福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

ゆうだい君への手紙(てがみ): よいこのみなさんもぜひ読(よ)んでください。

2011-06-06 01:45:51 | 新聞
ゆうだい君、すごいな。おとうさんが東大卒(とうだいそつ)だってのはみんなしってたけど、東電(とうでん)っていうのはみんなしらなかったよ。ゆきなちゃんも、さすが東大(とうだい)ねって、とうでんってかんたんにはいれないのよって言ってたよ。ゆうだい君、いつもだけど、作文(さくぶん)うまいな。5年(ねん)のとき、「未来(みらい)の地球(ちきゅう)のために私(わたし)たちにできること」という作文(さくぶん)コンクールでも、君(きみ)が学校(がっこう)で一番(いちばん)だった。ぼくはほんと言うとおかあさんに書(か)いてもらって、アレバ環境大賞(かんきょうたいしょう)がもらえて新聞社(しんぶんしゃ)の人(ひと)が取材(しゅざい)に来(き)たらきちんと答(こたえ)えられるように、おかあさんと練習(れんしゅう)もしていたけど、ぜんぜんダメだった。ゆうだい君は成績(せいせき)もいいし、東大現役(とうだいげんえき)まちがいなしって、塾(じゅく)の山下先生(やましたせんせい)や高村先生(たかむらせんせい)も言ってた。文一(ぶんいち)かな、やっぱ。それからはおとうさんみたいに東電(とうでん)でもいいし、経産省(けいさんしょう)とか文科省(もんかしょう)とかもいけるだろうな。今(いま)から10年(ねん)くらいたって、福島(ふくしま)やそのへんの人(ひと)たちが、補償(ほしょう)とかで裁判(さいばん)とかになっても、ゆうだい君ならだいじょうぶ。みなさんにも責任(せきにん)がある、とか、被害(ひがい)は国(くに)や東電(とうでん)の責任(せきにん)ではなく、大(おお)きな地震(じしん)と津波(つなみ)のせい、とか言えば、お金(かね)をださなくてすむよ、きっと。あっ、ごめん、お金(かね)とかそういうこと言うのゆうだい君きらいだったね。みんなではなしあって、みんなが助(たす)けあってゆくようにしなくちゃね。ゆうだい君は、理科(りか)も算数(さんすう)ももちろんとくいだから、医学部(いがくぶ)もありかもってうちのおかあさんなんか言ってるよ。そしたら、福島(ふくしま)のデータとか使(つか)ってすごい研究(けんきゅう)とかできるだろうな。ノーベル賞(しょう)とかも、ゆうだい君だったらきっとねらえるよ。ぼくは勉強(べんきょう)だめだから、いつもおかあさんにしかられてる。ときどき、泣(な)いちゃってるときなんかに、おとうさんが、そこまで言わなくても、とかおかあさんに言ってくれるけど、おかあさんは、あなたみたいな安(やす)サラリーマンにしたくないからだ、とか答(こた)えて、それでおとうさんが、お前(まえ)みたいな三流女子大出(さんりゅうじょしだいで)に言われたくない、とか言うとおかあさんもきれてしまってけんかになってしまいます。ゆうだい君のおかあさんは、慶応(けいおう)だからやっぱりちがう、ってゆきなちゃんのおかあさんも言ってた。こんどの毎小(まいしょう)の投書(とうしょ)だって、あれだけ話題(わだい)になったら、有名私立中学(ゆうめいしりつちゅうがく)の面接(めんせつ)のときもそうとうきくわよ、さすがねって、うちのおかあさんもゆうだい君のおかあさんのことほめてた。万(まん)が一(いち)、東大(とうだい)がだめでも、早慶(そうけい)くらいはやるでしょうから、わるくても新聞社(しんぶんしゃ)くらいはとるわねって。ぼくは、放射能(ほうしゃのう)がこわいと思(おも)うけど、原発(げんぱつ)のこととかよくわからない。このあいだも帰(かえ)りの会(かい)で、ゆきなちゃんが「そうじの時間(じかん)に、ホアンインゼンインアホ、とか言ってふざけている男子(だんし)がいます。福島(ふくしま)で命(いにち)がけで私(わたし)たちのために原発(げんぱつ)を守(まも)ってくれている人(ひと)がいるのに、いけないことだとおもいます」といって、ぼくとマサジ君(実名(じつめい))のことを告げ口(つげぐち)したので、あとでぼくたちは校長室(こうちょうしつ)で、重松校長先生(しげまつこうちょうせんせい)にしかられました。「祖国(そこく)が存亡(そんぼう)の危機(きき)にあるときに、国(くに)の指揮官(しきかん)たる方々(かたがた)に対(たいして)してなんたることだ、情(なさ)けない。先(さき)の大戦(たいせん)のときには、貴様(きさま)ら、いや、もとい、君(きみ)たちの年(とし)ごろにはお国(くに)のために死(し)ぬ覚悟(かくご)がりっぱにできていたものだ。かしこくも・・・いや、そうじゃなくて、だから、ここまで育(そだ)ててくれた父母(ふぼ)への恩(おん)を知(し)り、祖国(そこく)への責任(せきにん)を立派(りっぱ)に果(は)たしてもらいたい。放射能(ほうしゃのう)がなんだ。心頭滅却(しんとうめっきゃく)すれば火(ひ)もまた涼(すず)し。病(やまい)は気(き)からだ。ものを粗末(そまつ)にし、感謝(かんしゃ)の気持(きもち)ちを忘(わす)れた挙句(あげく)、手(て)のひらを反(かえ)してお世話(せわ)になった原発(げんぱつ)や原発(げんぱつ)を建(た)ててくださった方(かた)たちをけなす。まったくこれほど戦後民主主義教育(せんごみんしゅしゅぎきょういく)の堕落(だらく)と退廃(たいはい)をしめすものがあろうか。」ゆうだい君は、原発(げんぱつ)についてみんなで話(はな)し合(あ)おうと言っているけど、ぼくはしょうじき気(き)がすすみません。ゆうだい君なら、いつだって重松校長先生(しげまつこうちょうせんせい)にほめてもらえること言えるだろうけど、ぼくは、毎小(まいしょう)も読(よ)まないし、NHKもサッカーいがいはみないし、なにを言ってもきっとしかられるだけだと思(おも)う。ぼくの責任(せきにん)がなんだか、ぜんぜんわからないけど、でも東京(とうきょう)に放射能(ほうしゃのう)が来(く)れば、ぼくもきっと死(し)ぬと思(おも)う。マサジ君はぜったいやだって言ってるけど。

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よい子(こ)リンク:
毎日小学生新聞(架空)特集:『子(こ)どもの見(み)た原発震災(げんぱつしんさい)の1年(ねん)』
毎日新聞が武装させた原発文化大革命の紅衛兵「ゆうだい君」:原発推進の反撃攻勢がはじまった!





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