今回もあくまでも私見です。というか今後こうなって欲しいという希望でしょうか。まぁそんな感じでさっくり読んで頂ければと思います。
まずJanicaとは、前回の記事にも書いていますが、アニメ業界の環境の向上をめざした、アニメ業界人及びそれを支援して下さる方々の集まりです。
勘違いされてる方もいらっしゃるようなので一応書いておきますが、Janicaは労組とは違うため、団体交渉などによる使用者に対しての働きかけはしません。会員種別の中に法人賛助会員を設けている以上、労組にはなりえないので。
まぁ、組合法がどうとか、組織の形態が云々以前に、この業界、団体交渉そのものが難しいというのもあります。
交渉するためには基準値になる平均値モデルありきで、そのモデルと比較して、下位条件であればそれは不当であると容易に判断できるのですが、そもそもが雇用形態が多種多様すぎて平均値を割り出すこと自体難しい。
これは原画以上のアニメーター及び演出の大半が特定の会社に所属していないフリーランスであるためです。
その人のスキル、仕事に対しての姿勢などで変化する雇用条件すべてを確認、照合した上でその不当性を主張する事は第三者にはほぼ不可能ですし、交渉するための平均値モデルを作ってそこに当てはめようとすれば、逆にデメリットを被る人も出てきます。
そのため、Janicaのアニメ業界の生活レベル向上を目指した活動は、そういった交渉とはまた別の切り口になるでしょう。
ただ、フリーよりも会社所属の人が多い動画などのセクションは平均値モデルを作り易く、交渉もしやすいと思うので、まずその単価設定の改善あたりから徐々に着手していくのが現実的ではないでしょうか。
順を追って原画単価などにも手が伸ばせれば嬉しい事ですが、ここからはそれぞれの能力値の差が如実にでてしまうので、そこまで念頭に入れて平均値モデルを作る必要があり、かなり時間のかかる険しい作業だと思います。
今年度は『若手アニメーター育成プロジェクト』というものが動いていましたが、それを今後の活動の中心にするわけでもないと思います。
このプロジェクト自体試みの一つであり、完成形ではありません。今年度の活動を土台に、どんどんよりよく形を変えて行かねばならないものです。
このプロジェクトにおけるJanicaの役割は、文化庁が本来するべき『プロジェクトが当初の規定通りきちんと公正に遂行されているかどうかの確認・指導』の代行であり、文化庁からそれを委託されているという立場です。
今回のプロジェクト終了時にそれらの事実報告をし、プロジェクト内容の問題点を提起し、次回の改善案を出すまでがJanicaの仕事だと思います。
それを受けてこのプロジェクトをどう変化させていくかは文化庁の判断によるところで、次の監査をどこに委託するかについても文化庁次第ということです。
今回の功績を認められれば再び受託できるのかもしれないし、また別の組織が受けるのかもしれない。たとえ次回受託できなかったとしても、この一件はアニメ業界においての貴重なムーブメントになったのではないかと思います。
声を上げれば少しでも何かが変わる。逆に、動かなければ何も変わらない。それが目の当たりにできただけでも進歩だと思います。
私が思うに、この業界の人は外に対して声を大にすることが苦手で、ついつい飲み込んでしまうケースが多い。
それどころか、環境に不満があってもそれをおおっぴらにすることを恥だと思うことすらある。
このブログでも何度も言っていますが、それは恥でもなんでもありません。当然の権利です。
偉大な先人たちが我慢してきたことなのだから、自分たちも我慢しなければという考えは持つ必要はありませんし、もしそれを強要するような先輩がいるならば、それは本当にあなたのことを考えてのアドバイスではありません。自分自身がされたことを後続の人間にさせて憂さ晴らししたいだけです。
ここ20年でアニメ業界も大きく変化してきました。
デジタル作業が主になり、今の若手さん方はスタートからしてデジタル。作り方自体が我々が新人であった頃とはそもそも違うのです。
それによって負担が軽減された部分もあるでしょう。しかし別の部分では増加もあるはずです。それらは我々古い型の人間の尺度では測れませんし、我々の観念の中に押し込めてはいけないのだと思います。
今この現在に生きている彼らにしかわからない苦しみがあるのだから、まずそれを理解することが我々にも必要なのではないでしょうか。
ただ我々も、話の分かる・・・ただ子供に甘いだけの親になるつもりは毛頭ありません。若手さんにも自分の仕事に対しての姿勢を振り返って頂きたい。
喰えない喰えないとよく聞きますが、仕事場にテレビやらインターネットをする設備やらを揃えておいて『喰えない』もないもんです。世の中にはパソコンはおろか、照明以外の家電を持てずに生活している人たちがいるのです。
それだけの設備を持っていながら喰えないのは、単にお金の使い方が下手なだけです。ついでに言えば時間の使い方も。
仕事場に長くいるとたくさん仕事をしているように感じますが、結果は上がった物の内容や数で明確です。仕事場にいる間、どれだけ仕事に集中していますか?
