一意専心の資格マニアの記録

いくつか資格を取得するうち、楽しさを覚えるようになりました。主にビジネス系です。

あけすけな言葉と態度(嫌われる勇気)

2014-09-13 15:00:00 | 日本語・漢字

青年 最後に、もうひとつ。本日はあまりに刺激的な議論が続いたため、幾分失礼な言葉を口にしてしまったように思います。申し訳ございませんでした。
哲人 気にすることはありません。プラトンの対話篇をお読みになるといいでしょう。ソクラテスの弟子たちは、驚くほどあけすけな言葉と態度でソクラテスと語り合っています。本来、それが対話のあるべき姿なのです。
(『嫌われる勇気』 岸見一郎、古賀史健(著) ダイヤモンド社 2013年12月 p.57) 

あけ‐すけ 【明け透け】(デジタル大辞泉)
[名・形動]あけっぴろげで、露骨なこと。包み隠しのないこと。また、そのさま。「―にものを言う」「―な性格」

 上の文中で「あけすけ」を使うことは、不自然に感じられました。「青年」は、自分の言葉が「幾分失礼」だったと言っており、「哲人」は、そのような態度をも容認するための材料として『対話篇』を持ち出しています。ここでは、「無遠慮な言葉と態度」というのが真意ではないかと思われます。

 ただし、「あけすけ」であるときには、同時に幾分「無遠慮」であることが多いのだろうとは思います。

看破

2014-09-03 21:00:00 | 日本語・漢字

 常識で考えれば誰もが持続不可能と思うような勤務形態を、「やればできる。俺たちもやってきたんだ」と精神論で看破しようとするのは、とても合理的に勝つことを念頭において思考する人間の言葉ではない。黒い企業の存在で明らかになった21世紀日本社会の闇は、いまだ根が深いのかもしれない、と思うこの頃である。 《リンク》
(ダイヤモンドオンライン 2014/08/29 「日本の定離は世界の不条理!?」-「オックスフォードが教えてくれた日本のブラック企業問題が世界から理解されない理由」 田島麻衣子)

 上の文で「看破」を使っては意味が通りませんね。「喝破」でもだめなようです。しかし、文の一部を修正すれば、「喝破」が使えそうです。

 常識で考えれば誰もが持続不可能と思うような勤務形態なのに、「やればできる。俺たちもやってきたんだ」と精神論で喝破しようとするのは、とても合理的に勝つことを念頭において思考する人間の言葉ではない。

 これでどうでしょうか。



かん‐ぱ 【看破】(デジタル大辞泉)
[名](スル)見やぶること。物事の真相や裏面を見抜くこと。「悪計を―する」

かっ‐ぱ 【喝破】(デジタル大辞泉)
[名](スル)
 大声でしかりつけること。
「『返事をしないか!』と江間君の―した時」〈独歩・第三者〉
 誤った説を排し、真実を説き明かすこと。物事の本質を明言すること。
「思うままに―す可き適当の辞(ことば)を」〈蘆花・黒潮〉