今年の日本シリーズは、ファイターズが10年振りの日本一を決めた。ファイターズの選手達及びファンの方々、本当におめでとう!!
開幕前の予想では「『4勝2敗』でカープが日本一。」と予想していたものの、カープが開幕2連勝した段階で「『4勝負け無し』で日本一になるかも。」という思いが在った。カープが大差を付けて2連勝した事に加え、「今季限りでの引退を表明した黒田博樹投手に『花道を飾らせて上げたい。』と、選手達が結束した事だろう。」と考えたので。
だが然し、ホーム・グラウンドで在る札幌ドームに闘いの場所が変わった事で、ファイターズは“自分達の闘うスタイル”を取り戻した。其処からの4連勝で日本一を達成したのは、実に見事だった。「4勝2敗で日本一が決定。」というのは的中させたが、日本一になるチームを外してしまった事になる。
レギュラー・シーズンで、共に圧倒的な力を見せ付けたファイターズとカープ。日本シリーズの全6試合、王者同士の闘いに相応しい、見応えの在る内容だったと思う。
全6試合を通して感じたのは、栗山英樹監督の決断の速さ。攻守を問わず、速め速めに手を打っていた印象が強い。第1戦及び第2戦では、其れが勝利に結び付かなかったものの、第3戦以降は勝利に直結して行った。
昨夜の第6戦で言えば、先発させた増井浩俊投手が3回を投げて2失点した時点で、スパッと交代させたのが、結果的に功を奏した。今シリーズでは大事な場面で打たれ続けていたジェイ・ジャクソン投手を、昨日も8回表に引っ張り続け、致命的な6失点に繋げてしまった(カープの)緒方孝市監督とは対照的な采配だった。
「今季はずっと頑張ってくれたジャクソン投手に、全てを任せた。」という思いが緒方監督には在ったのだろうし、其の気持ちは判らなくも無い。だが、短期で全てが決まってしまう日本シリーズに在って、選手の好不調を逸早く見極め、見切りを付けるというのも大事な事。7年前の記事「信頼と信用」の中で、「選手達を信頼しても、信用してはいけない。」という言葉を紹介した。「『任せるに足りる選手かどうか。』を充分考慮した上で、『大丈夫。』と判断したならば、監督は部下を“信頼”して任せるべき、でも、“信頼”はしても、“信用”し過ぎて任せっ切りにしてはいけない。」という意味合いだが、此の至言で言えば「栗山監督は選手達を信頼するも、信用し過ぎてはいなかった。一方、緒方監督は選手達を信頼し、そして信用し過ぎてもいた。」という事になるのかもしれない。
心情的にはカープを応援していたので、32年振りの日本一が達成出来なかった事は、本当に残念。でも、今季の闘い振りを見れば、来季もカープは優勝争いに絡むだろうし、日本一になる日はそう遠く無い事だろう。
両チームの選手達、本当に御疲れ様!