恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

2009年06月18日 | 国会・政党・選挙
■ 「悲しいニュース」を止められなかった「対策」

 悲しいニュースが後を絶ちません。
 広島市で生活保護を受けていた41歳の男性が、自宅のマンションで3人の子どもたちと心中したという記事が、先日の新聞にありました。一緒に亡くなった子どもたちは、まだ保育園児でした。
 同じ年代の子どもたちを持つ一人の親として、胸が痛んでなりません。

 この家族は、既に「定額給付金」は受給できたはずです。
 また「子育て応援特別手当」も受給できたはずです。
 恐らく、合計で14万4千円の「臨時収入」を受け取ったことでしょう。
 しかし、「定額給付金」や「子育て応援特別手当」のような、たった一度だけの「対策」では、この家族は明日に命をつなぐだけの希望を見出すことができなかったのです。

■ 「生活対策」を先送り、「景気対策」から「無駄遣い」へ

 思えば、麻生首相は昨年秋の「世界同時不況」を受けて一度は、「生活対策」を掲げようとしましたが、すぐに「生活対策より景気対策」と言い換えました。さらに、直ちに手を打つべきだった「対策」を、昨年の臨時国会から今国会に「先送り」しました。
 以後、本予算・補正予算とも、「生活対策」は一度限り、あるいは1~3年程度の時限措置という「その場しのぎ」で、大企業や特定産業にばかり奉仕する中身となっています。
 いま関連法案が審議されている今年度の補正予算案も、悪名高い「アニメの殿堂」は言うに及ばす、突然予算を付けられた省庁が使い道に困って、保有する車を買い換えたり、高額のテレビを買い換えたり、省庁の施設の修繕を行うことにしたりと、「無駄遣い」に走る有様です。
 そのようなお金があるのならば…

■ 「社会保障」のさらなる「切り下げ」

 「失われた命」を元に戻すことはできません。あの家族もそうです。
 だからこそ、そこから何かを学び取り、その教訓を次に活かす努力を行うことは、残された者の使命だと思います。
 いま必要なのは「生活対策」です。
 もっと言えば、これまで政府が、人為的・構造的に作り出してきた「貧困」をなくすための、生活の「底上げ」です。
 「所得再分配」の機能強化を図り、その財源を元に、生活保護だけでなく医療・介護・年金などの社会保障制度を拡充して格差是正を図ることこそ、政治の使命です。
 しかし、あの家族の亡骸が発見された日、政府は来年度予算編成の指針となる「骨太の方針2009」の原案を決定しました。
 そこには、社会保障費の増加を毎年2200億円抑制する方針の継続が、盛り込まれていました。
 自然増の抑制ですから、さらに制度を切り下げなければ、このような抑制を続けることはできません。
 あの家族も、こうした社会保障制度の改悪という「政治災害」の被害者だったのかもしれません。

■ 「総選挙」最大の争点は「命」

 さて、翌17日、国会では党首討論が開かれ、民主党の鳩山代表が「人の命を大事にする」と訴えました。
 さらに18日には、以前から「命を大切にする政治」を掲げてきた社民党が、その民主党と総選挙後の連立協議に入る方針を決めました。
 自民党との違いが見出せず、ふらついてきた民主党が「命」を語るだけでは、心もとない「抽象論」かもしれません。
 しかし、もし社民党との協議が実れば、そこに平和・暮らし・命を重視する「社会民主主義」という「背骨」が通ります。
 次の総選挙は、あまりにも人命を軽んじてきた自民党政治を終わらせ、本当に国民一人一人の命を大切にする政治へと転換する好機なのかもしれません。
 この選挙の最大の争点は、「命」なのではないかと思います。
 それこそ、野党の皆さんには「命がけ」で臨んで頂きたいと思います。


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