グッド・バー

多くの方に愛されている老舗バーの物語

面接官に要注意! 続編

2005-02-27 | バーでのお話
昨日の面接の続きなのだがK氏はこんなこともおっしゃっていた。

「最近は本当にマニュアル通りの子が多すぎる。好きな人は誰?という
 問いに「父です」とか「母です」と、あたりさわりのない回答を
 するばかり。こういうのは本当に相手のことが解からない。今回も
 こんな回答が一番多かった。でもある成人はなかなかよかったよ」

その成人は「好きな人は誰?」の問いに「明石家さんま」と答えた
らしい。「なぜ?」の問いに

「さんまの間の取り方は他の芸人よりはるかに優れている。間の取り方で
 笑いを取るのは結構難しいですからね。僕も合コンのときによく
 やっていますがなかなか笑いは取れないんです。話もかなり面白い
 ですし。やはりさんまは笑いの神様です」と回答。

(僕もお話を聞き、なるほどと、つい思ってしまう)

「反対に嫌いな人は誰?」の問いに「堀江です」と「なぜ?」の問いに

「あいつは卑怯です。あんなせこいことして儲けようとしているところが
 許せません。日本人の恥です」と答えたらしい。

(この件に関しては成人は早とちりしているな~と思ったのだが...。)

とにかくK氏の問いに自分の意見をはっきり言った成人も採用!こういった
討論まではいかないが、話し合いをしっかりできるという事は
よく勉強している証拠なんだそうだ。

K氏は前回の大学院生と今回の成人が本社に入社してくれることを
期待しているらしい。

僕もお客様とお話をするが我々はあくまでサポート役なので時と
場合をわきまえるが意見を述べたりする。

このお話を聞いて今まで以上に世の中の流れをいち早く感じ取り
頭のなかで整理しとかないととつくづく思う。

僕もよく飲みにいくが「ええ」「そうなんですか」「ほんとですか」
などと答える方が非常に多い。僕にもいえることだが...。

面接官に要注意!

2005-02-26 | バーでのお話
当店をひいきにしていただいており知的でユーモアたっぷりのK氏。
しかもこの方かなりのグルメである。

一部上場企業にお勤めだったがベンチャー企業にヘッドハンティングされ
現在は単身で頑張られている。こちらへ帰って来られた時は必ず寄って
いただいている。

先日、当店に寄られた時「いや~この間採用試験の面接をしたけど
あれは疲れるね~」

この時期は入社試験真っ只中。皆さん頑張られていると思う。

K氏は2次面接の面接官だったらしく約20人ほど面接された。

「最近はマニュアル通りで質問しても面白くない。だから
 全く会社とは関係ない質問を色々したんだ。例えば食べ物の話。
 好きな食べ物を聞くと結構「ラーメン」と答える子が多かった。けど
 僕はうどん派だから...。ある大学学院生でうどん好きな子がいてね~
 カレーも好きだったらしい。僕もカレーにはうるさいからね~色々気に
 なるお店を教えてもらおうと思ったけどその子、店の名前が緊張して
 その時はでてこなかったから僕の名刺にアドレスを書いて送って
 もらうようにお願いしたんだ。「これは、面接とは関係ないからね」
 って付け加えて。」

「それって完全に個人的なことじゃないですか~」

「いいねん。いいねん。これで」

「う~ん?いいのか??ありなのか???」と思っていた。

「数時間後にその子からメールがきてね~。いくつかのうどん屋と
 カレー屋を紹介してくれてURL(そのお店のホームページ)付で送って
 くれてね~。勿論、採用!!」とK氏。

「え~?それでいいんですか~??」

「当たり前じゃない!」

ラーメン好きなかたは本当に残念であった。

勿論採用になった大学院生から何か光るものを感じたので採用になった
のだとは思うが...。

以前僕も当店で勤務する前、面接をした。が、もう勤務することは
決まっており具体的な事の確認のための面接だった。

今思うと僕は蕎麦派。僕の師匠(当時のオーナー)はうどん派。
ひょっとすると...。   

この話をお聞きしてからついついうどんとカレーの特集に目がいって
しまう今日この頃である。

マナーとは

2005-02-25 | バーへの思い
携帯電話は日常生活でいつも持ち歩きプライベートでも仕事でもかかす
事ができない。

携帯電話、どこでも話せる便利な電話なのだが飲食店で勤務されてある方
なら分かるかも知れないが少し厄介である。

最近は様々な公共施設で使用不可になっているが当店でも使用不可に
したいところである。

ある日、3人組の客がテーブル席で飲んでいると一人の携帯電話が鳴った。
大きな呼び出し音で店内の雰囲気が少し変わった。このぐらいの
事はよくあるので仕方ないと思っているとその場で大きな声で話しだし
5分10分と時間が経っていく。カウンターの何人かのお客様の顔つきが
変わってきたのですぐにテーブル席の客に
「恐れ入りますが、他の方もいらっしゃるのでお外でお話になって
いただけますでしょうか?」と言うと

