NO FOOTBALL NO LIFE

国内、ヨーロッパ、南米のサッカー観戦ブログ! Jリーグ、3大リーグを中心に全世界を完全網羅!(予定)
随時更新!

「4-1-4-1」の限界

2006-11-20 | アーセナル

アーセナル 1-1 ニューカッスル

得点)アンリ / ダイアー

HOME)アーセナル

                    アデバイヨール

           ファン・ペルシー
                                   フレブ
                バチスタ
                             セスク

                      フラミニ

        クリシー                         エブーエ
                 ギャラス     トゥーレ


                      レーマン


交代)ファン・ペルシー → アンリ
        バチスタ → ウォルコット


AWAY)ニューカッスル

                    マルティンス


           ダフ                    ソラーノ
                     ダイアー

                 バット       パーカー

       ラメージ                         S・テイラー
                ブランブル    C・ムーア


                      ギブン


主審)マーティン・アトキンソン


<シュート数「23」、被シュート数「2」で引き分け>
ヴェンゲルに対する怒りの気持ち、選手達の学習能力の無さを情けなく思う気持ちでいっぱいの90分だった。


        試合開始から一方的に攻めながら、前半に失点。
                     ↓
           前半はその後も攻め続けるも、無得点。
                     ↓
              後半終盤に、なんとか追い付く。
                     ↓
        しかし、その後も圧倒的に攻め込みながら逆転できず、
        勝ち点を2つ落とす。



これは、開幕のアストンビラ戦、ミドルズブラ戦、エバートン戦に続く全く同じ試合展開だった。
今季はマンチェスター・ユナイテッドとリバプールに勝利したアーセナルだが、「守備陣崩壊」のミドルズブラとニューカッスルにセットプレーから1点しか奪えずに引き分け、「ノーゴール続き」だったマンチェスター・シティとウェストハムに失点を喫して敗れるなど、下位に低迷する相手に勝てないでいる。

同じ時刻にホームでウェストハムと戦ったチェルシーは、前半に先制して90分間を無失点に抑えて逃げ切った。
また、同じ時刻にアウェイでシェフィールド・ユナイテッドと戦ったマンチェスター・ユナイテッドは、この日のアーセナルと全く同じ試合展開で前半に先制されてしまったが、彼らは前半のうちに追い付き、後半に逆転した。

この違いが、両チームとの勝ち点差を今後も開かせそうだ。


失点シーンはエブーエとクリシーのミスだった。 クリシーが空中での競り合いで負けたところから始まり、カバーに入ったエブーエのダイアーへの寄せの甘さを衝かれた。あのシーン、エブーエは「マーカー」ではなく「傍観者」でしかなかった。

前半ロスタイムにファン・ペルシーが負傷して、後半開始からアンリがピッチに入ったが、システムは一向に成果を見せない「4-1-4-1」のまま。 それも、アデバイヨールを左サイドに置くという理解し難いものだった。


アーセナルの調子が上がらない要因の1つとして、この「4-1-4-1」システムの「多用」に伴うアンリの不調が挙げられる。
今回の試合前の記者会見で、ヴェンゲルは、
「4-4-2だと、中盤の守備が少し弱くなる。」
と語り、テクニカルなプレーヤーを中盤に5人置く「4-1-4-1」の優位性について自らの見解を示した。
しかし、現在のアーセナルの最大の問題点は「点が取れないこと」であるのは明白であるのに、ホームで、何故、自陣に引きこもって守備を固める相手に「リアクション・サッカー」でしかない「4-1-4-1」を敷くのか? それに、このシステムでも失点を重ねている状況だ。だが、彼はそれを変えようとしない。

このシステムが有効となるのは、昨季のCL・レアル戦や今季のユナイテッド戦といった、「強豪とアウェイで対戦する時」のみだろう。
攻めてくる相手に対する「リアクション」としては効果的だが、こちらから「アクション」を仕掛けなければならない相手には不都合なシステムだ。

 