あなたが欲しいと思う報酬に見合った分、ちゃんと仕事はしていますか?今一度考えてみて下さい。
思い当たる所があってやいのやいの言ってた人はただの非常識人として周りに評価されてしまいます。気をつけて。
しかし、これらを全てクリアしてもなお、生活苦に悩む若手さんはいます。マジメで、勤勉で・・・なので技術もちゃんと身に付くのですが、いかんせん交渉術に暗いため利用され易い。
いつもしんどいカットやスケジュールのない仕事を任されて、コツコツと黙って仕事をするもんだから体を壊してしまうような人。
こんな人には手を差し伸べたい。でもこういう人に限って弱音を吐かないので、差し出す手が間に合わないのです。
だからJanicaがもっと業界内に浸透して、差し出された手の在処がわかって、それを求め易い環境になってくれれば本当に嬉しいです。
前述した通り、今の若者の本当にしんどい部分は、我々オールド世代には正確にわかりません。なので、今後の運営は、若い人たちが率先して活動して欲しいと思います。
この先の業界を支えて行くのは今の若い世代ですからね。
かといって突然ポンと任されても、どのように動いたらいいか見当もつかないでしょう。
それをサポートするために先輩方が居られるのであって、そこは甘えていいんじゃないかと。ノウハウを間近で見て、盗んで、そしてゆくゆくは自分たちの求めるやり方へと進化させていけばいい。
Janicaという組織は、あなた方が抱えている不満を代弁してくれる性質の組織ではありません。
あなたが『こういうことがやりたいけれど、どうやったらいいのかな』と行き詰まった時に『じゃあこうしてみたらどうよ?』と一緒に考えてくれ、時には手伝ってくれる・・・自分一人ではできなかったことを実現するためにみんなで頑張ろうという団体だと思います。
まずはあなた自身が動く事をしなければ、あなたが望む環境は得られません。
若い世代の能動的な活動に期待しています。
まずJanicaとは、前回の記事にも書いていますが、アニメ業界の環境の向上をめざした、アニメ業界人及びそれを支援して下さる方々の集まりです。
勘違いされてる方もいらっしゃるようなので一応書いておきますが、Janicaは労組とは違うため、団体交渉などによる使用者に対しての働きかけはしません。会員種別の中に法人賛助会員を設けている以上、労組にはなりえないので。
まぁ、組合法がどうとか、組織の形態が云々以前に、この業界、団体交渉そのものが難しいというのもあります。
交渉するためには基準値になる平均値モデルありきで、そのモデルと比較して、下位条件であればそれは不当であると容易に判断できるのですが、そもそもが雇用形態が多種多様すぎて平均値を割り出すこと自体難しい。
これは原画以上のアニメーター及び演出の大半が特定の会社に所属していないフリーランスであるためです。
その人のスキル、仕事に対しての姿勢などで変化する雇用条件すべてを確認、照合した上でその不当性を主張する事は第三者にはほぼ不可能ですし、交渉するための平均値モデルを作ってそこに当てはめようとすれば、逆にデメリットを被る人も出てきます。
そのため、Janicaのアニメ業界の生活レベル向上を目指した活動は、そういった交渉とはまた別の切り口になるでしょう。
ただ、フリーよりも会社所属の人が多い動画などのセクションは平均値モデルを作り易く、交渉もしやすいと思うので、まずその単価設定の改善あたりから徐々に着手していくのが現実的ではないでしょうか。
順を追って原画単価などにも手が伸ばせれば嬉しい事ですが、ここからはそれぞれの能力値の差が如実にでてしまうので、そこまで念頭に入れて平均値モデルを作る必要があり、かなり時間のかかる険しい作業だと思います。
今年度は『若手アニメーター育成プロジェクト』というものが動いていましたが、それを今後の活動の中心にするわけでもないと思います。
このプロジェクト自体試みの一つであり、完成形ではありません。今年度の活動を土台に、どんどんよりよく形を変えて行かねばならないものです。
このプロジェクトにおけるJanicaの役割は、文化庁が本来するべき『プロジェクトが当初の規定通りきちんと公正に遂行されているかどうかの確認・指導』の代行であり、文化庁からそれを委託されているという立場です。
今回のプロジェクト終了時にそれらの事実報告をし、プロジェクト内容の問題点を提起し、次回の改善案を出すまでがJanicaの仕事だと思います。