「ヘぇ~、ここではしゃべったらあかんにゃ~。誰にも迷惑かけてない
やんけ」数分後、この3人組は怒って帰っていった。こんな事や

カウンターで2組が飲んでいた。そのうち一組の方の携帯がなる。
その場で話だし、しばらくしても話をやめようとしないので
「恐れ入りますが、お外でお願いします」すると渋々電話を切られた。

それを聞いていたもう一組の方の携帯もその後なった。
外にでられるだろうと思っていたがその方もその場で話し込む。
呆れてものも言えなかった。

最近は周りを気にしない方が多すぎてマナーという言葉が死語に
なってしまったのかと悲しくなる。作法をしらなすぎる。

やはり愉しく酒場で過ごすにはそれなりの常識がないと
いけないのだが。特に若い方に多い傾向である。


バーとは非日常の空間
そしてパブリックなのだが...。


パイロットの教え

2005-02-24 | バーでのお話
以前にもふれた当店の別室で月に一度開かれる会合があった。今回の
ゲストスピーカーはANAの現役パイロット。しかも機長である。この方
ずば抜けた頭脳の持ち主であり、そして何より男前。メンバーの方達は
お話を聞き入っていた。いつもより妙に女性が多かったのが
印象的だった。

この機長の方はパイロットにしておくのはもったいないと思うほど
話上手。説明中でも一つはジョークを交えお話になられていた。
僕も色々勉強させて頂いた。

「ANA」大方の方はアナと略して言うが実はエーエヌエーと言わないと
いけないらしい。アナになると穴を連想してしまうからだそうだ。
決していいイメージではない。これから気をつけましょう。

あと、全日空もあまりよくはないらしい。これは社名なので
どうすることもできないが、前(全)日、から(空)になってしまうから
である。縁起がよくないのである。

天候が悪い時につきものの、出航か欠航の問題。これは運行管理者と
いわれる地上のパイロットと機長が話し合いの結果、決定するらしい。

が確実にANAよりJALは欠航が多いとあるメンバーの方が指摘された。
機長の方は「実はANAは風水を取り入れてます。」とジョークを
飛ばされた。これには勤務中の僕も大爆笑してしまった。

最後にリクエストがあり飛行機に乗ると最後に必ず聞く「本日はご搭乗
頂きありがとうございます~~」をして頂いた。女性人は皆さん
しびれていた。盛大な拍手で幕を閉じた。

基本的にパイロットの方は客室乗務員の指名など部がパイロットと
違うので絶対にできないそうだ。でも

「あの客室乗務員と乗ると気分がいい」と言うことは多々あるそうだ。

勿論我々に「Good Luck !!」といわれ最後に笑いを独り占めされていた。

デザイナーの教え

2005-02-18 | バーでのお話
今日、有名なデザイナーを父に持つ息子さんがお見えになった。
デザイナーのI氏は5年前に他界されている。僕も1度お会いしただけ
なのであまりお話をさせて頂いたことはないが、師匠から話はよく
聞いていた。

I氏は当店とは長いお付き合いだったらしい。しかも僕が勤務する
グループの周年パーティーの時の記念ボトルをデザインして頂いている。
このボトルも非常に美しい。

I氏は当店のことを
「ここのバーはバーの原点だ。ここに始まりここに終わる」

と、口癖のようにご自宅でおっしゃられていたようだ。なんとも
嬉しい限りである。

そんなこともあり息子さんもなかなか当店にお見えになるとき
正直構えてしまい、入りづらいらしい。(仕方ないかもしれない)

でもカウンターで今日I氏を思い、飲まれていると
何ともいいようのない気持ちだったらしい。

I氏は息子さんに様々なことを教えていたそうだ。

「友達や後輩とお酒を飲むのもいいが上司とそれ以上に飲みなさい。
 考え方が必ず広がっていく。」など

「家族と過ごす時間をできるだけ持ちなさい。」などなど

そして、その時間こそ想像や発想が自由に広がる時なんだそうだ。
偉大なデザイナーはそんな偉大な言葉の数々を残されていたらしい。

当時20歳過ぎの息子さんにはその本当の意味が分からなかった
らしが年を重ねるごとに理解できるようになってきたそうだ。
そして現在、息子さんは紳士であり偉大である。

当店は親子2代お見えになってくださる方が大勢いらっしゃる。
そして3代お会いできる事もあるかも知れない。

つくづくこの仕事はいいものだと息子さんの話をお聞きしながら
思った。

フィットネスクラブ

2005-02-15 | マイブーム
昨年の夏辺りから急にお腹が出てきた。完全な酒太りである。営業中も
お客さんに「腹でてるで~」「その年であかんで~」など頻繁に言われる
ようになったのでお客さんに紹介してもらい、コナミスポーツに
入会した。

当初、あまり乗る気ではなかったがプログラム通りメニューを
こなしていくと見る見るうちにお腹は元通り。

ウエイトトレーニングの成果もあり筋力も大幅にアップ。ポイントは
基礎代謝である。

基礎代謝とは、安静時にも消費されている基礎エネルギー。多くは脂肪を
燃やしまかなわれているが、その40%くらいを筋肉が使っている。
だから「筋力が増えると基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなる」
のである。有酸素運動で脂肪を燃焼し、筋トレで脂肪を燃えやすい
体質を作るというわけである。

今は週に2、3回は行くようにしている。インストラクターの方曰く、
週1回ぐらいだと体を動かしているだけになってしまうらしい。

営業中、見てみぬふりできないお客さんに進めているが皆さん
リアクションは薄い。残念!意外と、この年で体を動かすと
気持ちいいものである。今少し気持ちが揺らがれた方はすぐ
クラブへ!