そして、このシステムの「被害者」となっているのがアンリだ。 アンリはリバプール戦後のインタビューで、

「今は(これまでと自分の役割が)違うね。 以前に『4-4-2』でプレーしていた時は違う役割があった。 今は待つ事、ボールをキープする事を覚えないといけないね。

「リバプール戦の最初のゴールを見ると、あのゴールは『アーセナル的』じゃなかった。
ロングボールから始まって僕が競り勝ち、その後セスクが競り勝ち、サイドの選手に開いて、ゴールだ。 通常、ああいうのはアーセナルでは見られないね。

(現在の役割は)難しいよ。 前に2人、後ろに2人のDFに囲まれてるんだからね。いつもなら他の選手が後ろから出てきてくれるから、かわす事ができるんだけど。
ベルカンプやカヌー(現ポーツマス)とプレーする時は、彼らがボールを収めてくれた。クラウチのような選手とやっても同じだね。 ボールが出てくるのを待てばいい。でもキャプテンとしては『個性』を見せないといけないんだ。」

「それがいつも自分に言い聞かせている事だよ。 チームのために何かをやらなきゃいけないんだ。
チームがそういう風にプレーをするなら、ポゼッションを失わないとか、試合に入ってボールをキープするって事ができないといけない。
そういうのは本当は僕のやり方じゃないけど、(リバプール戦では)どんな状況でも適応できるという事を見せられたね。」


と、現在の役割について思わず「本音」を吐露してしまった。


アンリ投入後も全く効果が見られず、チャンスすら作り出せなくなっていたが、バチスタに代わってウォルコットが入り、ようやく「答え」が出た。
システムが「4-4-2」に変更され、アンリが得意の左サイドでボールを受け、アデバイヨールが中央にポジションを移すようになると、流れが劇的に変わったのだ。
そして、アンリの突破からファウルをもらい、このFKをアンリが直接決めた。

やはり、アンリは「4-4-2」でこそ良さが生きる。
同点後は全体的に攻め疲れが出て、運動量が落ちてしまったが、もしヴェンゲルが後半開始の時点から「4-4-2」を選択して、「動ける時」にこのシステムで戦っていたら、結果は別のものになったと思う。

ヴェンゲルは「名伯楽」であるが、「名将」ではない。
その思いをさらに強くしてしまった。


ニューカッスルで目立ったのはマルティンス。 高いテクニックと強いフィジカル、爆発的なスピードで前線でボールをキープして守備陣を助けた。 インテルでアドリアーノやビエリら世界的ストライカーと組んでいた時とは違う「別の役割」を、彼もまた果たしているようだ。

そして、この試合のMVPはギブンだった。
これまでのニューカッスル不調の原因は、ギブンの離脱にあったと思う。 控えのハーパーも決して悪いGKではないが、ギブンとは存在感が違う。 ここ数シーズンのニューカッスルの戦いぶりを見ても、「6、7失点」してもおかしくない試合を「1、2失点」に抑えてきたのは、ギブン唯一人の功績だった。 今回の試合も、それに当てはまる。
ギブンが復帰する聞いて、試合前から嫌な予感していたが、その予感が見事に的中してしまった。


 

Arsenal Team Name Newcastle United
  1 Goals 1
  7 Shots on target ( Inc Goals ) 1
  12 Shots off Target (inc woodwork) 1
  4 Blocked Shots 0
  11 Corners Won 1
  11 Total Fouls Conceded 10
  4 Offsides 0
  2 Yellow Cards 5
  0 Red Cards 0
 57% Possession 43%

 

 

ランキングダウンでモチべーション低下中…
最後まで読んで頂けた方は是非クリックをお願いします!!!
人気blogランキングへ
最新のサッカーブログランキングはこちらをクリック!!!
(登録中!!! モチベーション維持のためご協力お願いします!!!)

は、こちらへ!!!



