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7月16日 神奈川大会 2回戦 横浜スタジアム
横浜創学館15-5光陵
 
レポート 小関順二

 真夏の日中、横浜スタジアムで行われる高校野球は、日本で一番暑いと思う。
「プレーが熱い」の熱いではなく、強烈な日射に肉体が疲弊する「暑さ」である。人工芝の照り返しが暑い、観客が多くて暑い、座席が暑い、そして屋根が1カ所もなくて暑い。
 この日は観客こそ多くなかったが、暑かった。この球場に来ると、「ああ、これから夏が始まるんだな」と否応なく思わされる。

 さて、この試合で注目したのは横浜創学館の野手2人、2年生で3番を打つ谷恭兵(右翼手・右投左打)と4番・圓垣内(えんがいち)学(一塁手・右投左打)だ。

 谷はグリップを肩のあたりに置き、バットは最後まで立て、目線を下向きにした形が前田智徳(広島)によく似ている。
 2カ月前の横浜戦では、打つ直前にヘッドが倒れる形が小笠原道大(巨人)に似ているとノートに書いた。いずれにしても、技術力の高い一流のプロ野球選手に「形だけでも似ている」と言われるのは、悪いことではない。

 5月の横浜戦はヒットがなく犠牲フライ2つで2打点という記録が残っているが、この日は6打数3安打4打点と勝利の牽引車になった。
 相手が違うと言われればそれまでだが、いい形で打って結果がよければ、相手がどうであろうと評価しないわけにはいかない。
 5回裏には1死二塁で仙波真太郎が打った右前打を捕るやいなや、三進を狙う一塁走者を低い球筋のワンバウンド送球で補殺を記録、強肩ぶりを遺憾なく発揮している。
 来年は石川賢太郎(桐光学園・三塁手)、新井健吾(横浜・一塁手)などとともにドラフト戦線を牽引する選手になっているだろう。

 圓垣内は5月の横浜戦でライトに3ランホームランを打ち、強打の印象を強く残している。そしてこの日は2回に2ランホームランを左中間スタンドにぶち込み、広角に打てる懐の深さを証明した。
 ちなみに、この日のホームランは高校通算54本目である。

 谷を「前田」にたとえたが、圓垣内をプロの選手にたとえると掛布雅之(元阪神)の名前が出てくる。両脇を絞めて体から少し離してバットを構える形や柔らかいリスト、さらに176センチの上背でホームランを量産する姿がよく似ている。
 7回にはライトからレフトに吹く風に乗せてレフト越えの二塁打を放ち、決定的な追加点を奪っている。

 2人に共通する不満は脚力である。今日の試合で谷は7、8回に右前打を放っているが、このときの一塁到達タイムが5・25、5・48秒という遅さだった。
 圓垣内は左二塁打を最初ファールだと思ったのか、二塁到達は13・50秒という記録的な遅さだった。大きくリードしても油断しない、そういうプレースタイルをこれからは身につけてもらいたい。

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コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
谷くんは (通りすがり)
2009-07-28 21:52:45
3年生ですよ。
 
 
 
通りすがり (圓垣内くんは)
2009-08-07 09:51:08
「えんがいち」ではなく「えんがうち」と読むんだったと思いますが。
 
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