ガルパンギャラリーの展示の目玉の一つは、上図のガルパン公式缶バッジ群の陳列です。大洗町のガルパンブームを実質的に牽引してきた販売促進品の最たるものがこの缶バッジ群であったことをふまえますと、その陳列ケースがコーナーのほぼ中央に置かれて目立っているのも当然と言えましょう。
やっぱり色々あるなあ、と最初は思いましたが、そのうちに私自身がこれまでに頂いて手元に置いているものとそんなに変わらない事に気付きました。イベント時のみの限定配布品を除くと、大部分は見慣れたものばかりでした。
宿泊特典や店独自のオリジナル品も含めて、これまでの大洗行きにおいて普通に得られたものばかりが並んでいるので、希少品や限定品は意図的に外しているのかもしれません。
あと、ブーム初期の2013年の前半頃に出ていた品が、幾つか見当たりませんでした。完全に無くなってしまってここに陳列出来なかったものもあるのでしょうか。
向かって右側のケース内には、イベント時などに配布された限定品が並んでいました。このあたりの品々は、当然ながら私も持っていません。茨城空港イベントの品や、水戸ホーリック試合観戦の特典品、水戸赤十字献血ルームの特典品など、大洗以外の地域でしか入手出来ないものもかなりありました。
コーナーの一角には、廃業した金子屋薬局さんの調剤室を移築してありました。談話スペースだということですが、それにしては椅子さえも無いので寛げるようにはなっていません。奥には薬の陳列棚もそのまま置かれ、中にはガルパン戦車キットやグッズなどが並べてありました。
あんこうチームのⅣ号戦車D型です。大洗女子学園の制服姿のカラコレを乗せて、初めての練習試合の場面を再現しています。車体色は劇中車よりも暗めのダークグレーですが、かえって渋い色調に独特の金属感をただよわせて存在感があります。起動輪が低い位置にセットされていること、ジャッキ台に木目が細かくモールドされている点などから、プラッツの公式キットを使用しているように思われます。
カメさんチームの38(t)戦車です。プラッツの公式キットを使って親善試合時の姿に仕上げてありますが、キットはほぼ素組みでガルパン仕様への改造などはあまり成されていません。多くの先行作例は、このようなスタンスで作られているものが多いです。とりあえずは、ガルパン戦車の雰囲気を楽しめれば良い、という考え方にもとづく作例です。この程度で作るのが、最も楽で楽しいと思います。
アヒルさんチームの八九式中戦車甲型です。キットはファインモールドの公式キットのみなので、どこで見かけても同じ製品です。こちらも素組みで仕上げて親善試合時の姿に仕上げてあります。デカールが大きいので、貼り付けには苦労されたと思います。ボルト等の突起部をうまく外して貼り付けのリスクを最小限に抑えてあることが分かります。
カバさんチームのⅢ号突撃砲F型です。プラッツの公式キットで親善試合時の派手な姿に仕上げてあります。各所にガルパン仕様への改造の跡が見られますが、目立つところだけに絞ってあるようです。軸部も綺麗に整えて組み上げてあり、塗装も細かく行き届いていますので、制作者の腕の良さがよく分かります。このようなレベルに私も追いつきたいものです。
ウサギさんチームのM3中戦車リーです。タミヤのキットをストレートに組み上げて、親善試合時のピンク色の姿に仕上げてあります。思えばガルパンのⅢ号突撃砲F型やこのM3中戦車リーのキットによって、従来の戦車モデラーたちがずっと堅守し続けてきた「戦車のあるべき車体色」というような概念がひっくり返りましたね・・・。
色んな意味で、戦車キットの世界観に新境地をもたらした、エポックメイキング的な存在ですが、反面、ガルパン仕様への改造がとても難しいことでも知られます。でも、ストレート組みであっても、ウサギさんチームのフィギュアを乗せればガルパン戦車の雰囲気になってゆくのが、ガルパン戦車の特色の一つです。
あんこうチームのⅣ号戦車D型改(H型仕様)です。ブーム初期の作品のようですが、その頃はまだプラッツの公式キットが出ていなかった筈ですので、これはタミヤのキットを使用したもののようです。キューポラ周囲の跳弾リングが除去されていないので、ガルパン仕様への改造は施さずにストレートに組み上げたもののようです。
私自身がまだⅣ号戦車D型改(H型仕様)を作ってないため、こうした先行作品は、見ていてとても参考になります。出来上がった状態のイメージが明確な方が、ガルパン仕様への改造を試みる場合においても作業がやり易いからです。
カモさんチームのB1bisです。タミヤのキットを使用し、ガルパン仕様への改造はあまり見られません。ブーム初期の、まだ資料も揃っていない頃に制作したものらしく、車体色も劇中車より暗めのカラーで仕上げられていますが、それがかえって重厚さを見せていて良い感じです。
転輪のスカート部分もそのままなので、タミヤキット特有の気軽さでさらっと作り上げたことがうかがえます。私もこの程度のスタンスで取り組めたら、もっと楽になれることでしょう。
アリクイさんチームの三式中戦車チヌです。ファインモールドの公式キットにてストレートに組み上げてあるようです。劇中車との相違点があまり目立たない車種においては、キットのままに制作してしまうのも良い、という好例です。これは全国大会出場時の姿に仕上げてありますが、隣にもう一台があって、そちらは発見時の状態を再現してありました。
以上が展示キットの全てですが、いずれも以前にどこかで見かけたことがあるように思います。記憶が間違っていなければ、大洗駅のインフォメーションコーナーに展示してあった筈です。あと、レオポンさんチームのポルシェティーガーが見当たらなかったので、展示内容としてはまだ未完成であるのでしょうか。いずれは各店舗にある寄贈作品をもここに寄託するという流れになるのでしょうか。
ちなみに、ポルシェティーガーの大洗における寄贈作品は、私の見てきた限りでは、「大勘荘」さん、「ブリアン」さん、「カジマ」さん、の三つだったと思います。
いずれにせよ、ガルパンギャラリーの展示品ともなれば、最終的には、アニメに登場した戦車の全てが網羅されることになると思われます。その場合、大洗女子学園チームの所属車はあちこちに寄贈品が色々あるので集めればそれなりの内容にまとまりますが、対戦校チームの所属車は数が少ないので、新たに制作して陳列するという選択肢もあることでしょう。
参考までに、大洗にて私が見てきた、1/35スケールの対戦校チームの所属車キットの寄贈作品の展示場所を挙げると、下記のようになると思います。記憶違いや漏れもあると思いますが、現時点で思いつくままに挙げておきます。
聖グロリアーナ女学院 「肴屋本店」さん、「国井屋」さん、「いそや」さん
サンダース大付属高校 「飯岡屋水産」さん、「あんばいや」さん、「いそや」さん
アンツィオ高校 「山戸呉服店」さん
プラウダ高校 「日野屋商店」さん、「さかげん」さん
黒森峰女学院 「さくらい食堂」さん、「大勘荘」さん、「かま家」さん
あと、各校の所属車キットがランダムで「タグチ」さんにあります。 (続く)