ブロンズ付近でKさんと別れた後、どうするかと考えましたが、そのうちに日野屋石油店に用事があったのを思い出しました。前回の訪問時に日野屋石油店で継続高校チームデザインの手袋を購入したのですが、特典のミッコ缶バッジが間に合わず、引換券を頂いていたのでした。そこで、日野屋石油店へ向かって真っ直ぐに進みました。
店先には相変わらずミッコが居ました。二日前に秋葉原のアニメイトで見かけたのと同じデザインでした。が、戸口の横に懸けられている「石川県継続高校大洗分校」の看板は初めて見ました。たぶん熱心なファンの寄贈品でしょうが、よくこういうのを作るなあ、と感心しました。もしかすると、同じ看板がマルハンひもの家と浅野丸にもあるんじゃないかな、と思いました。
店内に進み、奥さんに引換券を渡して特典のミッコ缶バッジを受け取りました。缶バッジが人気あって良かったですね、と話しましたら、奥さんは「ウチもガルパンの缶バッジ楽しくて集めてるんですよ。でもファンの皆様にいただくものの方が多くなりまして」と嬉しそうに壁の缶バッジ陳列ボードを示して下さいました。
このお店の名物ともいうべき、継続高校チーム戦車プラモデルの数も増えていました。同じファンの方が一つずつ作って寄贈しているようですが、アニメ本編に登場したのはBT-42だけで、あとは月刊戦車道などの公式設定記事に名前だけが載る車輌ばかりです。
でも、こうして具体的に再現されてみますと、一種の臨場感がBT-42のそれから広がって浸透してゆくような感じで、全ての車輌が劇中に登場したかのような楽しい錯覚に襲われます。
これはソ連製の軽戦車T-26です。第63回戦車道全国大会での第一回戦で青師団高校チームと対戦した際に1輌が参加しています。湖沼の間の隘路に布陣しての待ち伏せ戦法にて、隘路に待機していた部隊に含まれていたようですが、明確な公式記録はありません。
続いての第二回戦では黒森峰女学園と対戦しましたが、これにもT-26は1輌が参加しています。が、慣れない砂漠ステージにてドイツ機甲師団の末裔たちのパンツァーカイルに押しまくられて全滅しました。
これもソ連製のBT-7です。第63回戦車道全国大会での緒戦では、その機動力をいかして迂回奇襲や側面攻撃を展開しています。継続高校チームにおいては、劇場版に単騎で参戦したBT-42よりも、こちらのBT-7やBT-5が作戦上の重要戦力として活躍しています。第一回戦、第二回戦ともにBT-7、BT-5は2輌ずつが参加し、全10輌の4割を占める快速部隊として試合の流れに少なからぬ比率を占めていました。
そうした継続高校チームの傾向からすると、劇場版での大洗支援になぜBT-42一輌のみで参加したのかな、という素朴な疑問すらわきあがってきます。他のチームがほとんど主力級の戦車を持ってきているのに、継続高校だけが二線級の車輌で済ませているのはどうしてだろう、と思ってしまうわけです。
お約束のBT-42です。ガルパン劇場版のヒットのお蔭で、本国フィンランドでも評価の低いマイナー車輌が、一気に超有名になってしまいました。同時に、相当の誤解や曲解が浸透してしまったのも事実のようです。一般的には「パーシングをも簡単にやっつける戦車」というイメージが出来てしまったらしいのですが、実際にはそんな展開は有り得ません。
日野屋石油店から引き返して海岸沿いのバイパスを歩き、街中に入って進むと、広い駐車場の向こうにカワマタの新店舗が見えました。が、空腹を感じたので、何か食べてからあそこへ行こう、と決めました。
この頃は、お腹が空いたら和久で食事をするのがお決まりのパターンになっています。役場の横なので場所的に便利ですし、料理が美味しくて何度でも味わいたい気持ちがあるからです。申し出れば好みのメニューにアレンジもしてくれるので、裏メニューが幾つもある感じで楽しいです。
なので、この日のおすすめメニューの一つ、「秋刀魚の刺身とフライ定食」というのを注文し、かつ秋刀魚の刺身を焼魚でお願いしたところ、快く応じていただきました。さすがに海野さんです。
個人的には、秋刀魚は焼魚でいただくのが好きです。「これ、秋刀魚よ、恋しかったぞ・・・」と上方落語の「目黒の秋刀魚」の御殿様になりきった気分で美味しく食べました。
こちらは秋刀魚のフライです。フライでいただくのは初めてじゃないかなあ、と思いつつ食べてみましたが、他の魚のフライとあまり違わないような味になっていました。衣と揚げ油の風味のほうが勝ってしまっているのです。これだから秋刀魚のフライは一般的にはあまり無いのかもしれないな、と感じました。秋刀魚を揚げるのであれば、竜田揚げのほうが本来の風味が保たれるのではないか、と思いました。
そして、これ、つみれ入りのお吸い物です。これがもう大好きでこのお店に何度も行っているわけです。汁物の絶妙の美味しさという点では、大洗で和久にかなうお店は無いんじゃないか、と思います。汁物だけに終わらせずに、これを素材としてさらに多様な料理に展開させていただきたいところですね・・・。 (続く)