ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「うわさの姫子」

2007年08月22日 | 書籍関連
「あの漫画、大好きだったんだよなあ。」インターネットでLIVE配信を行っているtaca.氏が、或る漫画に付いて口にした言葉。恐らく彼とは同世代の自分も、その漫画が大好きだった。しかし彼の”カミングアウト”を耳にしなければ、此処でこの漫画の事を記事にする事はなかっただろう。その漫画、「うわさの姫子」はジャンルで言えば少女漫画に当該し、それが好きだったと書くには正直気恥ずかしさも在ったからだ。

そもそも「少女漫画」というジャンルが市民権を得て来たのは、自分等が幼少期の頃からだったのではないか。「少年漫画」と「少女漫画」、そして「大人向け漫画」という”垣根”が厳然と存在し、当該しない者がそのジャンルの漫画を読む事は、当時かなり”勇気”が必要だった。だから「少女漫画」と呼ばれる類の作品を当時の男子が公然と読んだり、話題にしたりする事は先ず無かったと言って良いだろう。自分の場合は女の兄弟が居り、彼女が「りぼん」やら「なかよし」といった少女漫画雑誌を講読していたので、テーブルの上に置きっ放しになっていたそれ等の雑誌を何時の頃からか読む様になった。読んでいた期間はそれ程長くは無かったものの、好きだった作品は幾つか在る。特に好きだった少女漫画は以下の8つだ。

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① 「うわさの姫子」(藤原栄子さん)

ジャンルとしては「少女漫画」に当該するのだろうが、当時の男子でもこの作品は”例外的に”広く読まれていたのかもしれない。と言うのも、この作品が連載されていたのは小学館の学習雑誌所謂「小学○年生」だったからだ。Wikipediaの情報を読むと、この作品が連載開始となったのは1974年の「小学五年生」4月号からとなっている。自分はこの時点で小学五年生に到っていないので、それ以降に連載されていたのを読んだのだろう。(最初のタイトル「飛び出せ!姫子」から「それいけ姫子」に変わったものの、それ以降は「うわさの姫子」に統一されたとか。taca.氏は「それいけ姫子」というタイトルで記憶していた様だが、自分は何故かこれ等のタイトル全てを記憶していたりする。

「スポーツ万能で明るい少女・梅宮姫子が『頭脳明晰なイケメンなのだけれども、心臓に重大な欠陥を抱え病弱な学級委員長・柴浦進』に当初は惹かれるものの、やがて『イケメンだが、クラスのガキ大将の岡真樹』に心を奪われて行く様になる。」という、昔のドラマや漫画では良く在るストーリー・パターン。フランス人と日本人の両親を持つイケメン教師のピエール・志賀、頑固で融通性の無い教頭先生(十朱久雄氏にソックリ!)、意地悪な御嬢様・笠井美奈等、魅力在るキャラクターが配されていた。*1好きな相手に対してなかなか素直になれず、恋に悩む彼等の姿を見て、当時ほぼ同じ年頃だった自分は感情移入していた様に思う。


② 「ベルサイユのばら」(池田理代子さん)

フランス革命前から革命前期を舞台に、近衛将校で在る男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネット等の人生を描いた歴史巨編。歴史が大好きなので、その意味でも夢中になって読み耽ったもの。


③ 「キャンディ・キャンディ」(いがらしゆみこさん)

アニメも爆発的なヒットを記録したので、改めて内容を紹介する必要も無いだろう。過酷な運命に翻弄され乍らも、前向きに明るく生きるキャンディの健気さに泣けたし、彼女に思いを寄せたアンソニーやステアの夭逝に理不尽さを感じたりしていた。


④ 「ときめきトゥナイト」(池野恋さん)

「御互いに好意を持っているのに、顔を合わせるとどうしても素直になれない。様々な”困難”を乗り越えて行く中で、徐々に恋心を募らせて行く。」そんなもどかしさが少女漫画の魅力でも在るが、この作品の中でもそれは存分に描かれている。「吸血鬼と狼女を両親にもつ魔界の女の子」がヒロインという設定で、コミカルな中にシリアスさも在るストーリーが堪らなかった。


