「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

対人関係スキルの構築

2017年03月12日 20時29分27秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 対人関係のパターンを変えるのは 難しいですが、 重要なことです。
 
 対人関係の対応には努力を要します。
 
 つまずいて、 怒ったり、 退くことがあっても構いません。
 
 対人関係スキルを練習することで、 以下の結果が得られます。
 
・ 人に対応する上で、 効果的になれる。
 
・ 自分のニーズを満たす能力が 向上する。
 
・ 関係を損なわずに、 対立の交渉ができる。
 
・ 自尊心が強化される。
 
◎ 主要な対人関係スキル
 
 中核的な対人関係スキルは6つあります。
 
1. 自分の望んでいるものを知る
 
 注意を払い、 心の中で、 感じていることを表現する 方法を見つけることです。
 
2. 関係を守る形で、 望むものを要求する。
 
 要求を、 攻撃的でない言葉にし、 行動の変化を求めることです。
 
3. 対立する欲求の交渉をする。
 
 どちらが勝ちも負けもせず、 責任ある関わりによって始まります。
 
 各人の要求が 妥当であることを前提とし、 妥協する意思を促します。
 
4. 情報を得る。
 
 相手の要求, 恐れ, 希望などに気付くことです。
 
 それには次の障害があります。
 
 ① 相手の望みが 分かっていると思い込む。
 
 ② 自分の恐れ, 要求, 感情を 相手に投影する。
 
 ③ 詮索していると思われるのを 恐れる。
 
 ④ 最悪の答を聞くのを恐れる。
 
 ⑤ どのように尋ねたらよいか、 分からない。
 
5. 関係を守る形でノーと言う。
 
 「ノー」 には 3つの言い方があります。
 
 ① 弱々しく無力なスタイル
 
 ② 攻撃的なスタイル
 
 ③ 自分がすることとしないことに 厳格な境界を設定し、
 
   相手の要求の妥当性を尊重する、 アサーティブなスタイル
 
 ①と②は、 どちらかがコントロールされ、 怒りを感じるため、
 
 関係を台無しにします。
 
6. 自分の価値観に沿って 行動する。
 
 受動的, 攻撃的なことは、 自分と人の双方の 自尊心を損なわせます。
 
 自分が人にどう対応したいか を自問することは、 対人関係を築く上で重要です。
 
 自分の価値観に従って行動するのも、 重要なことです。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より [星和書店の許可のうえ掲載]
 


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