「徐々に食欲が無くなり、水を余り飲まなくなったら、御別れの時が近い。」。飼い犬を亡くした経験が在る“犬仲間”から良く聞かされた、「ワンコが最期を迎える迄の過程」に付いてだ。一昨年から後ろ足が弱って来た我が家のワンコだが、1ヶ月位前からヨロヨロと少し歩いては、ヘナヘナと倒れ込む事が多くなった。しかし食欲は相変わらず旺盛で、水も良く飲むし、何よりも目に力が在ったので、「未だ未だ長生きしてくれるな。」と喜んでいた自分。
一昨日になって突然、ドッグ・フードも水も摂らなくなってしまった。半開きの口から舌をダラーンと出し、虚ろな目をしたワンコを、家人は動物病院に連れて行ったのだが、診断結果は「体力が非常に落ちているので、覚悟をしておいて下さい。」と。超高齢犬故、身体に負担が掛からない範囲での治療をして貰い、家に連れて帰った。
昼間に其の事をメールで知らされていたので、最悪の事態を覚悟して帰宅するも、苦しそうな感じは無く、又、目に力が戻った様にも見えたので、「元気になってくれるかも。」と期待したのだが・・・。
昨日、家族が揃っている中で、ワンコは天国へと旅立って行った。人間の年齢に置き換えれば、「90歳」前後とか。9年前に「不治の病」を発症し、何度も死に掛かったワンコだったけれど、食べ物を変更する等した結果、病自体は治った訳では無いものの、元気さを取り戻してくれた。9年前に亡くなっていてもおかしくなかった事を考えると、本当に良く頑張ってくれたと思う。
6年前に身内が飼っている子犬が亡くなった際は、余りにも早過ぎる死にペットロス状態になったけれど、最期は苦しむ事無く、眠る様に旅立った我が家のワンコの場合は、「本当に亡くなったのだろうか。」という気がしたりもしている。
亡くなる前日迄元気で、長患いをする事も無く生を終えたのは、「飼い主に負担を掛けたくない。」という思いだったのだろうか。家族に多くの幸せを与えてくれた、とても良い子だった。
大往生を遂げた我が家のワンコは今頃、天国で軽やかに走り回っているに違いない。可愛くて可愛くて仕方なかったワンコとの別れは哀しいし、日が経つ毎に喪失感が増して行く事だろう。
長い間一緒に居てくれて、本当に有り難う。大好きだよ。
それが、ドッグフードを鼻先に差し出しても口を開けなくなり、「これはとうとう最期の時が来たね」と家族で言い合っていたら、案の定。
生き物は、命がある限りは生きようとしているものなんだと、あの犬を看取る中で思ったことです。
年齢を考えれば充分に「其の日を迎える覚悟」が出来ている筈だったのですが、こんなにも長い年月を一緒に過ごして来た“家族”を失うのは、想像以上のダメージでした。昨日迄は何をしていても、ふっと思い出してしまう事が多く・・・今日になって、少しづつ自分を取り戻して来ている次第です。
青空百景様も、御辛い経験をされたのですね。ペットを飼う事で多くの幸せを得て来ましたが、亡くなった時は本当に哀しい。大往生だったのが、せめてもの救いですが。
お悔やみ申し上げます。
自分は幼少の頃より犬が大好きで、自宅にて飼いたくて飼いたくて堪らなかったものの、諸事情で親から「不可。」とされていました。ですので、自身が社会人になってやっと、念願叶って買う事になったのが今回のワンコ。其れから17年余、ずっと家族の一員として暮らして参りましたので、其の喪失感は想像していた以上でした。
自分の場合は猫が苦手だったのですが、ワンコを飼う様になって以降、何故か猫もそんなに苦手ではなくなった。恐らく、実際に身近でペットを飼う様になった事で、他の生物に対する慈しみの心がより涵養されたのかもしれません。
貴方の下に全ての者は赦される。
永久に主の御加護を。アーメン。
2代目のワンコを飼い始めてから、もう4年が経とうとしています。時の流れは悲しい記憶を薄れさせて行く様で、亡くなったワンコの記憶が、今のワンコの記憶に上書きされて行く。でも、ふっとした瞬間に、亡きワンコの事を思い出して、懐かしく思ったりもします。