二日目の宿となった「あんばいや」は、私自身は1月の訪洗時に続いて二度目でした。予約はN氏が取って下さったのですが、これには事情がありました。N氏は魚介類が食べられないそうなので、事前に色々相談して、朝夕の食事に魚介類が含まれない宿を選ぶことにし、私が「あんばいや」を提案したのでした。大洗の宿はどこも海鮮料理が普通ですので、そうでない宿は稀です。
この宿のガルパンプランは二種類あって、Bプランの方は夕食がカツカレーになります。前回の宿泊時に私もこのBプランを利用し、カツカレーとお蕎麦を美味しくいただきました。そうした経験談も参考にして、N氏がこの宿に決めたわけです。
なので、予約もN氏の名前で入れていましたから、女将さんはN氏の同行者が私であることを知りませんでした。宿に到着して挨拶したら、「あらあら、Nさんのお連れさんって、星野さんだったのね」と驚いていました。私が「前にお世話になった際に、次は友達を連れて来ます、と申し上げましたが?」と応えると、「そうだ、そうだったよね、ほんとに連れてきてくれたんだね」と笑っていました。
それで、夕食はカツカレーとお蕎麦を前回と同じようにいただきました。いったん二階の部屋に戻って過ごしましたが、Sちゃんが就寝してからは、一階の食堂に降りて色々話をして過ごしました。女将さんが「ガルパンの今度の新作の案内DVDが来てるんで、観てみる?」と言ってくれたので「是非」とお願いし、N氏を呼びに行ったりもしました。アンツィオ戦OVAの予告編は、この時に初めて見ました。その後は夜遅くまでN氏と語らって過ごしました。
翌朝も快晴でした。朝食時間の30分ほど前ぐらいに順に起き出しましたが、Sちゃんがことのほか元気ではしゃぎまわっていたのですが、N氏は朝からスマホでなにやら忙しそうに見て没頭していたので、私がSちゃんの遊び相手を務める羽目になりました。それで少しくたびれてきた頃に朝食時間となり、一階の食堂にSちゃんを連れて行きました。サンダースのナオミが室内に居ました。その首にはまだボコ作戦のヒントが掛けられてありました。
後から降りてきたN氏が、既に席についていたSちゃんと私を撮りました。しっかりナオミも一緒におさまっていました。
私の背後のTVは、昨夜見せてもらったアンツィオ戦OVAの予告編をエンドレスで再生していました。これで見るとアンツィオ校の戦車道チームは軽快な小型車を用いての機動戦も展開してくるようですね。大洗女子学園チームの八九式中戦車甲型が、それに負けじと追尾を行っていましたが、そのスピードは実際の車輌には有り得ないもので、よく履帯がもつなあ、と思うほどでした。
食後、しばらく休んだ後に出発しました。この日の午前中に昨日からのイラストラリーの続きをやって「大洗ホテル」まで歩き、また戻ってくるので荷物を宿に預かってもらいました。Sちゃんは早くも外に出て待っていました。この日はももがーの「ウスヤ」にも行くので、それを楽しみにしていたようです。
出発直前に「あんばいや」の玄関口で、女将さんに私のデジカメを渡して撮影をしていただきました。Sちゃんは「早くももがー(ウスヤ)へ行こうー、スタンプ押したーい」状態で、私の手を引っ張っては「ももがーはどこ?」と二度ほど聞いてきましたが、「とりあえず記念写真撮ろうか」と言うと「ウン」と頷きました。
N氏父子と私の三人、さらにナオミも加えて写真におさまったのはこれが初めてでした。厚着の私と競輪選手風の軽装のN氏が並ぶと、寒いのか暖かいのかよく分からない図になりますね・・・。
東町商店街を移動中に、「古川酒造店」の立派な建物を見ながらN氏と古い商家建築の見方などについて話しました。東町商店街は、その地名が「明神」や「宮下」であることからも分かるように、大洗磯前神社への参詣道に発展した門前町であったようです。それで立派な商家や旅籠風の建物が多く、地元の有力者が軒を連ねていた様子が、いまに残る幾つかの古い建物からうかがえます。
この建物には「うだつ」と呼ばれる小柱または防火壁がつけられています。現在の大洗では余り見かけない遺構なので珍しく、そのことを話すとN氏も興味深そうに撮影していました。「うだつ」って漢字でどう書くんですか、と訊ねられたので、室町時代以降に色々な書き方があったんですが私が知っているのは宇宙の宇に立つの字で「宇立」という書き方ですね、と答えました。
「森屋菓子店」でSちゃんが張り切ってスタンプを押していました。キャラクターのパネルよりもスタンプの方に集中している状態というのは、昨日から一定していました。ガルパン以外でもスタンプラリーに熱中しそうですね・・・。
さらに人気の「シベリア」と「プリン」をチョイスしてゴキゲンのSちゃんでした。子供の行動に完全に合わせていましたから、私たちも「シベリア」を食べたのですが、これを食べるのは初めてだったかもしれません。
さらに河西忍とのツーショットを撮影してあげました。もはや完全にSちゃんのガルパン巡礼のアシスタント状態でした。
「金丸釣具店」では店内に入ってあちこち商品を見て回りました。N氏は色々土産を買っていました。その中には以前に私が購入した「砲弾型ウキ」も含まれていました。
店の奥の部屋にも初めて入りました。一番くじA賞のフラッグが貼ってありましたが、そのために商品の一部が隠れてしまっていました。
店内にスタンプが置いてあったので、Sちゃんが大喜びで押していました。紙がまだあるか、押すスペース残ってるか、と聞いたら「うん、あるある」と紙を広げてくれました。
天井には大きなスズキの拓本が貼られてありました。他にも色々な魚の拓本がありました。店の御主人の「戦果」なのでしょう。
「丸五水産」では、スタンプがちょっと分かりにくい場所に置いてあったので、私がそれを指してSちゃんに教えました。その瞬間をいつの間にかN氏が撮影してくれていました。
店内にはおからアートの新作であろう、蝶野亜美教官と角谷杏生徒会長が並べて展示してありました。本当に造形が上手で感心してしまいました。Sちゃんは、角谷生徒会長の方を「杏ちゃん」と指しましたが、蝶野教官の方には「誰?」というような雰囲気のままでした。アニメでは登場回数が少ない方のキャラクターですから、子供にとってはちょっと印象が薄かったのかもしれません。 (続く)