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「潮騒の湯」で温まり、美味しく刺身料理をいただいた後は、再び街中へ散策に出ました。気楽にブラブラ歩いて、色んなお店に入って見るという、お決まりのパターンでした。私は知人への土産を幾つか買う計画でしたので、まずは「カネハチ海藻」で昆布のセットを購入しました。精算時にガルパン公式名刺をいただきましたので、今度は各商店街で広く公式名刺を配布しているのだな、と分かりました。
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「松澤精肉店」ではお店の方と色々話しました。店主さんは出かけておられたので、息子さんらしき若い方が居られましたが、この方もガルパンファンのようで、語り口も情熱的でした。公式名刺や缶バッジの話で盛り上がり、私がジュースを購入して貰った缶バッジとは別に、「いばらきイメージアップ大賞受賞記念」の限定バッジもいただきました。
聞けばこのお店は商工会の青年部に属しているということで、こうした限定品バッジの在庫をお持ちなのでした。他の所属店でも配ってますよ、と教えていただきましたが、イベント等でしか入手出来ないとされる限定缶バッジがこういう形で偶然に貰えたりするのも、大洗歩きの楽しみの一つです。
そういえば、第二回スタンプラリーの景品としてしか入手出来ない、とされた八九式中戦車甲型とⅢ号突撃砲F型の二種の缶バッジは、以前に大貫商店街のあるお店で購入時にノベルティとして頂きましたし、今年2014年の3月3日のM3イベントの限定品とされたウサギさんマークの缶バッジは、これも各店で普通に配布されているのを見かけました。なので、私は3月3日のM3イベントには行っていないにも関わらず、そのウサギさんマークの缶バッジを3個も貰いました。冬の進軍ボコ作戦の景品バッジも、春に東町商店街の各店で購入特典として使われていたため、私もこれを3個貰っています。
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大貫地区の北にあるココストアに立ち寄り、コーヒーとパンを買って食べました。歩き回って各店にておしゃべりなどをしていると、とにかくお腹が減ってくるので、パン1個だけでも充分な補給になりました。このココストアでは土日のみに限って缶バッジをおにぎりの購入特典として配布しているそうですが、同じコンビニのセイコマートの方は、買い物時に申し出ればいつでも缶バッジを貰えます。この差異が、そのままセイコマートの方が大洗ガルパン巡礼者のなかで知名度が高い、という結果にも繋がっているように思えます。
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「和泉屋米穀店」にも立ち寄りました。お店のおばさんがとても気さくな方なので、プラッシーを買って飲みながらついつい長居して話し込んでしまいますが、今回もそうでした。大貫商店街発のEDバージョンの缶バッジ二種類のうち、貰えるのはアヒルさんばかりで、カメさんの方がなかなか貰えない、どこのお店で買い物しても、カメさんバッジが品切れになっている、というような話をしました。おばさんも「カメさんの方がとっても人気あったもんねえ」と頷いておられました。もちろんこのお店でも、配布していたカメさんバッジはとうに品切れになっていました。
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曲がり松商店街に戻り、「鳥孝」の店先の椅子で休みながら店主夫婦と雑談をしました。店内に展示してあるファンからの寄贈品の一つ一つを、御主人が楽しそうに説明してくれましたが、戦車キットの番になると「これはプラモデルをそのまま組み立てたみたいだね」と少し残念そうに語っていました。現時点においても、完全なガルパン仕様の戦車キットが置いてあるお店はほとんどないため、巡礼ファンのなかでも「このキットはここが違う」とか「ここの作り方がアニメじゃない」などと話題になることも少なくないようです。
上画像が「鳥孝」の展示品キットですが、御覧のようにファインモールドのキットのまま組み立てており、ガルパン劇中車の特徴である主砲防楯の形状や車体上部右側前面のキャップ、両側のリベットや合わせ目の位置などが再現されていません。でも、作った人が「これでいいんだ」と納得して楽しんでいた様子がありありとうかがえますので、それはそれで良いじゃないか、と思います。
私自身は、一生懸命にガルパン仕様に近づける形でキットを作っていますが、そんなのはむしろごく一部のやり方であって、亜流に属するかもしれません。大多数のガルパンファンは、もっと気さくに楽しんで戦車プラモデルを作っているだろうと思うので、それぞれの「ガルパン戦車」のイメージが作品に込められていれば、それで充分ではないかと考えます。
それよりも、キューポラにおさまっている、ねんどろいどぷち改造品とみられる磯辺キャプテンが実によく出来てるなあ、と感心したことでした。
