民法の規定に沿った期間の計算を理解するのは、なかなか厄介ですね。
次の例題を考えてみましょう。
★ある市の施設は、使用の予約をしたのち、使用予定日の2か月前までに予約の取消しをすれば、料金の返還が受けられる。使用予定日が1月31日であるとして、料金の返還を受けられる最も遅い予約取消日は何月何日か。★
私は次のように考えました。
★1月31日の前日は1月30日。その2か月前の月には応当日が存在し、それは11月30日。その翌日は12月1日。この日が1月31日の2か月前の日である。その日までに予約の取消しをしなければならないということは、その日が始まる前に取消しを終えておかなければならないということ。そこで、12月1日に取り消してもダメで、遅くとも11月30日に取り消さなければ、料金を返還してもらえない。★
最後の部分で、12月1日から前日の11月30日に戻るところが、日常の感覚とは食い違うところですが、民法ではこのように考えるはずです。
ところが、「一般財団法人 地方自治研究機構」のサイトには、12月1日でもよいと書かれています。《リンク》
その部分を次に引用します。
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問 条例で、施設予約日の2箇月前までに予約を取り消したときには使用料の還付がなされると規定されている場合の「2箇月前」の計算について、予約日が1月31日(1月の末日)の場合は、11月30日(11月の末日)は、ちょうど2箇月前となるので、還付できるのは、11月29日までに取り消した場合であると考えてよいでしょうか。
回答 月によって期間を定めておりますので、期間の初日は算入せずに(民法第140条)、1月31日の前日である1月30日が起算日となります。
満了点については、1月30日から2箇月遡ると、起算日に応答する日は11月30日となり、その手前の日である12月1日が満了日となります。
したがって、12月1日が使用料の還付がなされる取消しの最終日となります。
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最後に1日戻るかどうかの違いですね。