ウェザーコック風見鶏(VOICE FROM KOBE)

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「ピラミッドは永遠ならず」 =日経5月13日記事から=

2007-05-14 08:44:25 | 企業戦略
 日本経済新聞5月13日付「成長を考える」第6部「格差論を超えて(3)」の記事のタイトルが、「ピラミッドは永遠ならず」 である。

 内容は、「1994年からの10年間で、従業員数20人以下の小規模事業所数は半減、中小企業の苦境を示すデータは枚挙にいとまがない」との書き出しで始まっている。
 東京・多摩でレーザー溶接加工を営む東成エレクトロビームの上野保社長は経営者仲間から深刻な相談を持ちかけられることが多く、その中で、「遅れてきた淘汰が進んでいる今は、むしろ健全だ。格差が広がるというよりも、強くなれば生き残れる」と感じ、そのことを記者に対して発言しているとのこと。
 苦境に陥っている小規模事業所の側から見ると「酷な理解の仕方・見方」になるかもしれない。
 しかし、記事の中で紹介されているように、北九州市で果敢に新たな挑戦を開始し、成功しつつある大喜工業(ネジ)、東京八王子市の住宅街にあり、電子ビームによる微細加工技術を持つエリオにクス本社には世界から専門家が訪れるとのこと。
 このことは、苦境を乗り越えるために何ができるかを前向きに考え、それに対する取り組みを開始し、先の見通しを持ちつつある小規模事業所が出てきていることを示す。
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 以前に、NASAに光学レンズを提供している、従業員数41人の東京の中小企業中村義一会長が先頭に立つ三鷹光器が、トーク番組、日経スペシャルカンブリア宮殿で取り上げられていた。このブログでも、3月30日に「NASAが認めた41人の技術や集団」のタイトルで取り上げているので、ご参照頂きたい。
 いわゆるオンリーワン企業を目指し、それを実現している中小企業で、世界から注目され、大企業を押しのけてNASAの信頼を受けるまでにグレードアップしてきた企業である。
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 このような状況を踏まえるとき、上野保氏が指摘するように、ピラミッドの下部構造を構成するメンバーから離脱し、世界を相手にオンリーワン企業を目指すことが求められる時代状況になってきたといえる。
 その意味で、小規模事業所も奮起して頑張ってもらいたいものだと感じる。
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