music wind 

音楽を通してたくさんの人との出会いや心のふれあいをかいてます。

心から喜びを感じたとき

2007-03-07 21:18:20 | 今日の音楽セッション
特養の日。

あのおちょぼばあちゃまが初めて微笑んだ。

セッションに慣れて来られてからは声が聞こえるくらい、はっきりと口を動かして歌うようになった。
楽器演奏でも、小さくて細かな動きだが自分の意志を持って様々な楽器を演奏されるようになった。

そして、今日。
最近、お気に入りの鉄琴を今日も選択してバチを弾ませたり、グリッサンド(バチをスライドさせながら流れるように鳴らす)させたりしながらピアノや歌に合わせて集中して演奏していた。
そして最後は、何度もグリッサンドして自分なりの”決め”で締めていた。

終了後「すばらしい演奏でしたね」と拍手を贈るとじっと私の顔を見ていた。
いつもなら、そこで終了するのだが、今日は職員や見学者もいて皆、おちょぼばあちゃまの姿に感動して大拍手が鳴りやまなかったので、

「聞いていた他の皆さんも、拍手されてますよ」と言って知らせた。

すると、ゆっくり顔をあげて(いつも下を向いていることが多いので)、拍手をしている職員たちに目をやった。

しばらくして、おちょぼばあちゃまの顔がほころんだ。
口角があがってにこっと笑った。

今までのセッションでは見たことのない表情だった。

心から嬉しかったのだと思いました。
いつも、殆ど表情のないおちょぼあちゃまだったから。。。

どんな人にも心がある。
病気や障害など様々な理由で外からはとても遠くなって見えなくなってしまった心でも、ちょっとずつでも扉を叩いていくことで、その心が表面に現れて来たとき、その人だけではなく周りにいる人たちも幸せになる。