた理由からカセットテープを手に体がコワバリましたが、しかしそこはようやく青っ鼻が出なくなった年頃。そんな観念も忘れて、カセットテープ2巻(全部で41曲あるのです)を通しで聴いてみたのです。
率直な感想は・・・リズムやメロティーの何と単純なこと。でも単純さゆえにダイレクトに心へ突き刺さってくるものがありました。歌っている言葉はまったく理解できなかったのも、今にして思えば純粋に音(サウンド)を楽しめて良かったと思います。曲の長さもせいぜい2~3分というところなので飽きもきません。そして、可笑しいと思われるでしょうが、曲が流れる間、空気の薫りが違うような気すらしたのです。
つばを、が初めて<自分の意志>で「良いな」と感じた音楽との出会いでした。
それからというもの、家にいれば常にカセットテープを聴いていました。聴き込んでいくと、よく聴く曲と聴かない曲が出てきます。さらによく聴く曲も淘汰されていって、ついにある1曲に辿り着きました。The Beach Boysの「All Summer Long」という曲です。
何人もの声が絡み合うコーラス、そして高音のパートを歌う男性の声の優しさ。このサントラには彼らの曲がもう一つ(「Surfin' Safari」)入っているけれども、できるだけたくさん彼らの曲を聴いてみたい・・・
当時はインターネットのような調べる手立てがまったくない時代で、加えてつばを、は中学生。ない頭を絞って近所のレコード屋へビーチボーイズのレコードを探しに行くことを思いつきました。すると、ビーチボーイズが単体で扱われており、彼ら単体のアルバムが2枚もあるではないですか!案外ビーチボーイズって有名なバンドなのかも・・・そう思うと嬉しく、そして「おれの耳に狂いはなかった」と悦に入ったのでした。
その瞬間から、ビーチボーイズとの(一方通行的な)長い付き合いが始まったわけですが、付き合いのことどもは別の日に譲ることにします。
いつも読んでいただき、ありがとうございます