グッド・バー

多くの方に愛されている老舗バーの物語

ご年配のお客様

2007-03-21 | バーでのお話
当店は開店時間が5時である。黄昏時、紳士たちがお酒を
飲みバーフレンド達と知的な会話しパブリックの空間を
楽しまれている。そんな紳士達の多くは現役で仕事をなさって
おられる方が多いが中には現役を引退されたご年配の方も
多数お越しいただいている。

当店で最年長のかたはおいくつぐらいの方がお見えになって
いると思いますか?

現在、見えている中では86歳の方がお二人いらっしゃる。
どちらも当店でウイスキーを2杯を必ず飲んで帰られる。

当店のスタンディングのカウンターで背筋をピンと伸ばし
けして乱れることなくまさに紳士である。

カウンターの中でお二人を眺めているといつも
「こんな大人になりたいなぁ~」と思う。

先日そんな86歳のご年配のお客様がお連れの方と
久々にご来店。たまたまそのお二人の隣で
お酒を飲まれていた現役バリバリの某新聞社の方と
ひょんなことから話が盛り上がり3人で
バーを楽しまれていた。

86歳の方が帰られる際、
「じゃ、わしらは帰るわ~後は現役の若い人たちに任せるよ!」

なんとも美しい世代交代のバトンタッチする瞬間であった。

この瞬間、バーというパブリックの
      空間が ”劇場” となるのである。