ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「仮面ライダー THE FIRST」

2006年05月13日 | 映画関連
よもやこの年になって再び特撮物にはまってしまうとは思ってもいなかったのだが、何度か此処でも記事にした様に、幼少期の自分はウルトラ・シリーズよりも仮面ライダー・シリーズを夢中になって見ていた。だからこそ、「ウルトラマンメビウス」で懐かしい記憶を呼び起こされる度に、「仮面ライダー・シリーズでも、懐かしの要素を盛り込んだ新作を作れば良いのに。」という思いが湧いていた。

そんな思いからネットで検索をしてみた所、「仮面ライダー THE FIRST」なる映画が昨年公開されていた事を知った。そこで早速DVDをレンタルし、GW期間中に視聴したので、その感想を此処に記す事とする。この番組を見ていて「ローラースルーGOGOが欲しい!」と親にせがんだり、このOP曲(今回改めてこの曲を聞き、「歌っているのは美川憲一氏だったのか。」と思ってしまった。「ウルトラマンレオ」でおゝとりゲン役を務めていた真夏竜氏が歌っていたというのが実際の所なのだが、余りに声質が似ているのにビックリ。それにしても、ウルトラ・シリーズで使われた曲は名曲揃いなのだが、この曲も曲調は言う迄も無く、が本当に美しい。阿久悠氏の作詞能力の高さを痛感する。)をで歌えたりする世代以外には、何が何だか判らない内容となってしまう事を御許し願いたい。

「仮面ライダー THE FIRST」は、仮面ライダー・シリーズの原点回帰を試みた作品と言える。即ち、35年前に放送されていた「仮面ライダー」を意識した作りになっている。従って、仮面ライダー1号&2号が登場するし、変身するのは本郷猛&一文字隼人で在るのは言う迄も無い。開始早々には、子門真人氏が歌うあの曲(「仮面ライダーOP」をクリックの事。)が流れるし、実を言えばこの作品を是が非でも見たいと思った決め手でも在るのだが、天本英世氏演ずる死神博士*1(過去の映像をデジタル加工して用い、声優の丸山詠二氏がアテレコしたもの。)も登場している。”おやっさん”こと立花藤兵衛役を務めるのは、「仮面ライダーV3」で風見志郎役を務めていた宮内洋氏というのも、おっさん心を時めかせる心憎い演出だ。

「仮面ライダー」を意識した作りと前記したが、正確には「仮面ライダー」放送当時に、石ノ森章太郎氏が描かれていた原作漫画を意識した作りとすべきかもしれない。と言うのも、TV版の様に変身ポーズを決めた所で自動的に変身するのでは無く、素顔の上に仮面を自らの意思で装着する事で変身するスタイル(タイトルを考えれば、”仮面”を付けたライダーという事で、このスタイルが正しいのかもしれないが、嘗てのスタイルを定番と思っている身としては違和感在り。)だったり、一文字隼人が本郷猛を抹殺する為にショッカーから送り込まれた刺客という設定だったりするのだ。

勿論、新しい設定も盛り込まれている。改造人間達の姿形は、嘗ての着ぐるみ調では無く、メタリック調に変貌。ショッカー戦闘員に到っては、黒尽くめのスーツにガスマスクといういでたちで、「イーッ!」という例の叫び声を上げなければショッカー戦闘員とは気付かない程。ショッカー幹部としてISSAを、又、準主役?にウエンツ瑛士君を起用する等、懐古調の中にも新しさを模索。CGも各所に用いられ、映像的には格段と美しい仕上がりとなっている。

しかし、全体的に何か物足りなさが残る出来。キャスティングで言えば、板尾創路氏がショッカーの改造人間・スパイダー役というのは、今一つはまっていなかった様に思う。タクシーのドライバー役の彼が、急にマスクを装着して”蜘蛛人間”に変身した所で、「エキセントリック少年ボウイオールスターズの一員?」と思えてしまったし、ショッカーの幹部で在りながらISSAがDA PUMPの時と同じ様な衣装で登場というのでは、何か白けてしまった。

仮面ライダーに改造された本郷や一文字の”洗脳”が解ける理由が余りにも弱いし、ウエンツ君達が改造人間になってしまう展開が余りにも唐突に過ぎる。そして、そもそもこの作品の主題で在る筈の改造人間の哀しみや苦悩が全くと言って良い程描き切られていない。のが致命的。

期待度が高かっただけに、評価は星2つとしたい。

*1 「仮面ライダー悪(ショッカー)の系譜」という本の中に、死神博士のプロフィールが詳しく書かれていた。

死神博士の本名は『私の愛したキャラクターたち』によるとイワン・タワノビッチ父は日本人、母は白系ロシア人で在る。大戦中、東欧ナチスに徴用され、絶滅収容所で生体研究員として臓器移植に没頭していた。最愛の妹の死後、チェン・マオ(ショッカーの大首領とされる人物。)と出会ってショッカーの一員となる。

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6 コメント

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大自然よりの使者=仮面ライダー (まなぶ)
2006-05-13 04:06:44
giants-55さん、今晩は!