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この日の宿は、曲がり松商店街のシンボル「曲がり松」を店先に据える「さかなや隠居」でした。いつか泊まってみたいと強く希望していた所でしたので、ようやく念願がかなったという感じでした。最近になってガルパン応援宿泊プランを始めてくれたのが、本当に有り難いです。
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ご存知、西住まほのパネルです。お姉ちゃん、であります。私自身、西住姉妹のどっちが良いかと聞かれれば、姉の方を選びます。ファンであるという程ではありませんが、なんとなく気になってしまうキャラクターです。これは隣の「かま家」に居る逸見エリカについても同様なので、結果的に黒森峰ペアのお二人に対しては、どうしても看過出来ない、一種の魅力のようなものを感じているということになりますね。
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玄関に入った途端、「和泉屋米穀店」のおばさんに出会いました。突然の邂逅に驚いていると、「カメさんのバッジあったから届けに来たの」と言われ、バッジの入った封筒を渡されました。思いがけないサプライズに感動してしまいました。私がここに泊まる事を話してあったため、わざわざ届けに来て下さったのでしたが、実は「和泉屋米穀店」はこちらの宿に米を納品しているそうで、おばさん同士は古くからの長い付き合いだということでした。
それで、私の人となりをあらかじめ話して下さったものか、宿の女将さんも「星野さんのことは色々お聞きしたところですよー」と笑っておられました。無くなってしまったカメの缶バッジ、どこから持って来られたのですか、と聞くと、「それはね、ヒミツなのー」とおどける「和泉屋米穀店」のおばさんでした。こういう楽しい方がいらっしゃるから、大洗には何度でも行きたくなりますね・・・。
案内された部屋は二階にあり、新しくて立派なものでした。聞けば二、三年前に建物を新築したばかりだそうです。2001年に初めて大洗へ遊びに行った時に、このお店の座敷席で天丼を頂いているのですが、そのときの記憶と現在の施設の様子が全然違っていたのでした。以前は古い商家ふうの木造建築だったのですが、現在は鉄筋コンクリート造の三階建に拡張されたということです。
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窓からは、向かいの茨城県信用組合の建物が見えました。部屋が玄関口の真上に位置していることが理解出来ました。つまりはこの部屋のほぼ真下にお姉ちゃんが立っているわけですね・・・。
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部屋の前室には、上画像のような、初めてみる設備がありました。女将さんが「これに濡れたタオルを掛けておけば翌朝には乾きますので」と説明してくれました。なるほどと思って触れようとすると、「熱くなっていますから気を付けて下さいね。スイッチはこちらで、これを切ったら熱もおさまりますが、再び温めるのに時間がかかりますので、このままにしておいた方が良いでしょうね」と言われました。
今まで色々な宿に泊まりましたが、こういう設備は初めて見た気がします。
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部屋だけでなく全体的に内装も立派な旅館です。一階へ降りる階段の横の壁には風格のある絵が貼られ、高そうな陶磁器と大きな魚の彫り物が飾られています。
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二階の壁の一つには、渦巻く海面に泳ぐ二匹の魚のモチーフが表現されてあります。白い円形の組み合わせによる幾何学的な文様で海面が表現されており、二匹の魚が黒々と横たわる様が一種のコントラストを成して強い印象を与えます。まるで京都竜安寺の石庭を思わせるモチーフです。
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右のドアが、私の泊まった部屋です。柱はどれも太く立派な材を用いており、楼閣建築の内装のような雄大さすら感じられました。旅館の内部というより、御殿の内部に似た雰囲気でした。
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どうしても目が行ってしまうのが、階段の横に置かれる大きな魚の彫り物です。もしかして、これが「さかなや隠居」の屋号のもとなのかもしれない、と思いました。現在の「肴屋本店」とは五代ほど前に同じだったといい、本店と先代の隠居所に分かれたのがそもそもの始まりだと女将さんが教えてくれました。そして隠居したけれども再び宿を始めたので、本店と区別するために「肴屋隠居」の屋号を用い、のちに「肴屋」を平仮名に改めたということです。
この大きな魚の彫り物は、謂れのあるものですか、とお訊ねしたところ、「昔からある飾り物の一つですよ」と言われました。そのさりげない答えに、この宿の歴史の古さを垣間見た気がしました。 (続く)