⑤ 「おはよう!スパンク」(たかなししずえさん)

駄目犬・スパンクのドジさ加減が愛らしかった。


⑥ 「パンク・ポンク」(たちいりハルコさん)

ドジな巨大のパンク・ポンクが引き起こすドタバタコメディー。時にシンミリとさせるストーリーも。


⑦ 「キノコ・キノコ」(みを・まことさん)

キノコ達が主役のほのぼの系の漫画。


⑧ 「チャコちゃんの日記」(今村洋子さん)

きいちのぬりえ”を思わせる昭和レトロな絵が印象的。小学校低学年の頃だったろうか、近所には古びた木造の公民館が在り、その中に小さな本棚が2つ置かれていた。漫画も何冊か在り、その一冊がこの「チャコちゃんの日記」。だからこの作品を思い出す時は必ずと言って良い程、あの黴臭い公民館の匂いも同時に蘇って来る。
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*1 姫子の幼馴染許婚の仲でも在った徳川秀吉が、焼け落ちる家屋から姫子を救出する際に大火傷を負い、最後は姫子の腕の中で死んでしまうシーンが泣けた。

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7 コメント

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Unknown (manuke)
2007-08-22 11:58:47
小さい頃は親から赤やピンクは女の子の色、青は男の子の色、ウルトラマンや怪獣で遊ぶのは男の子、おはじきやゴム飛びをするのは女の子という風に言われて、知らぬ間に女の子のモノ、女の子の色、女の子の遊び、女の子のしゃべり方、女の子の着る物、女の子の本、女の子の見る番組・・・とイメージ付けられ、それに反するとナヨナヨした男の子とか、女の子じゃないんだからと言われたり、顔色が白いだけで女の子みたいと言われたり、言われるとムッときたり、無意識に色分けされていましたね。 今時そんなことを口にすると問題視されることもあるし、女の子だって野球やサッカーもすれば仮面ライダーも見てますよね。 逆に男の子がチアリーダーに混じってたり、おっさんが編み物をやったり、花を生けたり・・・
そういえば昔、近所の工業高校に女子生徒が一人だけいて、珍しがられていました。 今では町の中小の金属加工業などにも若い女性が工員としていることも珍しくなく、職人肌の親方がむしろ女の子の方が手先が器用で繊細な加工に向いているのではないかとしゃべってました。
ところで漫画の話では、小さい頃「リボンの騎士」や「アタックナンバーワン」「ひみつのアッコちゃん」など夢中になって見ていました。
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>manuke様 (giants-55)
2007-08-22 12:22:51
書き込み有難う御座いました。

以前「トリビアの泉」でカスタネットのネタを取り上げていました。カスタネットが赤と青の二色に塗られているのは、そもそも「赤は女の子、青は男の子の色」という事で、「青一色のカスタネットと赤一色のカスタネット」としていたものの、毎年男女数が当然変動する為に「これは不経済。」という事で二色を塗る事にしたのだとか。manuke様が書かれている様に自分等の子供の頃には、こういった性別による区分けが結構在りましたね。

今は工事現場で働いておられる女性を見掛ける事も少なくなくなったし、保父さんも増えて来たりと性別による区分けが無くなって来ているのは良いのですが、学校現場では「男の子に『君』、女の子に『ちゃん』と呼び分けるのは性差別に当たるという意見から、全て『さん』付けに統一する学校が増えている。」様で、これは何かシックリしない所では在ります。
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Unknown (マヌケ)
2007-08-22 13:02:05
すみませんmanukeになっちゃってます。
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男子のほうが抑圧されている ((まめ)たぬき)
2007-08-22 15:25:50
んじゃないですかね、ことマンガの好みについては。
私は従兄が多かったので
読み始めたマンガは「週刊少年ジャンプ」でしたよ。
(母親が病気で長期入院中、懇意な本屋さんが「りぼん」と「なかよし」を私にプレゼントしてくれて熱心に読んでいました。1975年頃の話です)

