大洗ゴルフ倶楽部の第一回目見学会は、練習場にて参加者全員が集結し、司会による挨拶と説明から始まりました。平日であるのに、280人が集まったそうです。私自身もそうですが、ガルパンファンは平日に休みが割合に取れる方が多いようです。
主催の商工会関係者による挨拶、案内者の紹介、見学会の概要説明などがありました。
この日の案内人を務められた、大洗ゴルフ倶楽部支配人の染谷さんの挨拶がありました。
この染谷さんには、以前に一度お世話になっています。前々回の訪問時に大洗ゴルフ倶楽部の正門の所で写真を撮っていた際に染谷さんが車で通りかかられまして、それで挨拶して劇場版の舞台を見に来た旨を話しましたら、駐車場の所までなら入っていいよ、ということで正門内に少し立ち入ることを許可して下さったのでした。
それで、劇場版でのワンシーンの原風景も撮ることが叶いましたが、その時のことは、たぶん覚えておられないでしょう。
見学会開始時に、参加者特典のポストカードを配る坂本商工会事務局長さん。
これが参加者特典のポストカードです。劇場版に登場したゴルフ場シーンの各場面がデザインされています。
見学会のルートは、1番ホールの横から入って、劇場版のロケ地となった6番および18番のホールを順に回る形でした。
移動ルートの途中で左手に7番ホールを見ましたが、その敷地内にはかつての水浜電車の軌道跡が直線状の窪地となって残されていました。ゴルフ場全体が、本来の地形をなるべく生かして造成されたそうなので、他のゴルフ場に比べるとホール周りの地形の凹凸がかなりあるということでした。
6番ホールに着きました。上図のバンカーは、劇場版エキシビジョンマッチの冒頭にて聖グロリアーナ女学院チームのチャーチルとマチルダが潜んでいたバンカーの元ネタの実物です。劇中のスケール感は、街中でもそうですが、実際よりも拡大されている感がありますので、実物のバンカーも小さいのだろうなと予想していましたが、その通りでした。
劇中では、チャーチルとマチルダが包囲攻撃を受けていましたが、その割には戦力の半分を失っただけで済んでいます。歩兵が塹壕に身をひそめるのと同じ状態なので、上に出たりしなければ、いくら周りから撃たれても、当たらない確率が高いです。現にマチルダの一輌が反撃をしようと少し車体を上に出し、あんこうチームの五十鈴華の正確な射撃をくらっていました。
こちらは、バンカーに続く緩やかな下り斜面です。劇中ではもっと長い距離で表され、大洗女子学園チームの主力および知波単学園の主隊がこのエリアに進み、そして知波単学園の主隊がピークを越えてこの斜面を降りて無謀な突撃を敢行しました。
御覧のように、斜面のバンカーまでの距離は50メートルもありません。戦車が全力突撃すれば数秒で通り過ぎてしまいます。この場所を、劇中では5倍ぐらいに拡大したスケールで描写していると思います。
6番ホールでの見学は10分程度で終わり、染谷さんの案内解説と誘導にしたがい、目印の幟をもって先頭を進む大里さんの後に続きました。9番ホールの横の松林内を、18番ホールへと移動しました。
大洗ゴルフ倶楽部は、周知のように敷地全体が松林に囲まれています。松の数は約2万3000本ですが、当然ながら維持管理にも相当な労苦が払われているそうです。
ここに限らず、地球温暖化の影響により、各地で松喰い虫の被害が激増しています。京都や奈良の社寺の境内地の松がほとんどやられてしまって残存分も危ないといわれています。それで老松が伐採されていってしまうのですが、ここ大洗ゴルフ倶楽部でもが大きな被害が出ています。これまでに数百本ぐらいの黒松を伐採したそうです。
また、松一本に殺虫用のアンプル剤を何本も注入して枯死予防に努めているそうですが、その費用が松一本当たり約3万円ぐらいするそうです。京都や奈良の文化財景観地区の松林の保全でも同等の費用がかかっていますが、そちらは公共事業なので税金で賄われています。しかしこちら大洗ゴルフ倶楽部では営業支出ですから大変でしょう。
ちなみに、大洗ゴルフ倶楽部が出来たのは1953年10月ですので、既に60年余りの歴史があります、それ以前は広大な原生の松林でありましたが、その生育状況は国内でも最高級ランクであると評価されていました。そのため、ゴルフ場設営にあたっても松林を極力維持する方針が打ち出され、地形もほぼ踏襲されているわけですが、それでも昔と比べれば、松が随分と減って、ホール周りの視界がとても広くなった、との事でした。 （続く）
