其の瞬間、立ち眩みを起こしたのかと思った。地面があんなにも大揺れするなんて、思ってもいなかったから。しかし直ぐに、自分が大地震に見舞われているのを理解した。周りを見渡して落下物等の危険が無さそうなのを確認し、しゃがみ込むのが精一杯。此れ迄に経験して来た地震とは規模が明らかに異なる、半端無い大きな横揺れが1分以上続いただろうか。「『生きた心地がしない。』というのは、正に彼の瞬間を言うんだろうなあ。」と振り返れたのは、其れから数時間後の夕闇迫った頃の事。
昨日、「東北地方太平洋沖地震」が発生。最初の大揺れは15時前だったが、其の時自分は外出先から移動の車に戻る途中だった。歩道で冒頭の如く「立ち眩みかな?」と当初思ってしまったのは、「まさか“今”、大地震に見舞われる事は無いだろう。」という無根拠な思いが自分に在ったからだろう。「阪神・淡路大震災」や先日の「カンタベリー地震」で地震の恐ろしさを痛感させられ、「他人事では無い、備えを万全にしなければいけない天災で在る。」と胸に刻み込んでいたのに、心の何処かに「大地震に見舞われるとしても、先の話ではないだろうか。」という気の緩みが在ったのかもしれない。
地震発生時に在宅していた家人によると、築ウン十年で耐震補強を施していない我が襤褸屋は、ミシミシミシと物凄いきしみ軋みを発して、経験した事の無い大きな横揺れをしたそうだ。「遂に大地震が発生したか。此処で自分は、死ぬ事になるのかなあ。」と、家人は其の時思ったと。「揺れが小さくなった時に窓を開けて外に出た際、15時前とは思えない程『シーン。』と静まり返った街中で、『ピーピーピー。』と高音の警戒音だけが鳴り響いていたのが印象に残っている。」と語っていた。
幸いな事に我が家は大きなダメージを受ける事は無く、停電被害も無かったのだが、近所では真夜中になっても停電状態が続いている一帯が在り、「信号も付いていない真っ暗闇は、嘸や不安な事だろう。」と同情の思いで一杯になる。
其れ以上に遣り切れないのは、今回の連続した大地震で多くの犠牲者が出そうという事。宮城県沖で発生した最初の地震はマグニチュード8.8を記録し、此れは明治以降に我が国を襲った地震の中では最大規模。「阪神・淡路大震災」という未曾有の大震災よりも約180倍ものエネルギーが噴出したという説も在るのだから、犠牲者数も相当に上る可能性が。津波に飲まれて亡くなった方も少なくなさそうで、本当に遣り切れない。
「政権維持」や「特定の人物のプロテクト」だけに汲々としている様な与党。そして「○○大臣を答弁で、コテンパンに遣っ付けました!」と自慢したり、何とかの一つ覚えの様に「問責決議案の提出だ!」とか「解散せよ!」と騒いでいるだけの様な野党。何方も頭の中は「自分達の利益だけで、国民の事なんぞ全く考えていない。」という点では、同じ穴の狢としか見えない。今回の大地震発生で我が国は更なる痛手を負った訳で、幼稚極まり無い足の引っ張り合いは直ちに止めて、与野党一丸となって被害者の救済に当たって貰いたい。又、家屋を失った者達には、在り余った資金で「箱物」をバンバン作っている宗教団体が、其の多くの施設を使わせるべきで在る。
犠牲者の数が少しでも少ない事を、そして多くの人が善意の心で被害者の救済に立ち上がる事を心より望む。微力乍ら自分も、寄付という形で協力出来たらと思っている。愛する我が国の為に、愛する同胞の為に、皆で苦難を乗り越えて行こう!!!
信号待ちのとき、政党の名前を書いた自動車から「自民党の市会議員の○○です。このたびの地震被害に対し、政党主導の義援金の活動が始まりましたら、それが自民党でも、共産党でも、どこでもかまいません、ぜひご協力ください。自民党の市会議員の○○です・・・」とマイクで呼びかけていました。さて、これは自民党の宣伝か、それとも額面どおりの善意のこうどうなのか。
それにしても、福島第1原発の爆発事故、気になります。
地震に備えて食糧の備蓄はしていたものの、「もう少し買い足しておいた方が良いかな。」と思い、今日の午前中に近所のスーパーに足を運びました。しかしパン類やカップ麺の類いはSOLD OUT状態。冷凍食品も僅かしかなく、空になった棚が目立つ事。念の為、他のスーパーやコンビニにも行ったのですが、同様の状態でした。
で、自動車のガソリンが8分程入っている状態でしたが、「念の為、満タンにしておいた方が良いだろう。」と思ってガソリンスタンドに足を運ぶと、店員からは「給油する方が殺到し、申し訳在りませんがガソリンが在りません。」との答えが。3軒回って何とか満タンに出来ましたが、「大地震発生で不安を増す人々」が如何に多いかを痛感した次第。
地震から一夜明け、犠牲者の数が増え続けています。原発事故の件も不安を増させるし、本当に被害が最小限に済んで欲しいもの。
件の議員、完全な善意からのアナウンスかもしれませんが、「所属政党名」を口にする所が何かガッカリです。「所属政党名を言わなければ、聞いている方も信用しないし、しっかりも聞いて貰えない。」という理由が在るのかもしれないけれど・・・。
後出しジャンケンで、都知事選の出馬を決めた石原慎太郎氏。出馬会見を取り止めて地震会見に切り替えたものの、「(今回の地震は)国家の衰運を象徴する様な出来事。」と口にしたとか。「極左」や「極右」といった極めて偏った思想の人の“多く”(全部では在りません。)に自分がシンパシーを全く覚えない(寧ろ嫌悪感を抱く。)のは、此の様に「何でもかんでも自身の嫌う対象に、無理無理に結び付けて発言する。」という点。地震で多くの被害者が出ている惨状を前に、“わざわざ”そういう事を言う必要が在るのでしょうか?思想面のみならず、人としてどうしても好きになれない人物です。