とはいえ、私の友人には男子でも「花とゆめ」をはじめとする少女マンガの愛読者は多かったです。
キノコ・キノコ
・・・私は読んでないのですが友達でこれ大好きな女の子がいました。なんとも懐かしい作品の紹介ありがとうございました。
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少女まんが (海老太郎)
2007-08-23 11:00:59
お世話になります。
少女まんがは私も小さい頃から大好きで
それにめざめたのはマーガレットで連載されていた「アタックNO.1」でした。
連載当時、週刊誌のほうを父親に買ってもらいつつ、アニメのほうも夢中で観ていました。
今回giants-55さんが挙げられた、姫子、ベルばら、キャンディ、スパンク、ときめきトゥナイトとかはしっかり見ておりました。他には萩尾望都さんや「パタリロ」などの作品なども長らく愛読しておりました。
成人していい年になってからは、なかよし連載の「セーラームーン」にハマり、雑誌、アニメとも欠かさずチェックしてました(笑)

姫子は小学館の学年誌連載でしたから、抵抗感なくスンナリ読んでいた記憶があります。
少年誌をひととおり読んで、無意識のうちに少女まんがも同時進行でという感じでした。
あとはサンデーの高橋留美子さんですかね。こちらは少年向けの作品が多かったですね。
振り返れば楳図かずおさんら今となっては漫画界の巨匠達も沢山の少女向け作品を描いてましたね。
自分は女の子向けの作品が大好きでしたから、周囲にからかわれても毅然として(笑)読んでました。
アニメの魔法少女ものなんかも今でも観たい気分です。。。
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懐かしいですね・・。 (パピプペ・ヨンジュン)
2007-08-23 22:26:58
giants-55さん、こんばんは。
いやあ、懐かしいですね。私も女系家族の元で育ったせいか(多分、韓ドラ好きの点もこの辺が影響か)下の2作品以外は全て知ってます。テレビアニメや小学生雑誌に連載されてましたものね。
うわさの姫子、私が目を通した内容はテニス少女で「エースをねらえ!」ばりでした。しかし古本屋で、単行本全巻を目に通すと全くテニス編の内容が収録されていなかったことにがっかりでした。
藤原栄子さん、私はこの人の作品を知ったは「姫子」より「魔法少女ララベル」の方がはじめてでした。
キャンディ、花の子ルンルンのテレ朝金曜7時の後続番組で、主題歌もララベルの吹き替えも「ミッチー」こと「キャンディ」の堀江美都子さんが演じていて好きでした。
それにしてもあのころは、女の子が少年雑誌を見てもいいのに男の子が少女雑誌を見るのが55さんが宝塚で述べられた通り「女々しい」と白い目を向けられる風潮が確かにありましたね。まあ、女性が男っぽく振舞うと「男装の麗人」ともてはやされるのに逆だと「オカマ」扱いされて侮蔑されるのも理論上から見れば確かに理不尽ですよね。最近は神木隆之介みたいな美青年ももてはやされていますが、時代の流れなんでしょうか?

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>パピプペ・ヨンジュン様 (giants-55)
2007-08-23 22:49:12
書き込み有難う御座いました。

当時は女兄弟が居たりしないと、なかなか少女漫画を見る機会は少なかったと思います。小学校の頃、書店で少女漫画を立ち読みしているのを同級生に見付かって、「あいつはおかしい。」と噂を立てられた友人も居た位ですから(苦笑)。

「うわさの姫子」(全31巻)及び姫子の幼少期を描いた「おはよう姫子」(全8巻)はコミックパーク(http://www.comicpark.net/cm/comc/detail-bnew.asp?content_id=COMC_ASG00432)から復刊されているのですが、一寸値段が張るのが玉に瑕。ブックオフに売りに出されたら購入したいと思っています。

小学校時代、ピンク・レディーの振りが非常に上手い同級生(男子)が居ました。確か姉と妹に挟まれて育った彼は、その柔らかい物腰も在って「オカマ」という渾名で呼ばれていました。虐めに遭っていたという事は全く無かったのですが(彼はかなり頭脳明晰で、運動神経も良かった事も在るのでしょうが。)、華道界の先生がオネエ・キャラでTVに登場する現代からすると隔世の感の在る渾名と言えるのかも。
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