ステップ10では、装備品のシャックルとスパナを組み立てます。劇中車においては、シャックルは立ててセットしますが、留め金具はパーツのモールドのままでいいと思います。
ステップ11では、各種の装備品をエンジンフード上に取り付けます。ガルパン仕様に作る場合には、幾つかの修正および変更点があります。
ワンシーンにて劇中車の状態を見ましょう。まず斧のC39は柄が短くて留め具の位置が異なります。クリーニングロッドはパーツC4とは形も長さも違います。Ⅳ号戦車用の装備品と同じ形ですが、それよりも柄が短くなっています。
スコップは先端カバーの形状が独特で、先端が切れるのでスコップの先が見えます。留め具の位置も異なるので、パーツC29は改造しないと使えません。シャックルC44、C45は、装着位置が前寄りになり、向きも少し異なります。工具箱のC38は、形もモールドも省略されて蓋だけのような感じになり、表面もフラットになっています。
したがって、車体パーツの取り付け穴の幾つかも修正する必要があります。それとは別に、不要なモールドも幾つかありますので、削り取ることになります。
車体パーツにおける修正ポイントを上図にまとめてみました。赤枠で記したモールドは全て不要ですので削り取ります。また黄枠または黄線で示した箇所は上図のように修正していきます。
実は、エンジンフード上面の元々の形状が劇中車と若干異なりますので、完全な再現は不可能です。なので、一気に全てを修正するのではなく、それぞれのパーツを仮組みして位置やバランスをみながら、少しずつ手直ししました。
不要モールドの大半を削り、左上方の蓋と長方形の突起を追加した段階です。右端には工具箱のC38が見えますが、これは削って薄い板に改造しました。斧のC39は柄を約2ミリ詰めました。
薄い板に改造したC38を接着しました。スコップはパーツC29を改造するよりもドラゴンのジャンクパーツに手頃なものがあったので、それを転用しました。柄の長さはピッタリでしたが、カバー先端と留め具の位置を修正しました。
右側に、各パーツを切り出して並べましたが、クリーニングロッドのパーツC4だけは形も長さも違うので使えず、代わりにⅣ号戦車車外装備品セットからパーツD26を調達してきました。
続いて通気グリル周りの縁モールドを全て削り取り、装備品を次々に取り付けました。改造したり修正したりの手間が全く必要なかったのは、ポールのC5、ワイヤーカッターのC38、パールのC46、スパナのC40とC41でした。
クリーニングロッドはⅣ号戦車車外装備品セットのパーツD26でも長いので、柄を約5ミリ短くしましたが、仮接着の際に上図のように変な感じについてしまい、後で手直ししました。
色々と工作ポイントが多くて、作った私自身も混乱しがちなので、上図にてこの時点での改造および修正箇所を全てまとめました。ご参考になれば幸いです。
ステップ12では予備転輪を組み立てますが、これは劇中車にはありませんので不要です。
続くステップ13では、更に各種のパーツを取り付けてゆきます。予備履帯ラックのB1、消火器のC42は劇中車にありませんので不要です。ガルパン仕様への変更点は三つあります。
公式設定資料図にて確認しましょう。アンテナ基部の位置がキットの位置よりも上寄りです。クランクロッドの装着位置が、キットの指示よりもやや後ろになります。予備転輪積載ベースの転輪固定用フレームは下げて収納されており、中央のV字形の留め具もキットパーツより小さいです。
各パーツを切り出しました。このうち、パーツへの改造が必要なのはV字形留め具のC43だけです。
予備転輪積載ベースの転輪固定用フレームC31、C32は基部をカットして縮め、ダボ穴に通して下までさげました。V字形留め具のC43は、高さを約2ミリ、底部を約2ミリ縮めて改造しました。
クランクロッドのC27は、装着位置をガイド指示よりも後ろに約1ミリずらしました。アンテナ基部のC2は、ガイド指示よりも約1ミリ上にセットしました。厳密には形状も少し違うのですが、ここではパーツのままにしました。
上図にて、この時点での改造および修正箇所を全てまとめました。今回のキットの制作においては、前面装甲部分とこのエンジンフード上の装備品の配置が、ガルパン仕様へのポイントの集中範囲です。劇中車に近いとされるタミヤの新キットでこの状況ですから、旧キットの場合は更に大変な作業となるでしょう。
ステップ14では、ジャッキやバックライトを取り付けます。いずれもガルパン仕様への変更が必須です。ガイド通りに取り付けるのは、ハンドルC1だけです。
公式設定資料図を見ると、ジャッキは、ガルパン戦車には珍しくハンドルもついていて、しかもハンドルが展開状態になっています。その留め具は、前の1個しか見当たりません。
バックライトは、キットのパーツとは異なり、Ⅳ号戦車のそれと同形式です。
そこでジャッキは、ハンドルだけをドラゴンのジャンクパーツに交換して展開状態にしました。今までのガルパン戦車キットの制作によって、こうしたジャンクパーツが色々と揃ってきているのは有難いことです。留め具のA3は1個だけを準備しました。
バックライトは、キットのパーツC3の代わりにⅣ号戦車車外装備品セットのパーツD3を使用し、ガイド指示よりも外側にずらして取り付けました。 (続く)