青年 最後に、もうひとつ。本日はあまりに刺激的な議論が続いたため、幾分失礼な言葉を口にしてしまったように思います。申し訳ございませんでした。
哲人 気にすることはありません。プラトンの対話篇をお読みになるといいでしょう。ソクラテスの弟子たちは、驚くほどあけすけな言葉と態度でソクラテスと語り合っています。本来、それが対話のあるべき姿なのです。
(『嫌われる勇気』 岸見一郎、古賀史健(著) ダイヤモンド社 2013年12月 p.57)
あけ‐すけ 【明け透け】(デジタル大辞泉)
[名・形動]あけっぴろげで、露骨なこと。包み隠しのないこと。また、そのさま。「―にものを言う」「―な性格」
[名・形動]あけっぴろげで、露骨なこと。包み隠しのないこと。また、そのさま。「―にものを言う」「―な性格」
上の文中で「あけすけ」を使うことは、不自然に感じられました。「青年」は、自分の言葉が「幾分失礼」だったと言っており、「哲人」は、そのような態度をも容認するための材料として『対話篇』を持ち出しています。ここでは、「無遠慮な言葉と態度」というのが真意ではないかと思われます。
ただし、「あけすけ」であるときには、同時に幾分「無遠慮」であることが多いのだろうとは思います。