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メドベージェフ露大統領、選挙への思いを語る  Apparent Indecision

2011-06-21 | 中国・ロシア・インド・ブラジル動向
2011/06/21

来年初頭のロシア大統領選挙を9カ月後に控えてメドベージェフ大統領が、Financial Timesのインタビューに応じて、そのものを決めきれない(apparent indecision) 複雑な心境を語った。(本日の同紙のHPにはそのインタビューの模様がVideoで視聴できる。)

もともとプーチン現首相、前大統領の懐刀として、プーチンに引き上げられる形で政界を驀進して出世街道を駆け抜けてきたメドベージェフ現大統領であるので、この時点で自らの本心を吐露できるわけもない。

いわく、「プーチンは私の同僚であるとともに古くからの盟友。政治的な立場も近い。二人が競うことを想像するのは難しい」。しかし「政治的競争がなければ、市場経済の基礎が消滅する」とこれは全くの意味不明発言。

しかし別のところでは、「2期目には、経済・社会・政治制度の近代化に全力を挙げたい」と再選意欲を見せながらも、いわく「再選決定は本人の希望だけでは決まらない」とこれまた苦しい表現。

唯一明確なメッセージとして出てきたのは、“He and Mr Putin would not run against each other and an answer on candidacy will come before long, ”である。(二人が同時出馬して競うことはない。いずれが立つかは早晩決まる)ということである。隙間風が吹いているともいわれる二人であるが、「袂を分かつということまでは行かない」というのが、世界に宛てて出したシグナルである。

元気な会長が、若い部下を会長に仕立てて置いて、自らはあえて社長に就任して、天下を牛耳っているという構図であり、若い会長が悶々と日々を送っている様子が手に取るように分かるインタビューである。



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