最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (salp)
2006-11-20 10:26:07
システムの限界はもう明らかなのにベンゲルがこだわるのは昨シーズンのCLでの成功があるからなのはほぼ間違いない.アンリはベルカンプなどの前線でタメが作れる選手と組ませることで最大限に活きる.それは過去のゴール数が物語っているはず.それでもシステムを理由に逃げるのはやめて欲しい.超一流の選手なのだから・・・.CL とプレミアではアーセナルの置かれる立場は全く違う.もう少しそのことも考えて挑んでもらいたい.
返信する
戦術とは相手に合わせるもの (CSKA352)
2006-11-20 16:26:17
4-1-4-1はゾーンマークしやすいので、
守勢に回ることが必至になるとき(例えばノックアウト方式になってからとか)や逃げ切るときに使うべきですね。
両方できるので使い分けられればいいのですが・・・ヴェンゲルは選手の長所を引き出すのが持ち味なはずなので、攻撃的にいってもらいたいです。
返信する
Unknown (ロビン)
2006-11-20 16:30:02
こんにちは、ブログの文中に、ファンペルシーが負傷によりアンリと交代したとのことですが、怪我の具合はどうなんですか。大丈夫ですよね!?去年もスタメン確保し始めたときに怪我しちゃって、アデバヨールにスタメンとられちゃった感じになったような気がしますが……
返信する
Unknown (ピレス)
2006-11-21 01:39:02
>>salpさん
昨シーズンのCLでの成功と現在の置かれてる状況の違いがわかってないみたいです。
「4-4-2」ならずっと「4-4-2」。「4-5-1」ならずっと「4-5-1」ですから。

システムを言い訳にするのは特に間違ってないと思います。 きっと、メッシーに1トップやらしてもうまくいかないと思いますし、それと同じことで、あのポジションの選手じゃないんですよ彼は。
アーセナルの「最大の得点源」である彼に窮屈なポジションを強いているヴェンゲルに問題があります。


>>CSKA352さん
おっしゃる通りです。
彼はジーコと同じで「使い分け」ができないんですよね~。 試合中にシステム変更ってのもほとんどありませんから。。。


>>ロビンさん
怪我の具合は思ったより深刻じゃないらしいですよ。CLハンブルグ戦には出れるみたいです。
http://www.arsenal.com/article.asp?thisNav=News&article=430090&lid=NewsHeadline&Title=Gallas+out+for+%27a+few+weeks%27+after+suffering+thigh+injury
ギャラスの怪我は痛い…
返信する
安心しましたが…… (ロビン)
2006-11-21 12:25:12
次のCLは大事な大事なハンブルグ戦ですね。全敗しているチームだけに危険ですね。ギャラスはかなりいたいですねぇ。言い方悪いですが、ほんとDFラインどこでもこなせる便利でいい選手ですからね
返信する
>>ロビンさん (ピレス)
2006-11-22 18:56:43
ホントに危険でした(笑)
まぁ、勝って良かったです。 ロビンも怪我の影響はあんまりなさそうでしたね~。
返信する
Unknown (TOTAL)
2006-11-23 00:53:13
やはりあと一人DFに兵が欲しいとこです。



アンリは左サイドでドリして…というパターンが激減しましたね。それこそ得点量産の根源だったはずです。適性サイドで使われてないから彼のスピードが何も役に立てられずにいる気が。



ピレスとロシツキの違いといえばピレスの方が中に切れ込んでのプレーが多かったことでしょうか、彼が抜けた分左のロシツキはあまり機能\してない気がします。そこで1.5列STにロシツキを起用…なんて試して欲しいです。ペルジはウイング気味の右ハーフだとかいかがでしょう。アーセナルが3トップなんてウイイレでも未体験ですが(笑)
返信する
>>TOTALさん (ピレス)
2006-11-23 21:38:36
中央で相手DF2人を背にしてるんで、全くスピードを生かせません。 強豪のように攻めてくるチームならスペースもあるんですけどね。

ロシツキーはピレスより運動量も多いしドリブルのキレもありますし、守備もうまいんですけど、アンリとのコンビネーションや決定力という面ではかなり見劣りしますね。
ペルシーはサイドで使うなら、絶対に右サイドです。左サイドでは機能しません。
返信する