ベート-ベンのピアノソナタ「悲愴」 第3楽章

2015-01-18 11:43:32 | 音楽の思い出

ベートーベンについて書きたいと思います。

彼の音楽には、常に暗鬱な音が漂い、

自身の人生がその音に投影されていると

強く感じています。

軽快に創ったつもりでも、陰が

つきまといます。

ショパンの優雅さや、モーツァルトの

愉快さみたいな音感は、少し感じる

こともありますが、ベースには、

悲観が表現されているように

思えてならないのです。

例えば、ピアノソナタの8番「悲愴」

ですが、第3楽章は、軽快なテンポで

構成されています。

しかし、・・・・・暗さは残ります。

なぜなのでしょうか?

あくまでも私の推測なのですが、

1つは、耳が不自由だったことが

あるのかもしれません。

音楽を創るのに、苦悩していた!?

芸術者として自分が創った音楽が、

イメージした通りに音で表出されて

いるか確認できなかった苦悩とでも

いったらいいのでしょうか?

これがあるような気がします。

想像するに、この状況は、実に

本人にとって苦しいものだったと感じます。

それと、音を遮断された人間が

音を創るという、1つの矛盾。

これと闘うことは、身体や心に

想像を絶するダメージを与えたに

違い有りません。

実は、ウィーン在住の方に聞いた

ことがあるのですが、彼は、

引っ越し魔だったそうです。

ウィーン市内で、何十回と居を

変更したとか・・・。

それくらい環境を替えなけれなければ、

押しつぶされそうになるストレスから

逃れられなかったのかもしれません。

悲愴の第3楽章を

聴きながら、こんな彼の運命を

考えてしまいました。

人それぞれの人生と苦悩を

垣間見させてくれる音楽です。

それだけに音に深さと強さが、

にじみ出ていると思います。

ハンディを負った人が持つ

表現していこうとするパワーは、

底知れないと思います。

ベートーベンは、そんな作曲家、

芸術家なのでは?と感じました。

 


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