それを受けてこのプロジェクトをどう変化させていくかは文化庁の判断によるところで、次の監査をどこに委託するかについても文化庁次第ということです。
今回の功績を認められれば再び受託できるのかもしれないし、また別の組織が受けるのかもしれない。たとえ次回受託できなかったとしても、この一件はアニメ業界においての貴重なムーブメントになったのではないかと思います。
声を上げれば少しでも何かが変わる。逆に、動かなければ何も変わらない。それが目の当たりにできただけでも進歩だと思います。
私が思うに、この業界の人は外に対して声を大にすることが苦手で、ついつい飲み込んでしまうケースが多い。
それどころか、環境に不満があってもそれをおおっぴらにすることを恥だと思うことすらある。
このブログでも何度も言っていますが、それは恥でもなんでもありません。当然の権利です。
偉大な先人たちが我慢してきたことなのだから、自分たちも我慢しなければという考えは持つ必要はありませんし、もしそれを強要するような先輩がいるならば、それは本当にあなたのことを考えてのアドバイスではありません。自分自身がされたことを後続の人間にさせて憂さ晴らししたいだけです。
ここ20年でアニメ業界も大きく変化してきました。
デジタル作業が主になり、今の若手さん方はスタートからしてデジタル。作り方自体が我々が新人であった頃とはそもそも違うのです。
それによって負担が軽減された部分もあるでしょう。しかし別の部分では増加もあるはずです。それらは我々古い型の人間の尺度では測れませんし、我々の観念の中に押し込めてはいけないのだと思います。
今この現在に生きている彼らにしかわからない苦しみがあるのだから、まずそれを理解することが我々にも必要なのではないでしょうか。
ただ我々も、話の分かる・・・ただ子供に甘いだけの親になるつもりは毛頭ありません。若手さんにも自分の仕事に対しての姿勢を振り返って頂きたい。
喰えない喰えないとよく聞きますが、仕事場にテレビやらインターネットをする設備やらを揃えておいて『喰えない』もないもんです。世の中にはパソコンはおろか、照明以外の家電を持てずに生活している人たちがいるのです。
それだけの設備を持っていながら喰えないのは、単にお金の使い方が下手なだけです。ついでに言えば時間の使い方も。
仕事場に長くいるとたくさん仕事をしているように感じますが、結果は上がった物の内容や数で明確です。仕事場にいる間、どれだけ仕事に集中していますか?
あなたが欲しいと思う報酬に見合った分、ちゃんと仕事はしていますか?今一度考えてみて下さい。
思い当たる所があってやいのやいの言ってた人はただの非常識人として周りに評価されてしまいます。気をつけて。
しかし、これらを全てクリアしてもなお、生活苦に悩む若手さんはいます。マジメで、勤勉で・・・なので技術もちゃんと身に付くのですが、いかんせん交渉術に暗いため利用され易い。
いつもしんどいカットやスケジュールのない仕事を任されて、コツコツと黙って仕事をするもんだから体を壊してしまうような人。
こんな人には手を差し伸べたい。でもこういう人に限って弱音を吐かないので、差し出す手が間に合わないのです。
だからJanicaがもっと業界内に浸透して、差し出された手の在処がわかって、それを求め易い環境になってくれれば本当に嬉しいです。
前述した通り、今の若者の本当にしんどい部分は、我々オールド世代には正確にわかりません。なので、今後の運営は、若い人たちが率先して活動して欲しいと思います。
この先の業界を支えて行くのは今の若い世代ですからね。
かといって突然ポンと任されても、どのように動いたらいいか見当もつかないでしょう。
それをサポートするために先輩方が居られるのであって、そこは甘えていいんじゃないかと。ノウハウを間近で見て、盗んで、そしてゆくゆくは自分たちの求めるやり方へと進化させていけばいい。
Janicaという組織は、あなた方が抱えている不満を代弁してくれる性質の組織ではありません。
あなたが『こういうことがやりたいけれど、どうやったらいいのかな』と行き詰まった時に『じゃあこうしてみたらどうよ?』と一緒に考えてくれ、時には手伝ってくれる・・・自分一人ではできなかったことを実現するためにみんなで頑張ろうという団体だと思います。
まずはあなた自身が動く事をしなければ、あなたが望む環境は得られません。
若い世代の能動的な活動に期待しています。
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