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重松清のノンフィクション100選:その4
※コメントは選者ご本人によるものです

旅をする。旅を描く
気違い周游紀行 (冨山房百科文庫 31)
きだみのる
冨山房百科文庫/1981年
いまなら絶対に物議をかもすタイトルだが、「気違い」の一語をきだみのる自身はむしろ淡々とした肯定でとらえている。村人たちの大らかな間の抜け方が、なんともいえずいい

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)
深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)
深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)
深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)
深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)
沢木耕太郎
新潮文庫/1994年
『テロルの決算』『一瞬の夏』など代表作は数多い沢木氏だが、ここでは最も多くの若い読者を獲得しているはずの本書を

田山花袋の日本一周〈前編〉近畿・東海
田山花袋の日本一周〈中編〉中国・九州・四国
田山花袋の日本一周〈後編〉関東・東北・北海道
田山花袋
東洋書院/2007年
『田舎教師』『蒲団』のイメージが強すぎる花袋だが、『南船北馬』『温泉めぐり』など紀行文の名手でもあったのだ。ちなみに日露戦争では写真班で従軍。明治の「不肖・宮嶋」だったのか? 大正3年博文館刊の復刻版

太平洋ひとりぼっち
堀江謙一
舵社/2004年
太平洋横断の旅そのものだけでなく、出発までのすったもんだもきっちりと描いてあるところが魅力。じつを言うと、青春旅行記の成否は「旅立つまで」をどう描いているかで決まるような気がしてならないのだ

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))
宮脇俊三
角川文庫/1984年
司馬遼太郎が『街道をゆく』なら、宮脇俊三の仕事は「鉄道をゆく」。『鉄道廃線跡を歩く』シリーズも貴重な労作。晩年はやや「ためにする」鉄道乗車が多かった感もあるのだが、デビュー作の本作には、列車に乗る喜びが素直にあふれている

パタゴニア
ブルース・チャトウィン/芹沢真理子訳
めるくまーる/1998年
祖母のいとこの消息を尋ね歩くパタゴニアへの旅は、地の果てに吹き溜められたエキセントリックな連中と次々に出会う旅でもあった。チャトウィンにはオーストラリアのアボリジニの精神世界を軸に放浪を描いた『ソングライン』もある

イギリスだより―カレル・チャペック旅行記コレクション (ちくま文庫)
カレル・チャペック/飯島周編訳
ちくま文庫/2007年
新聞記者だったチャペックは、旅行記の名手でもある。短い文章でのルポの巧みさは絶品。また、チャペックには、世界各国からのレポートというノンフィクションの体裁をとったSF小説『未来からの手紙』もある

ラスベガスをやっつけろ!―アメリカン・ドリームを探すワイルドな旅の記録 (Nonfiction vintage)
ハンター・S・トンプソン/室矢憲治訳
筑摩書房/1989年
ゴンゾー(ならず者)・ジャーナリストが1971年にラスベガスを訪れたときのルポ、というかドラッグ漬けの道中記。ジョニー・デップ主演で映画化も。トンプソンには『アメリカン・ドリームの終焉』もある。なお本書は99年に『ラスベガス・71』のタイトルで再び翻訳刊行された

労働/生活の現場から社会の病理を穿つ
追われゆく坑夫たち (同時代ライブラリー)
上野英信
岩波同時代ライブラリー/1994年
石炭の時代の終焉を見届けたルポ。同じ著者の『地の底の笑い話』とセットで読むと、苛酷な労働状況の中で生まれたユーモアにクスッとしつつ、だからこそよけいに粛然とした思いに包まれる

自動車絶望工場―ある季節工の手記 (講談社文庫)
鎌田慧
講談社文庫/1983年
取材のために季節工として工場に「潜入」したルポ。その手法が論議を呼んだものの、決してそれは「突撃」「体験」といったレベルのものではない。「働くこと」そのものへの問いかけは、若い読者にこそ読んでほしい

東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)
紀田順一郎
ちくま学芸文庫/2000年
明治の貧困層を描いた横山源之助『日本の下層社会』や松原岩五郎『最暗黒の東京』も確かに必読本だが、本書はその最良のガイドブック。さまざまな文献を渉猟しつつ、「弱者」を直視しない政治や社会の真の意味での貧しさを論じる

ノリソダ騒動記 (講談社文芸文庫)
杉浦明平
講談社文芸文庫/1998年
漁業権をめぐる「地方」のボス支配を、あえて戯画化した大らかな笑いとともに描く。『ドキュメント 田舎・炭鉱・』も杉浦の名著

タクシードライバー日誌 (ちくま文庫)
梁石日
ちくま文庫/1986年
タクシー運転手の苛酷な日常と車内で垣間見える人間模様を自らの体験から描く。体験によるノンフィクションが愚痴や暴露に陥らないためには、自らを客観視する・笑い飛ばすことが必要。本書はその格好のお手本である

工場日記 (講談社学術文庫)
シモーヌ・ヴェイユ/田辺保訳
/講談社学術文庫/1986年
松本清張と太宰治とヴェイユはいずれも今年生誕100年。1930年代フランスの工場労働者の実態を描く本書は、『アンネの日記』と並ぶ日記文学の名作


「その5」に続く


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