ジョギングで 汗と一緒に 肉落とす

微笑み

2005-02-14 | バーでのお話
いつも仲良くされ、見ていてほのぼのするカップルがいらっしゃる。
男性は広告会社をされており女性は経理を担当されている。お2人で
会社を運営されている。30代後半である。察するところ、
お二人は近々結婚されるはずである。

お二人はいつもウイスキーを3杯ずつとホットドックを召し上がられ、
男性が会計される。

ある日、何か特別の日だったらしく女性が「今日は私が払うから!好きな
だけ飲んで食べて!」ということもあり、いつもより多くお酒も料理も
召し上がって頂いた。

「そろそろ会計かな~」と思っていたら女性がお手洗い。すると男性が
「すいません、お会計!」
えっ、「よろしいんですか」と問う僕に
「ハイ、かまいません」

結局男性が払われた。後追加で男性がウイスキーを一杯。いい時間に
なり女性が僕に「お会計を」僕は当然一杯分の料金「840円です」と
告げると、

「えっ、」
「えっ、えっ、」
「おかしくないですか?」

かなりびっくりされている女性に僕は

「追加分は840円ですよ」

ここで女性も気づかれ少し照れながら会計を済まされる。終始顔を
赤くされてる。

僕はその照れの中に男性の気配りを知って微笑まれている女性を見て
奇跡がまた一つ生まれたと思った。

何ともいい光景であった。

若木 ■大阪 江戸堀■

2005-02-10 | お気に入りのお店
「私、蕎麦大好き」と言うあなた、必見である。このお店は開店して3年
の名店。ご主人のOさんは2代目で老舗の蕎麦屋で修行された腕利きの方で
ある。お人柄も非常によく蕎麦にも現れている。実に美味しく、よく
寄せていただく。

僕の基準ではあるが店内に入った瞬間の格がとても心地よい。
麺といいお出汁といい、スタッフの方々、雰囲気すべて素晴らしい。

僕のお気に入りは、かけともり。シンプルではあるが真剣さが
伝わる絶品。Oさんのうつ蕎麦は優しさを感じる。

よく料理は作る職人の性格が出ると言われるがこちらの蕎麦屋の一杯も
店主の思い入れが伝わり蕎麦好きの僕にはたまらない。

別館でおきること

2005-02-09 | バーでのお話
当店は別館がある。現在は開かずの間になっているのだが、月に一度だけ
明かりが灯る。各業界の様々な方が集まり、毎回お一人ゲストスピーカー
を呼び会合を開かれる。この会は歴史もある。

どんな方が来られてるかというと、アナウンサーの方やマスコミ関係の
方建築家やデザイナー、広告代理店の方など様々。

会合自体は3時間。お酒を飲み料理を楽しみながら講師の方の話を聞き
質疑応答、メンバーの方もそれぞれ近況報告などなど。

僕はこの会を担当しているのだが、実にレベルが高く、恥ずかしながら
ついていけない時もある。

やはり今、世の中の第一線でお仕事されている方々は非常に知的で
知識人であり教養もある。

普段の営業のときも、色々な方に勉強させて頂いているが僕もまだまだ
新参者である。


 知識があっても知性がなければいけないし
 教育を受けていても教養がなければ意味がない


と、つくづく思う。

紳士の会話

2005-02-05 | バーでのお話
当店では、なじみさん同士仲良くなられることがよくある。特に
年配の方に多く見られる光景なのだが、なじみさん同士の挨拶が実に
面白い。

「久しぶり!」
「おっ、久しぶりやなぁ~生きとったか!ちゃんと地面に足がついとるや
 ないか」

別の方もあまりのリアルさに大笑い。別れの時も

「じゃ、お先!」
「あんたも年やから道でひっくりかえって救急車に運ばれたらあかんで」
「その言葉、そっくりそのまま返すわ!」

などなど、年配の方には恐れ参る。

挨拶ではないが年配の方の間でよく耳にすることがある。

「あぁ~、足が腫れた」(痛風である)
「ついにあんたもきたか」

痛風とは、ある日突然、足の親指などが腫れ上がり激しい痛みを
もたらす高尿酸血症である。尿酸値が高い状態を放置すると腎障害など
多くの合併症を引き起こしてしまう。欧米型の食生活の浸透、運動不足
など生活習慣の変化が原因である。

お酒を売っている僕が言うのは説得力に欠けるが、くれぐれも
飲みすぎには注意してほしいものでいる。