堀内采配に異議あり！

堀内監督が就任した際、評論家時代の理論派ぶりから、投手陣の建て直しを軸とした”守りの野球”を構築してくれるものと期待していた。しかし、１００試合を目前としているのにも拘らず、”堀内野球”というものが全く見えて来ない。

監督で勝てる試合は少ないと良く言われるが、冷静に見て、今年の試合に関して、監督の采配でジャイアンツが勝った試合は皆無に思える。その逆に、不可解な投手起用や打つべき手を打たなかった為に落とした試合は数多い。引き分けに関しても、５日のヤクルト戦と今日のタイガース戦の２試合あるが、共に打つべき手を打っていたら勝てていた試合だったと思う。残り試合数と、ドラゴンズとの負け数を考えた場合、この引き分けは負けに等しい。”たられば”や結果論で言っている訳ではなく、堀内監督の”一貫性のなさ”がチームを迷走させている最大要因だと思っている。

全盛期の状態ならまだしも、今の桑田投手は防御率が６点近く、ジャイアンツ投手陣の中ではOne of themの存在。それも、序盤に必ず大量失点をする。彼に固執して起用し続けるのは何故か？磐石な投手陣を構築する意志があるのならば、未知数ながらも若手投手を抜擢したほうが遥かに有益だし、意味があると思う。「過去の名前」に期待しているのか？それなら、清原選手をレギュラー起用しないのは不自然では？（個人的には、清原選手のレギュラー起用は反対だが。）この選手は、こういった理由で起用しているのだという明確な意思が見えないと、それは単に一貫性のなさとしか捉えられない。

木佐貫投手の起用法も一貫性のなさが表れている。先発に使ったと思ったら、抑えに起用、そして、又先発。これでは何を期待しているのか判らない。適性を見ているのだと言うかもしれないが、こうもクルクル配置転換されては、選手が戸惑うだけ。駄目なら駄目で二軍に落として鍛え上げる様な明確な指示を出すべき。

今日の試合でも、再三、原氏や掛布氏が疑問を呈していたが、代走を送るべき所で送らなかったり、バントすべき所でさせなかったりと、どういう策で臨んでいるのかも見えない。普段は、させている場面なのにである。

代打起用にも不可解さが漂う。犠牲フライが欲しい場面で、”当てにいくのが上手い”元木選手を使わずに、一発狙いで三振が多い江藤選手を使って三振というケースを何度見せ付けられた事か。

勿論、試合は”生き物”なのでＴＰＯに応じて、策が変わるのは判る。でも、監督の”野球ポリシー”が一貫していないとチームは強くならない。今日の試合でも、ベンチの選手達の表情に戸惑いが垣間見えた。開幕前は苦戦を予想されたドラゴンズが首位に立っているのは、勿論ながら選手の頑張りが一番だが、落合監督の良くも悪くも一貫した考えに負う部分も大きいと思う。

敗戦時に、評論家の様な第三者的なコメントで選手を責めている場合ではない。これが堀内野球なのだ！という一貫性のある采配を、残り４０試合弱だが見せて欲しい。