西村京太郎氏の作品は好きで、刊行された作品は全て読んでいる。デビューした1964年から昨年末迄の約45年間で460冊を刊行しているそうだが、その多くは一般に知名度の高い「十津川警部シリーズ」という事になろう。十津川警部が亀井刑事を始めとした部下達と共に多くの難事件を解決して行くストーリーだが、数多の同シリーズの中に異質極まりない作品が一つ在る。そのタイトルは失念しまったけれど、作品全体に猟奇的な雰囲気が漂っていた。人質になった刑事の肌を切り刻む描写等が実に生々しく、読んでいて血の匂いを感じてしまう様な、SM趣味的な内容。山村美紗女史と西村氏は長年に亘り非常に密接な関係に在ったのは広く知られているが、記憶違いで無ければ彼女が亡くなってからそんなに経たない頃に刊行されたのが上記の異質な作品で、「精神的な不安定さが、こういった作風を生み出したのかなあ?」と思ったもの。好んで読む「十津川警部シリーズ」の中でもこの作品が好きでは無いのは、「猟奇的な作品が好きでは無い。」という個人的な嗜好から。
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舞台はほんの少しだけ未来の日本。死刑制度が廃止され、「キャンプ」と呼ばれる様になった刑務所は、囚人達の自由が大幅に拡大された素晴らしき社会。だが犯罪の犠牲者の遺族には、そんな状況に怒りの収まらない者も居る。彼等は復讐を誓ってチームを結成し、ターゲットが収監されているキャンプの襲撃を企む。一方、キャンプの囚人達も脱獄を図り・・・。
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第1回(2002年)「『このミステリーがすごい!』大賞」で「銀賞」を得た「逃亡作法 ~TURD ON THE RUN~」(著者:東山彰良氏)は、インターネット上の投票で「読者賞」を得た作品でも在る。選考委員達のみならず、一般読者をも魅了した作品という事で可成り期待して読み始めたのだが、読み終えた結論から言えば「ガッカリ。」というのが自分の感想。冒頭で記した様に、自分の苦手な猟奇的な記述が目立つ上、これ又苦手なハードボイルド風の味付けがされており、読み進めるのが正直辛かった。形容詞の多用も鼻に付き、ストーリーの展開もまどろっこしい。だから読んでいて時々、登場人物やストーリーを見失ってしまう事も。高評価を下されている方々には申し訳無いけれど、自分にはさっぱりこの作品の面白さが理解出来なかった。
総合評価は星2つ。
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舞台はほんの少しだけ未来の日本。死刑制度が廃止され、「キャンプ」と呼ばれる様になった刑務所は、囚人達の自由が大幅に拡大された素晴らしき社会。だが犯罪の犠牲者の遺族には、そんな状況に怒りの収まらない者も居る。彼等は復讐を誓ってチームを結成し、ターゲットが収監されているキャンプの襲撃を企む。一方、キャンプの囚人達も脱獄を図り・・・。
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第1回(2002年)「『このミステリーがすごい!』大賞」で「銀賞」を得た「逃亡作法 ~TURD ON THE RUN~」(著者:東山彰良氏)は、インターネット上の投票で「読者賞」を得た作品でも在る。選考委員達のみならず、一般読者をも魅了した作品という事で可成り期待して読み始めたのだが、読み終えた結論から言えば「ガッカリ。」というのが自分の感想。冒頭で記した様に、自分の苦手な猟奇的な記述が目立つ上、これ又苦手なハードボイルド風の味付けがされており、読み進めるのが正直辛かった。形容詞の多用も鼻に付き、ストーリーの展開もまどろっこしい。だから読んでいて時々、登場人物やストーリーを見失ってしまう事も。高評価を下されている方々には申し訳無いけれど、自分にはさっぱりこの作品の面白さが理解出来なかった。
総合評価は星2つ。
というのは友達がどういうわけか山のように貸してくれたのだそうで。
多作している人なので、やはり玉石混交の感は否めないとの感想でした。
でも短編は面白いとのこと。
私はほとんど読んでいないのですが、タイトルは失念してしまったのですけれども印象に残っている長編がひとつあります。普通の殺人事件と思われたものが、捜査を進めるうちに背後に巨悪があることがわかってくる、というもの。
遠からず圧力がかかって捜査は中止させられると承知の上で、それでも十津川達が気負うのでも腐るのでもなしに刑事部屋から出かけていく……というラストだったように記憶しています。
西村京太郎の熱烈なファンの方々は御怒りになるかもしれませんが、自分は「西村作品=週刊誌」の様な間隔で読んでおります。どういう事かと言えば、「気楽に読めて楽しいのだけれど、だからと言って二度読もうとは思わない。」といった感じ。平均すると年間10冊以上を刊行されている訳で、その創作力は非常に評価するも、近年はやや粗製乱造の面が感じられたりも。余りにも無理無理な設定も目立ちますし。
唯、以前の記事(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/78127e2269ff36115c2c78c5f033412d)でも記した様に、彼の初期の作品は本当に凄かった。所謂「社会派ミステリー」と称される作品群は、何度も読み返したもの。トラベル・ミステリーも勿論良いのだけれど、昔の様な硬派な作品も読んでみたい。