私は今も現役のライダーファンですヨ(笑)

もう、今のライダーくらいの息子がいてもおかしくないのですが、

すっかり入り込んで観てます(苦笑)

「仮面ライダー THE FIRST」

未だに観てません(涙)

近所のレンタルショップに2枚しか置いてなくて、常にチビッコ達に借りられてます(1度は手にしながら譲ってしまいました・・私のバカバカ・・)

こちらの記事を読んで、ますます観たくなりました♪

原作のままの映像化を望んでいるファンとしては、外せない1本です!

個人的には、立花藤兵衛には宍戸錠さんか斉藤晴彦さん。

緑川博士には米倉斉加年さんか峰岸徹さんで観てみたいのですが(苦笑)

黄川田君は、ルックスとしてはイイ線だと思うのですが、動きが入るとどうでしょうネ・・楽しみです♪
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どもども~ (原義)
2006-05-13 23:56:35
giants-55さん、今晩わ~(´∀`)



うーん。やっぱり、キビシイ作品だったんですねぇ。

話題にもならなかったので、デビルマンのような悲しみを味わいたくなくてスルーしてました。



原作は少し前に読んだんですよ。隼人のポジションに驚愕したりしつつ。



こういうのは、あまり有名な人は出さない方が良いかも知れませんねぇ。

もちろん、旧シリーズ縁者は別ですけど。



それでも宮内氏だけでも見てみたいと思ってしまう、感情の不思議。
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Unknown (BAKOBAKO)
2006-05-14 21:54:29
 トラックバックありがとうございます。なかなかに惜しい作品でありました。もう一息。ご指摘の「改造人間の哀しみや苦悩が全くと言って良い程描き切られていない」というのがこの映画の致命傷のように私も思います。脚本の難なのか?演出の難なのか?顕微鏡のネジを手の力でねじ切ってしまったり、ガラスのコップを握力でパリンと割ってしまったりというのは、すでにオリジナル旧1号ライダーでやってしまったエピソードなのでもうちょっと他に今風の表現のしようはなかったのかと思います。

 本郷と一文字の話なのか?本郷とウエンツの生き様の対比なのか?このへんもどっちつかずだったように思います。残念。
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特撮物は業が深いですから (破壊王子)
2006-05-15 21:43:09
あらゆる意味で(笑)

この映画、観たいとは思っていたんです。デザインなどは悪くないので。まあ東映が特撮物を劇場用にすると意気込みだけ空回りするのは今に始まったことではないようです。

で「ウルトラマンメビウス」、うちの地方じゃやってないんですわ(苦笑)ソフト待ちになりそうです。

円谷プロというと、過去の作品のリメイクを結構やりますね。「ウルトラQ」もやったし、「ウルトラマン」は「ウルトラマンパワード」という形で。セブンはビデオで続編がでてます。

ところが「帰ってきたウルトラマン」以降の作品はなぜか放りっぱなし。需要がないんでしょうかね?

個人的には最後まで男女で変身する「ウルトラマンA」が見てみたいのですけれど。
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はじめまして。。。 (-SILK-)
2006-05-16 02:08:19
こんばんは、はじめまして。

TBありがとうございましたm(__)m

私は初代の仮面ライダーをよく知らなくて・・・

「きっとかなりアレンジされてるのかな?」なんて思いながら観ました。

こちらでは勉強になりました。

ありがとうございました♪

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Unknown (miyashiro)
2006-05-18 21:42:30
いつも拝見しています。



仮面ライダー THE FIRST、私も楽しみにして観ましたよ。脚本は、平成ライダーをはじめ、売れっ子の井上敏樹氏(嘗てのライダーの脚本家である伊上勝氏のご子息)。一文字のしゃらくさいセリフは、氏の真骨頂でしたね(笑



ご指摘の通り、ウエンツ君の恋物語はサブストーリーとして余計なように感じましたし、全体を通して残念ながらイマイチな印象でありました。しかし、造形の良いスーツでのダブルライダーアクション!変身ポーズを無くしながらも、見得をきるところで変身ポーズを彷彿させるサービス。このへんは燃えましたね!
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